ゴキゲン中飛車の中盤戦。居飛車の急戦策で覚えておきたい秘策「△6四銀には銀ばさみ」とは?【はじめての戦法入門-第6回】

ゴキゲン中飛車の中盤戦。居飛車の急戦策で覚えておきたい秘策「△6四銀には銀ばさみ」とは?【はじめての戦法入門-第6回】

ライター: 高野秀行六段  更新: 2017年01月19日

はじめての戦法入門

皆さん、こんにちは。高野秀行です。前回は「ゴキゲン中飛車」の序盤をご覧いただきました。5五歩と位を取る、8筋の交換は強気に戦う。大切なポイントがありましたね。今回は駒組みを終え、中盤戦となります。居飛車は四間飛車同様「急戦策」と「持久戦策」があるのですが、今回は「急戦策」での対応を解説したいと思います

【第1図】

前回の第4図と同一局面。居飛車は作戦の分岐点です。

まずは第1図です。この局面は前回の第4図と同一局面。今回はここからスタートです。居飛車の手番で、△4二銀と上がって急戦策を目指してきます。

【第2図は△6四銀まで】

ひとまず美濃囲いが完成。戦いの中で左の金を中央に寄せて、囲いの強化を目指します。銀の攻めに▲6六歩と歩で対抗。

第1図からの指し手 △4二銀▲2八玉△1四歩▲1六歩△7四歩▲3八銀△7三銀▲6六歩△6四銀(第2図)

△4二銀と上がり中央を厚くし、△7四歩~△7三銀と右の銀を攻めに繰り出して来ました。これに対し、「ゴキゲン中飛車」は動じず、玉の囲いを作ります。▲3八銀でひとまず美濃囲いができました。手順中▲1六歩も玉の懐を広げる大切な一手です。ですが、この美濃囲い、四間飛車の時とは形が違いますね。そうです、左の金が離れてしまっています。しかしこれは「ゴキゲン中飛車」の宿命で、飛車がいるので金を▲5八金左と上がることができないのです。その分5五歩の位がありバランスは取れているのですが、「金銀3枚」の守りのセオリーは崩れてしまいます。なので、チャンスがあれば、「金を中央(▲5八金左など)に寄せる」と戦いの中で心掛けることがポイントです。

【参考1図は▲6六銀まで】

居飛車の銀に、ゴキゲン中飛車も銀で対抗。駒の順番は逆になりますが、これも有力な手段です。

△7三銀に▲6六歩としましたが、▲5七銀△6四銀▲6六銀(参考1図)と対抗するのも△7五歩の仕掛けを封じる有力な指し方。しかし、以前にも説明した「小さな駒(歩)⇒真ん中の駒(金、銀、桂、香など)⇒大きな駒(飛、角)」の順番ができていません。できればその順番は守りたいものです。▲6六歩に△6四銀と出てきて第2図となりました。セオリー通り▲6七銀と上がりますが...。

【第3図は△6五銀まで】

居飛車の駒に勢いがつきます。好んで指す手順ではありません。

第2図からの指し手▲6七銀△7五歩▲6五歩△7六歩▲同銀△7五歩▲6七銀△6五銀(第3図)

【参考2図は△8八歩まで】

先に銀得となりますが、8筋を突破され、失敗。

仕掛けに備えた▲6七銀。しかし、それでも△7五歩と仕掛けられて難しい対応が迫られます。▲同歩は△同銀で、以下▲7六歩△8六歩▲7五歩△8七歩成▲6八角△8八歩(参考2図)と8筋を破られてしまいます。「四間飛車」で覚えた筋ですね(第3回参照)。<△7五歩に▲6五歩と反発しますが、△7六歩~△7五歩と押さえられ、第3図となっては明らかに後手の勢いが勝っています。備えた▲6七銀でも仕掛けが封じられない。やはり▲5七銀~▲6六銀と上がったほうが良かったのではないか。いやいや、大丈夫。第2図で秘策があるのです。

【途中図は▲7七桂まで】

▲6五歩?▲6七銀が秘策。▲7七桂で「銀ばさみ」が完成!

第2図からの指し手 ▲6五歩△同銀▲6七銀△6四歩▲5九角△5四歩▲7七桂(途中図)△5五歩▲6五桂△同歩▲7七角(第4図)

【第4図は▲7七角まで】

銀桂交換で「ゴキゲン中飛車」に不満はありません。

△6四銀に対しては▲6五歩といきなり突いてしまいます。あれっ、△同銀で歩を損した上に銀の進出を許してしまいます。ですが、これが秘策の第一歩。ここで▲6七銀と上がるのです。そして▲5九角~▲7七桂(途中図)と進むと、何ということでしょう! 銀桂交換が必然の局面が出来上がるではないですか!この筋を初めて見たのは、近藤正和三段(現六段)―高野秀行三段の三段リーグでの一戦。「こんな筋があるのか」と目を丸くしたのを、懐かしく思い出します。

▲6五歩と捨ててから▲6七銀と上がることで「銀ばさみ」の形を作ることができました。「△6四銀には銀ばさみ」この筋を覚えることで、「ゴキ中」マスターへの道をまた一歩進むことになります。銀桂交換のあとは、▲7七角とし、大駒のさばきを目指します。この後、機を見て6九金を中央に寄せていけると良いですね。

では今回のポイントです。

ゴキゲン中飛車は「金銀三枚」の美濃囲いを作ることが難しい。なので戦いながら「金を中央に寄せる」これを心掛けましょう。

居飛車は△7三銀~△6四銀と仕掛けの形を作ってきます。これに対しては▲6五歩から▲6七銀の「ゴキゲン中飛車」の秘策。「△6四銀には銀ばさみ」実戦で成功したら、実に爽快です。ぜひ試してみてください。

高野秀行六段

ライター高野秀行六段

1972年6月横浜市生まれ。1984年に6級で中原誠十六世名人に入門。1998年4月に四段。棋風は居飛車本格派。趣味はゴルフ。将棋教室で多くの子供たちに将棋を教えている。

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