将棋コラム

史上最年長対局記録を更新した加藤九段の勝敗は?王将戦・女流名人戦、それぞれの番勝負も開幕。【1月2日~15日の中継結果まとめ】

史上最年長対局記録を更新した加藤九段の勝敗は?王将戦・女流名人戦、それぞれの番勝負も開幕。【1月2日~15日の中継結果まとめ】

更新: 2017年01月16日

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日本将棋連盟モバイルにおける1月2日~15日の中継局の結果をまとめてお伝えします。

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王将戦、久保が開幕戦を制す

●郷田真隆王将-○久保利明九段

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第66期王将戦七番勝負が8日(日)から9日(月)にかけて静岡県掛川市の掛川城「二の丸茶室」で行われた第1局で開幕。郷田真隆王将に久保利明九段が挑戦するシリーズだ。振り駒の結果、先手になった郷田王将は久保九段のゴキゲン中飛車を超速▲3七銀戦法で迎え撃つ。郷田王将は定跡の手順とはいえ、公式戦では5年あまりも現れなかった変化を選んだ。途中、千日手の懸念があったものの、久保九段が打開。1手の緩みも許されないなか、強く踏み込んで寄せきった。第2局は1月23日(月)から24日(火)にかけて、兵庫県尼崎市の「都ホテルニューアルカイック」で行われる。

岡田美術館杯女流名人戦、4期ぶりに挑戦の上田が先勝

●里見香奈女流名人-○上田初美女流三段

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女流タイトル五冠を保持する里見香奈女流名人に、上田初美女流三段が挑戦する第43期岡田美術館杯女流名人戦は、15日(日)に神奈川県足柄下郡箱根町の「岡田美術館」で五番勝負が開幕した。振り駒で後手になった里見香女流名人は、得意のゴキゲン中飛車を採用。対して上田女流三段は超速▲3七銀戦法を用い、互いに玉が7筋にいる薄い形で戦う。中盤のねじり合いから駒得を果たした上田女流三段が、里見香女流名人の攻めを上回る攻防手を放ち、難しい戦いを制した。第2局は1月22日(日)に島根県出雲市の「出雲文化伝承館」で行われる。

竜王戦

1組

●豊島将之七段-○郷田真隆王将

ランキング戦が開幕。その一戦は▲豊島将之七段-△郷田真隆王将戦となった。豊島七段が角換わり相腰掛け銀の2九飛・4八金型から先攻したが、郷田王将が反撃を決めて制勝している。

5組

●藤倉勇樹五段-○中村亮介六段
○竹内雄悟四段-●有森浩三七段

ランキング戦が進行中。▲藤倉勇樹五段-△中村亮介六段戦は藤倉五段の三間飛車に、中村亮六段が歩越し4四角型の向かい飛車で対抗。1筋から先攻した中村亮六段が制した。6組昇級者決定戦を制して5組に昇級した竹内雄悟四段は、残留決定戦を制して残留した有森浩三七段と対戦。先手で中飛車に振り、有森七段の三間飛車を見て左穴熊を採用して勝った。

6組

●室谷由紀女流二段-○堀口弘治七段
○石井直樹アマ-●高田尚平七段

ランキング戦が進行中。女流参加枠出場の4人のうち、最後の登場となった室谷由紀女流二段は堀口弘治七段を相手に先手中飛車で戦う。薄い玉形ながらも上部に手厚く組んだ堀口弘七段が、室谷女流二段のさばきを封じて快勝した。初戦を突破した石井直樹アマは、高田尚平七段との2回戦に臨んだ。先手中飛車から高田七段の向かい飛車を見て居飛車に戻し、2筋から無理気味に動くも、高田七段の誤算もあって攻め勝っている。

順位戦(カッコ内はリーグ順位)

