将棋コラム

王将戦七番勝負第2局、きわどい終盤戦を制したのは?マイナビ女子OPベスト4出揃う【1月23日~29日の中継結果まとめ】

王将戦七番勝負第2局、きわどい終盤戦を制したのは?マイナビ女子OPベスト4出揃う【1月23日~29日の中継結果まとめ】

更新: 2017年01月30日

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日本将棋連盟モバイルにおける1月23日~29日の中継局の結果をまとめてお伝えします。

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王将戦七番勝負、久保が開幕連勝

●郷田真隆王将-○久保利明九段

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郷田真隆王将に久保利明九段が挑戦する第66期王将戦七番勝負は久保九段の先勝を受け、第2局が23日(月)から24日(火)にかけて、兵庫県尼崎市の「都ホテルニューアルカイック」で行われた。先手の久保九段は、初手に▲7八飛として三間飛車を採用。角交換になって向かい飛車に振り直し、互いに銀冠に組む。駒がぶつかり、封じ手を経て2日目に入ると、郷田王将が銀損ながら飛車をさばいて竜を作った。以下、二枚飛車からの確実な攻めを見せる郷田王将に対し、少ない攻め駒で久保九段が食いつけるかどうかの構図になる。千日手筋や、どちらにも有望な変化が現れるなど際どい終盤戦が展開され、最後は両者ともに一分将棋になる中で久保九段が寄せきった。対戦成績は久保九段の2勝0敗となり、第3局は2月1日(水)から2日(木)にかけて、栃木県大田原市の「ホテル花月」で行われる。

岡田美術館杯女流名人戦、里見がカド番しのぐ

○里見香奈女流名人-●上田初美女流三段

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第43期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負は、挑戦者の上田初美女流三段が開幕連勝。第3局は29日(日)、千葉県野田市の「関根名人記念館」で行われた。カド番に追い込まれた後手番の里見香奈女流名人は、ゴキゲン中飛車に本局の命運を託す。上田女流三段は超速▲3七銀戦法を用い、銀対抗に進んだ。上田女流三段の▲6六歩~▲6七金を見て、9筋の歩を突き越したのが里見香女流名人の工夫。里見香女流名人は、上田女流三段が左銀を6八~7七~8六と繰り出して9五の歩を取る間に戦力を中央に集めて仕掛け、大駒をさばきながら攻め続けて一気に寄せきった。これで対戦成績は里見香女流名人の1勝2敗。第4局は2月5日(日)、岡山県真庭市「湯原国際観光ホテル 菊之湯」で行われる。

竜王戦

2組

○佐藤康光九段-●澤田真吾六段

ランキング戦が進行中。▲佐藤康光九段-△澤田真吾六段戦は、相矢倉の出だしから澤田六段が急戦矢倉を採用した。澤田六段が5筋の位を確保し、互いに駒組みを進める間に佐藤康九段がリードを奪う。うまく攻撃形を築き、一方的に攻める展開に持ち込んで快勝した。

4組

○斎藤慎太郎六段-●矢倉規広七段

ランキング戦が進行中。▲斎藤慎太郎六段-△矢倉規広七段戦は、矢倉七段が三間飛車で美濃囲いに構える。斎藤六段は金銀3枚が密集した居飛車穴熊を組み上げると直ちに開戦、難しい変化はあったものの、存分にさばいて最後は手勝ちを収めた。

順位戦(カッコ内はリーグ順位)

B級1組

●山崎隆之八段-○豊島将之七段
○久保利明九段-●郷田真隆王将

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c名人戦棋譜速報

11回戦が行われた。唯一の2敗で首位を走る山崎隆之八段は、同じく関西本部所属で昇級の目を残す豊島将之七段と対戦。豊島七段の先手で横歩取り8四飛戦法の6八玉型から、山崎八段が先攻し、豊島七段は相手の薄い玉形を突く反撃態勢を築く。変化手順に「詰めろ逃れの詰めろ」の応酬を含んだ際どい寄せ合いが展開され、最後は豊島七段が激戦をものにしている。進行中の王将戦七番勝負でも顔を合わせているカード、▲久保利明九段-△郷田真隆王将戦は、ここまで6勝3敗で2番手の久保九段と2勝7敗で最下位の郷田王将という、対照的な状況での対戦となった。先手の久保九段が▲1六歩の入った先手ゴキゲン中飛車に構えたのに対し、郷田王将は王将戦第1局でも見せた形に進め、そこから変化すると角を捨てて激しく迫る。一直線の寄せ合いから久保九段が抜け出し、王将戦の2局に続いて制勝した。リーグ成績は以下のとおり。

【7勝3敗】久保九段(2)、阿久津主税八段(9)、山崎八段(10)
【7勝4敗】木村一基八段(5)
【6勝4敗】豊島七段(6)
【5勝5敗】橋本崇載八段(4)、谷川浩司九段(8)、糸谷哲郎八段(12)
【5勝6敗】松尾歩八段(3)
【4勝6敗】丸山忠久九段(7)
【3勝7敗】畠山鎮七段(11)、飯島栄治七段(13)
【2勝8敗】郷田王将(1)

昇級の可能性があるのは豊島七段までの上位5人。うち自力昇級の目があるのは、最終戦で▲阿久津八段-△山崎八段戦が組まれているため、山崎八段までの3人。残留以上を決めているのは松尾八段までの9人。

