【11月21日~11月27日の中継結果まとめ】王将戦は久保九段が挑戦、女流王座戦は里見女流四冠が奪取他

【11月21日~11月27日の中継結果まとめ】王将戦は久保九段が挑戦、女流王座戦は里見女流四冠が奪取他

ライター: 日本将棋連盟モバイル編集局  更新: 2016年11月28日

日本将棋連盟モバイルにおける11月21日~11月27日の中継局の結果をまとめてお伝えします。

トップニュース 王将戦、久保が七番勝負の舞台に

挑戦者決定リーグの最終戦、唯一1敗でプレーオフ以上を確定させていた久保利明九段は、勝てば挑戦が決まる一番。リーグ残留の目がない深浦康市九段と対戦した。久保九段が4筋の歩突きを保留する後手四間飛車から△9二香と穴熊を見せると、深浦九段は7八玉、8八角の形で▲9八香と上がる。奇異に見えるが、前例のある進行だ。深浦九段は穴熊に囲う順を見せ、久保九段の仕掛けを誘う。途中は先手が指せる変化もあったが、久保九段が穴熊を乱されながらも二枚飛車で攻める展開になり、最後は手勝ちを収めた。久保九段は第59~60期の王将で、七番勝負登場は第61期以来、5期ぶり5回目。郷田真隆王将との七番勝負は来年1月8日(日)から9日(月)にかけて、静岡県掛川市の掛川城「二の丸茶室」で開幕する。

女流王座戦五番勝負、ストレートで里見が奪取

matome161128.jpg

後手里見香女流四冠のゴキゲン中飛車に対し、加藤女流王座が超速▲3七銀戦法で対抗した。互いに研究の用意があると見られ、序盤は猛スピードで進む。先手が右銀を繰り出して3四の歩をかすめ取る展開で、ここのところ注目の形だ。里見香女流四冠から前例にない手を出したが、先手に指せる変化が生じる。加藤女流王座がその順を逃すと、里見香女流四冠が厳しく急所を攻め立てて寄せきった。里見香女流四冠は3勝0敗のストレートで3期ぶりに女流王座を奪還し、2013年6月以来の女流五冠復帰を果たす。

女流王座戦中継ブログ

竜王戦七番勝負、渡辺が2勝2敗のタイに追い着く

matome161128_02.jpg

後手の丸山忠久九段は、得意の一手損角換わりを採用。右四間飛車に構え、2枚の銀を四段目に繰り出す形から攻勢を取る。角桂交換の駒損ながらも激しく攻める丸山九段に対し、渡辺明竜王も強く応戦して激戦となった。丸山九段の攻撃開始時の指しすぎが最終的に相手の玉の広さにつながり、渡辺明竜王が制して対戦成績を2勝2敗のタイに戻している。

竜王戦中継ブログ

順位戦(カッコ内はリーグ順位)

B級1組:○谷川九段-●糸谷八段
●郷田王将-○木村八段
●畠山七段-○飯島七段

matome161128_03.jpg
c名人戦棋譜速報

▲谷川九段-△糸谷八段戦は横歩取りから鋭い踏み込みを見せた谷川九段が3勝目を挙げた。1日置いて行われた▲郷田真隆王将-△木村一基八段戦、▲畠山鎮七段-△飯島栄治七段はそれぞれ木村八段、飯島七段が制す。

上位の成績は以下のとおり。

【6勝1敗】久保九段(2)
【6勝3敗】木村八段(5)
【5勝2敗】山崎八段(10)

順位戦B級1組

C級2組:○高見五段ー●島本五段

matome161128_04.jpg
c名人戦棋譜速報

7回戦の後半13局が行われた。5勝0敗だった高見泰地五段は島本亮五段との横歩取りの将棋で後手を持ち、ねじり合いを制して全勝を守る。

上位の成績は以下のとおり。

【6勝0敗】増田康宏四段(5)、三枚堂達也四段(7)、高見五段(15)、西尾明六段(16)
【6勝1敗】門倉啓太五段(37)、近藤誠也四段(49)

順位戦C級2組

王位戦

予選:○横山六段-●増田四段
●青嶋五段-○佐々木勇五段 

横山六段、佐々木勇五段がそれぞれ制し、予選突破までいずれもあと1勝と迫る。次戦で横山六段は佐藤天彦名人、佐々木勇五段は中村太地六段と挑戦者決定リーグ入りを懸けて戦う。

王位戦予選

王座戦

一次予選:●森けい九段-○勝又六段
●今泉四段ー○千田五段
●八代五段-○遠山五段

前の週にフリークラスからの昇級を決めた今泉健司四段は、千田五段の左美濃に対して片銀冠から地下鉄飛車で1筋に狙いをつけたが、相手の攻めを緩和しながら反撃を繰り出した千田五段が勝った。

王座戦一次予選

王将戦(カッコ内はリーグ順位)

