将棋コラム

谷木世虫

谷木世虫

東東京の下町、粋な向島の出身。大昔ミュージシャン、現フリーランス・ライター。棋力は低級ながら、好きが高じて道場通いが始まる。当初、道場は敷居が高く、入りにくい所だったが、勇気を出して入ると、そこは人間味が横溢した場所だった。前回は、将棋道場で聞かれる数々の「地口」をシリーズで紹介したが、今回は「川柳」がテーマ。これも地口同様、ユーモアと機知に富み、文化として残したいものとの思いで、このコンテツの執筆になった。

将棋川柳・第9乃句『勝ち将棋如何に如何にとならして居』(誹風柳多留拾遺十編第十八丁)

Category:エンタメ   writer:谷木世虫   update:2020年04月29日

『勝ち将棋如何に如何にとならして居』 川柳は、前句(まえく=テーマ)と呼ばれる初めの七文字・七文字の後ろに、五・七・五の句付け、その付けた部分だけが独立し...

>続きを読む

将棋川柳・第8乃句『本能寺端の歩を突く暇はなし』(誹風柳多留三編第二十五丁、玉の光・弘化元年(1844年))

Category:エンタメ   writer:谷木世虫   update:2020年02月21日

『本能寺端の歩を突く暇はなし』 最近のプロ将棋ではほとんど見られなくなった「居飛車・船囲い対振り飛車・美濃囲い」の将棋。でも、これが居飛車穴熊へと進展する...

>続きを読む

将棋川柳・第7乃句『とんだ時二歩を見つける下手将棋』(万句合・明和6年(1769年)の投句)

Category:エンタメ   writer:谷木世虫   update:2019年12月12日

『とんだ時二歩を見つける下手将棋』 下の手と書いて「したて」と読む人は、よほど将棋が好きな人でしょう。この言葉に接する頻度が多いため、反射的にそう読んでし...

>続きを読む

将棋川柳・第6乃句『雨宿り助言を言って追ン出され』(万句合・明和4年(1767年)の投句)

Category:エンタメ   writer:谷木世虫   update:2019年10月17日

『雨宿り助言を言って追ン出され』 川柳は、その句の内容に"世の中を批判したもの"、また、"皮肉ったもの"という要素が盛り込まれている句が多い--つまり、あ...

>続きを読む

将棋川柳・第5乃句『江戸っ子の気性に合うが飛車の利き』(誹風柳多留百二十一編第七丁)

Category:エンタメ   writer:谷木世虫   update:2019年08月23日

『江戸っ子の気性に合うが飛車の利き』 川柳というのは、実に見た目のとおりといいますか、感じたままを切り取って句にしたものですが、その五・七・五の言葉は高...

>続きを読む

将棋川柳・第4乃句『飛車手王手をする時のその早さ』(万句合・明和7年(1770年)の投句)

Category:エンタメ   writer:谷木世虫   update:2019年05月27日

「川柳」という言葉は、柄井川柳(からいせんりゅう/1718年~1790年)という人の名前を取って付けられたものです。まっ、その辺はおいおいお話をさせていた...

>続きを読む

将棋川柳・第3乃句『金銀を置いて桂馬を関羽取り』(誹風柳多留十三編第二十四丁)

Category:エンタメ   writer:谷木世虫   update:2019年05月10日

この句の意味はすぐには分かりませんよネ~。関羽(かんう)は三国志に出てくる人という程度は分かりますが。それと「金銀」や「桂馬」はどう関わるのか? この句は...

>続きを読む

将棋川柳・第2乃句 『詰めた王 一(ひ)ト手のことで つん逃がし』(誹風柳多留九十七編第十三丁)

Category:エンタメ   writer:谷木世虫   update:2019年03月02日

この句、意味は分かりやすいのではないかしらン? 詰んでいた玉を、たった一手、間違えたために逃がしてしまったということですネ。 「イヤ~、敵は絶対、受けナシ...

>続きを読む

将棋川柳・第1乃句 『ヘボ将棋王より飛車をかわいがり』

Category:エンタメ   writer:谷木世虫   update:2019年02月09日

今月から新しく「将棋川柳」の紹介をさせていただくことになりました。将棋で疲れた頭と体を、ホンのちょっとだけ"ニヤッとした笑い"で癒していただければ幸いです...

>続きを読む

将棋地口・第18笑(最終笑) 『取るに取られぬ魚屋の猫』

Category:エンタメ   writer:谷木世虫   update:2018年12月30日

今年もとうとう、♪もういくつ寝るとお正月~という時季を迎えました。いや、迎えてしまいました。もう少し時が止まっていてほしいのですが、こればかりはそうもいき...

>続きを読む