A級

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©名人戦棋譜速報

○渡辺明竜王-●深浦康市九段
○羽生善治三冠-●佐藤康光九段
●行方尚史八段-○稲葉陽八段
●屋敷伸之九段-○広瀬章人八段

7回戦が行われた。▲渡辺明竜王-△深浦康市九段戦は横歩取りで、渡辺明竜王が青野流を採用。早々に▲2八歩と謝らされたが、飛車のぶつけを見せて深浦九段の飛車を封じ、攻める展開に持ち込んで制している。▲羽生善治三冠-△佐藤康光九段戦は佐藤康九段のダイレクト向かい飛車に対し、羽生三冠が7筋の位を取って金銀4枚の堅陣を築く。佐藤康九段は交換した角を打たされた格好から穴熊に組み替えたが、羽生三冠が厳しく攻めて押し切った。▲行方尚史八段-△稲葉陽八段戦は横歩取りで、行方八段が▲3四飛△3三角に▲6八玉の順を採用。行方八段が大長考で3時間14分を記録するなど、一手一手が濃厚な展開だったが、まだまだ難しい局面で行方八段に一手バッタリが出て稲葉八段が勝っている。▲屋敷伸之九段-△広瀬章人八段戦は角換わりの出だしから、屋敷九段が金銀を自陣二段目以下にとどめた形で手早く▲4五桂と動いていく。奏功して有望な局面を築くもチャンスを逃し、広瀬八段が逆転で制している。リーグ成績は以下のとおり。

【7勝0敗】稲葉八段(9)
【6勝2敗】羽生三冠(1)
【5勝2敗】広瀬八段(7)
【4勝3敗】行方八段(2)、渡辺明竜王(3)
【4勝4敗】深浦九段(8)
【3勝4敗】屋敷九段(5)
【2勝5敗】森内俊之九段(6)
【1勝3敗】三浦弘行九段(10)
【1勝6敗】佐藤康九段(4)

三浦九段は1勝3敗の扱いで今期は残留し、降級は1人と決められた。5回戦以降で三浦九段と対戦が組まれていた棋士は不戦勝となる。挑戦争いは稲葉八段、羽生三冠、広瀬八段の3人に絞られた。また、行方八段、渡辺明竜王、深浦九段は残留を決め、三浦九段以外の3勝以下の3棋士で降級1枠を巡って争う。

B級2組

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©名人戦棋譜速報

○斎藤慎太郎六段-●中村太地六段
●野月浩貴七段-○北浜健介八段
●藤井猛九段-○鈴木大介八段

9回戦が行われた。7勝0敗の斎藤慎太郎六段と6勝1敗の中村太地六段との大一番は、斎藤六段の先手で角換わりになり、互いに下段飛車と4八金、6二金という流行の形に構える。難しいねじり合いから、相手の大駒のさばきを封じた斎藤六段が抜け出して全勝を守った。勝数規定による八段昇段がかかる野月浩貴七段は、5勝2敗で昇級の目を持つ北浜健介八段と対戦。北浜八段のゴキゲン中飛車から互いに金銀4枚で囲う相穴熊となり、野月七段が当初はリードを奪うものの、食いつかれて逆転負けを喫した。▲藤井猛九段-△鈴木大介八段戦は先手三間飛車対後手居飛車。駒がぶつかって駒得を果たした鈴木八段が、藤井猛九段を早々に投了に追い込んだ。上位の成績は以下のとおり。

【8勝0敗】斎藤六段(23)
【7勝1敗】菅井竜也七段(3)
【6勝2敗】北浜八段(11)、中田宏樹八段(19)、中村太六段(22)

昇級の目があるのは以上の5人に絞られている。

C級1組

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©名人戦棋譜速報

●千田翔太六段-○永瀬拓矢六段
●小林裕士七段-○大石直嗣六段

9回戦が行われた。唯一の全勝だった横山泰明六段は島朗九段と対戦。相掛かりで197手に及ぶ熱戦を勝ち抜き、8勝0敗と星を伸ばしている。▲千田翔太六段-△永瀬拓矢六段戦、▲小林裕士七段-△大石直嗣六段戦はいずれも6勝1敗同士、昇級戦線の生き残り戦。前者は相掛かりから一手一手が難しい戦いが繰り広げられ、永瀬六段が制した。後者は大石六段がダイレクト向かい飛車からうまく戦機をつかみ、夕食休憩前に快勝している。上位の成績は以下のとおり。

【8勝0敗】横山六段(13)
【7勝1敗】大石六段(19)、青嶋未来五段(33)、永瀬六段(34)
【6勝2敗】千田六段(14)、千葉幸生六段(15)、小林裕七段(21)