挑戦者決定リーグ○近藤誠四段ー●羽生三冠
○久保九段ー●深浦九段
●羽生三冠ー○豊島七段
○糸谷八段-●渡辺明竜王

6回戦では、すでにリーグ陥落が決まっている近藤誠也四段が意地を見せ、羽生善治三冠に相掛かりで快勝。羽生三冠は最終戦で豊島将之七段との相居飛車力戦形の将棋でも精彩を欠き、敗れてリーグ残留を逃す。

最終リーグ成績は以下のとおり。

【5勝1敗】久保九段(2)=挑戦
【4勝2敗】糸谷八段(3)、豊島七段(5)
【3勝3敗】渡辺明竜王(5)=以上、残留
【2勝4敗】羽生三冠(1)、近藤誠四段(5)
【1勝5敗】深浦康市九段(4)=成績下位3人はリーグ陥落。

順位 名前 1 2 3 4 5 6 7
1 羽生三冠 2 4
深浦
-
渡辺

久保

糸谷

近藤

豊島
2 久保九段 5 1
豊島

渡辺
-
羽生

近藤

糸谷

深浦
3 糸谷八段 4 2 -
豊島

近藤

深浦

羽生

久保

渡辺
4 深浦九段 1 5
羽生

近藤

豊島

糸谷

渡辺
-
久保
5 渡辺竜王 3 3
近藤

久保

羽生
-
深浦

豊島

糸谷
5 豊島七段 4 2
久保

糸谷

深浦

近藤
-
渡辺

羽生
5 近藤四段 2 4
渡辺

深浦

糸谷

豊島

久保

羽生
-

王将戦挑戦者決定リーグ

棋王戦

挑戦者決定トーナメント:○佐々木勇五段-●佐藤天名人

▲7六歩の出だしに佐藤天名人は得意の横歩取りを封印し、2手目△8四歩で戦型を相手に委ねる。佐々木勇五段は対して▲6八銀から矢倉を選び、早囲いにして厳しく攻勢を取ると、佐藤天名人の反撃をかわして緩みなく寄せきった。

準決勝進出者は2敗失格制。佐々木勇五段は勝者組決勝に勝ち進み、次に千田翔太五段と対戦する。佐藤天名人は敗者復活戦に回り、1回戦を森内俊之九段と戦う。

棋王戦挑戦者決定トーナメント

朝日杯将棋オープン戦

二次予選:○稲葉八段-●阿部八段

すでに一次予選が終了し、二次予選が開幕。初戦は▲稲葉陽八段-△阿部隆八段の組み合わせとなった。相掛かりに進み、阿部隆八段が8筋一点突破を目指す展開になる。後手の角が使えておらず、先手よしの変化があったが稲葉八段が逃す。形勢は混沌とし、一分将棋に入って後手にも勝ち筋が生じるも、最後は稲葉八段が制した。

朝日杯オープン戦二次予選

トピック

ゴキゲン中飛車対超速▲3七銀戦法で、後手は片美濃に囲ってから△4二銀と上がり、先手が▲4五銀~▲3四銀と歩を取る変化が注目です。女流王座戦第3局でも現れました。角取りに歩を取る▲3四銀に対し、8月末に菅井竜也七段が初めて△4四角と上がって勝っています。1ヶ月ほど前に△4四角と上がった将棋が再び現れると立て続けに指され、結果はなんと後手の全勝。横歩取りが先手の1歩得でも3四に寄った飛車を安定させるまでに手数がかかり、その間に後手は駒組みを進められるのでバランスが取れているとされています。だからプロの間で多く指されているといえるのでしょう。ゴキゲン中飛車のこの変化も先手が1歩得でありながら、3四に出た銀を立て直すのが大変というのが現状のようで、今後の研究に注目です。(飛龍記者)

*写真は女流王座戦中継ブログ竜王戦中継ブログ名人戦棋譜速報より引用。

日本将棋連盟モバイル編集局

ライター日本将棋連盟モバイル編集局

将棋ファンのためのモバイルサービス「日本将棋連盟モバイル」を運営しています。棋譜観戦アプリ「将棋連盟ライブ中継」をダウンロードすると、プロの公式対局をリアルタイムで観戦したり、臨場感あふれる対局写真を楽しんだりすることができます。

このライターの記事一覧

将棋連盟ライブ中継

将棋連盟ライブ中継【日本将棋連盟公式】

日本将棋連盟公式ならではの充実コンテンツ盛りだくさん!
ほぼ毎日プロの将棋対局をリアルタイムにお届けします!!

ダウンロードはこちらから

  • Facebookでシェア
  • はてなブックマーク
  • Pocketに保存
  • Google+でシェア

こちらから将棋コラムの更新情報を受け取れます。

Twitterで受け取る
facebookで受け取る
RSSで受け取る
RSS

こんな記事も読まれています