王座戦

一次予選

○佐々木勇気五段-●中村亮介六段

最後の1局、▲佐々木勇気五段-△中村亮介六段戦が行われた。中村亮六段の石田流三間飛車に佐々木勇五段が居飛車穴熊で対抗、中村亮六段が突き越した9筋の歩を佐々木勇五段の右銀が遠征して取る。それをきっかけに始まった端の勢力争いを佐々木勇五段が制し、戦線を拡大したところで中村亮六段を投了に追い込んだ。一次予選を突破したのは山本真也六段、宮田敦史六段、阿部光瑠六段、千田翔太六段、佐々木勇五段、青嶋未来五段の6名。

王座戦一次予選

二次予選

○田村康介七段-●中田宏樹八段

一次予選と並行して各ブロックが進行中。▲田村康介七段-△中田宏樹八段戦は5筋の歩を突き合ってから田村七段が向かい飛車に構え、手損ながらも角交換して互いに馬を作り合う乱戦に進む。大駒4枚が集まった8、9筋からもみ合いが始まり、ポイントを挙げた田村七段がリードを生かして攻め勝った。

王座戦二次予選

棋王戦 

第43期予選

●阪口悟五段-○村田顕弘五段
●佐藤紳哉七段-○中村太地六段
○藤井聡太四段-●豊川孝弘七段
●加藤一二三九段-○上村亘四段
○井上慶太九段-●星野良生四段
●大石直嗣六段-○小林裕士七段

第42期五番勝負を前に各ブロックが進行中。▲阪口悟五段-△村田顕弘五段戦は、阪口五段が三間飛車で石田流を目指したところ、村田顕五段が右四間飛車から手早く仕掛ける。阪口五段が村田顕五段の大駒を封じ込めて優位に進めるが、最後は逆転で村田顕五段が制した。▲佐藤紳哉七段-△中村太地六段戦は手損のない角換わりで先手早繰り銀、後手腰掛け銀に進む。棒銀に繰り替えて端から仕掛けた佐藤紳七段がペースをつかむが、粘りを許して混戦になり、最後は中村太六段が抜け出した。▲藤井聡太四段-△豊川孝弘七段戦は、角換わりで豊川七段が9筋に2手かける間に、藤井聡四段が3八銀・4九金型から手早く▲4五桂と仕掛ける。豊川七段が攻め合いに出れば有望な変化もあったところ、余しにいく選択がアダとなり、藤井聡四段が一方的に攻め倒した。▲加藤一二三九段-△上村亘四段戦は横歩取り8四飛型で相中住まいに進む。難しいねじり合いとなったが、加藤九段のミスに乗じてペースをつかんだ上村四段が押し切った。▲井上慶太九段-△星野良生四段戦は、相居飛車から星野四段が角道を止めずに3一玉型の左美濃に組んで袖飛車に構え、井上九段は矢倉ではない柔軟な駒組みを見せる。星野四段が入城したところ、左銀を3五に繰り出して玉頭を攻めると優位を築き、最後は嫌み嫌みと迫る星野四段を振り切った。▲大石直嗣六段-△小林裕士七段戦は、小林裕七段が一手損角換わりで早繰り銀から銀をさばく。激しい駒の取り合いから小林裕七段が優勢に進め、入玉を目指して粘る大石六段の玉を、180手の長手数の末に仕留めている。

棋王戦予選

棋聖戦 

二次予選

●鈴木大介八段-○青嶋未来五段

▲鈴木大介八段-△青嶋未来五段戦が行われた。鈴木八段が先手ゴキゲン中飛車で片銀冠に組み、青嶋五段は居飛車穴熊で迎え撃つ。青嶋五段は駒損ながら飛車をさばいたあとは鈴木八段の攻めを丁寧に受け、最後は手勝ちを収めている。

棋聖戦二次予選

マイナビ女子オープン

本戦トーナメント

○甲斐智美女流五段-●香川愛生女流三段

ベスト4を決める最後の一戦、▲甲斐智美女流五段-△香川愛生女流三段戦が行われた。相居飛車の出だしから、甲斐女流五段が5筋に位を張って7九玉型の左美濃に構え、右四間飛車にして攻勢を取る。香川女流三段は反撃含みに甲斐女流五段の玉に嫌みをつけるものの、甲斐女流五段が厳しく攻めて押し切った。準決勝は里見香奈女流五冠-甲斐女流五段戦と、上田初美女流三段-西山朋佳奨励会三段戦の組み合わせとなる。

マイナビ女子オープン本戦トーナメント

トピック

近年はいかに早く攻撃形を作るか、という点を重視する傾向が見られます。角換わりで早々に▲4五桂と跳ね出す将棋もその一環といえるでしょう。▲藤井聡太四段-△豊川孝弘七段戦は、藤井聡四段が玉を6八にとどめ、3八銀・4九金の低い陣形から手早く▲4五桂と仕掛けています。この将棋では豊川七段が△9四歩~△9五歩と端に2手かけており、検討陣にも▲4五桂から考えてみたいといわれていましたが、実際の成否は難しいようでした。このような早仕掛けは現在、一部では盛んに研究されているとの話も聞かれます。この対局は後手の玉が4二でしたが、細かい形の違いによって成否が異なることも考えられるでしょう。今後、この類の早仕掛けについてどのように定跡が整備されていくのか、また例えば受けの達人だった(故)大山康晴十五世名人が受ける側を持つとどのような指し回しを見せるのだろうかなど、興味は尽きません。(飛龍記者)

*写真は王将戦中継ブログ岡田美術館杯女流名人戦中継ブログ名人戦棋譜速報より引用。

日本将棋連盟モバイル編集局

ライター日本将棋連盟モバイル編集局

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