C級2組

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©名人戦棋譜速報

○近藤誠也四段-●及川拓馬六段
●藤原直哉七段-○梶浦宏孝四段
●加藤一二三九段-○石田直裕四段

9回戦の前半13局が行われた。▲近藤誠也四段-△及川拓馬六段戦は、横歩取り8四飛型の相中住まいから及川六段が2二玉型に組み替え、対して近藤誠四段が攻める展開に持ち込んで押し切っている。▲藤原直哉七段-△梶浦宏孝四段戦は後手の急戦矢倉からねじり合いが続き、藤原七段にもチャンスが訪れたが、最後は梶浦四段が勝った。▲加藤一二三九段-△石田直裕四段戦は相矢倉の3七銀型で、加藤九段の4筋からの攻めを石田四段が受け止め、手早く反撃を決めている。敗れた加藤九段、藤原七段はともに、他の棋士の成績によって現時点での降級(加藤九段は引退が決定する状態)をからくも逃れた。上位の成績は以下のとおり。

【7勝1敗】門倉啓太五段(37)、近藤誠四段(49)
【6勝1敗】増田康宏四段(5)、三枚堂達也四段(7)、高見泰地五段(15)、西尾明六段(16)

それを6勝2敗の4人と5勝2敗の3人が追う。

王位戦

予選

●中村修九段-○丸山忠久九段
●西尾明六段-○丸山忠久九段

「3」ブロックが佳境を迎えた。▲中村修九段-△丸山忠久九段戦は先手向かい飛車、後手三間飛車の相振り飛車。中村修九段が優位に進めていたが決め手を欠き、最後は作ったような逆転勝ちで丸山九段が勝っている。丸山九段は後日の西尾明六段とのブロック決勝に進み、後手番で得意の一手損角換わりで戦う。二転三転の終盤となり、丸山九段が勝って4期ぶり13回目の挑戦者決定リーグ入りを決めた。

王位戦予選

王座戦

一次予選

●石井健太郎四段-○阿部光瑠六段

「ニ」ブロックが佳境を迎えている。▲石井健太郎四段-△阿部光瑠六段戦は阿部光六段の左美濃急戦を石井四段が矢倉で迎え撃つ。石井四段は玉が四段目に上がったものの最下段まで戻され、最後の反撃も届かずに即詰みに討ち取られた。阿部光六段はブロック決勝に勝ち進み、14日(土)に片上大輔六段と戦っている。

王座戦一次予選

棋王戦 

第43期予選

○青野照市九段-●堀口弘治七段
●天野啓吾アマ-○増田裕司六段
○船江恒平六段-●村田智弘六段

第42期五番勝負を前に各ブロックが進行中。▲青野照市九段-△堀口弘治七段戦は、青野九段が角換わりから3八銀型で▲4五桂と跳ね出す速攻を採用した。戦いが始まったところで技が決まり、青野九段が快勝している。1枠しかないアマチュア参加枠を手にしたアマ名人の天野啓吾アマは、増田裕司六段と対戦し、先手で雁木ふうの駒組みから機敏に仕掛けた。天野アマに指しやすい変化もあったが、粘りを見せた増田裕六段が双方一分将棋、170手に及ぶ熱戦を最後は制している。▲船江恒平六段-△村田智弘六段戦は村田智六段が角交換向かい飛車に構えた。村田智六段が一方的に角を手放す展開になり、船江六段が優位を広げて押し切っている。

棋王戦予選

朝日杯将棋オープン戦

本戦トーナメント

○行方尚史八段-●佐藤天彦名人
●戸辺誠七段-○八代弥五段
○八代弥五段-●行方尚史八段
●羽生善治三冠-○広瀬章人八段
○深浦康市九段-●屋敷伸之九段
●深浦康市九段-○広瀬章人八段

1~2回戦の6局が「熊本地震復興祈念対局」と銘打ち、熊本県熊本市の「熊本市総合体育館」で、2日間にわたっていずれも公開対局として行われた。1回戦の▲行方尚史八段-△佐藤天彦名人戦は横歩取りで、行方八段がA級順位戦に続いて▲3四飛~▲6八玉の順を連採。華々しいやり取りから渋い展開を経て、1手を争う寄せ合いを行方八段が制した。同日の1回戦、▲戸辺誠七段-△八代弥五段戦は、戸辺七段の三間飛車で互いに美濃囲いで戦う。戸辺七段が飛車交換を挑んで仕掛けるが、八代五段が絶妙の順で右金を攻めに参加させて押し切っている。勝者同士となった2回戦、▲八代五段-△行方八段戦は角換わりから、先手腰掛け銀、後手棒銀に進む。行方八段が先攻したが、八代五段がそれを余して反撃を決め、ベスト4入りを決めた。翌日は1回戦が▲羽生善治三冠-△広瀬章人八段戦と▲深浦康市九段-△屋敷伸之九段戦。前者は横歩取りで羽生三冠が△8五飛戦法を採用し、前例にない手を繰り出してペースを握る。広瀬八段は微差で追いかけ、羽生三冠の緩手から攻める展開に持ち込むと、難しいところもあったが攻め勝った。後者は角換わりで深浦九段が4七銀型のまま屋敷九段が早繰り銀に進める。深浦九段は、屋敷九段が繰り出した銀をさばく間に築いた態勢から厳しく反撃を決め、最後は長手数の即詰みに討ち取った。勝者同士となった2回戦、▲深浦九段-△広瀬八段戦は広瀬八段の四間飛車から相穴熊に。互いにさばいてねじり合う間、好手を繰り出した広瀬八段が深浦九段の無理な攻めを誘い、穴熊から入玉を確定的にさせて深浦九段を投了に追い込んだ。広瀬八段は八代五段に続いてベスト4入りを決めている。

朝日杯将棋オープン戦本戦トーナメント

マイナビ女子オープン戦

本戦

●中倉宏美女流二段-○西山朋佳奨励会三段

ベスト4を決める2回戦、▲中倉宏美女流二段(LPSA所属)-△西山朋佳奨励会三段戦が行われた。西山三段が角頭歩戦法を採用し、角交換から向かい飛車に振って高美濃囲いに構え、中倉女流二段は7筋の位を取って銀立ち矢倉で対抗する。中倉女流二段は玉頭方面の厚みを生かして互角以上に戦い、勝負は後に二転三転。最後はピンチを脱した西山三段が寄せきった。

マイナビ女子オープン本戦

関西上州将棋祭り(非公式戦)

公開対局

○室谷由紀女流二段-●上田初美女流三段
○船江恒平六段-●渡部愛女流初段
○藤井猛九段-●高見泰地五段
●森内俊之九段-○佐藤天彦名人

新春恒例、第7回を数える上州将棋祭りが群馬県高崎市の「ヤマダ電機 LABI1高崎」で行われ、▲室谷由紀女流二段-△上田初美女流三段戦、▲船江恒平六段-△渡部愛女流初段(LPSA所属)戦、▲藤井猛九段-△高見泰地五段戦、▲森内俊之九段-△佐藤天彦名人戦の4局がいずれも公開の席上対局として指された。▲室谷女流二段-△上田女流三段戦は先手中飛車対居飛車の熱戦、▲船江六段-△渡部女流初段戦は先手の矢倉模様に後手の早繰り銀、▲藤井猛九段-△高見五段戦は先手の藤井システム、▲森内九段-△佐藤天名人戦は先手の矢倉に後手早繰り銀の展開となり、室谷女流二段、船江六段、藤井猛九段、佐藤天彦名人がそれぞれ制している。

トピック

12日(火)のC級2組順位戦の対局で、加藤一二三九段が77歳と11日という、公式戦の史上最年長対局記録を更新しました。勝てば(故)丸田祐三九段の持つ、公式戦最年長勝利記録も更新するところで、おびただしい数の報道陣が詰めかけましたが、結果は敗北。今後の対局は常に史上最年長対局記録を伸ばし続けるとともに、最年長勝利記録の更新がかかることになります。(飛龍記者)

*写真は王将戦中継ブログ岡田美術館杯女流名人戦中継ブログ名人戦棋譜速報より引用。

日本将棋連盟モバイル編集局

ライター日本将棋連盟モバイル編集局

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