【今日は何の日?】29年前の11月13日、第1期竜王戦が開幕

【今日は何の日?】29年前の11月13日、第1期竜王戦が開幕

ライター: 君島俊介  更新: 2016年11月13日

現在、第29期竜王戦七番勝負が進行中。渡辺明竜王と丸山忠久九段が白熱した戦いを繰り広げている。竜王戦は26年続いた十段戦を発展的に解消して1987年に立ち上げれた棋戦だ。第1期の優勝賞金は2600万円。1987年10月1日付の読売新聞の1面に「将棋界最高の公式戦創設」として記事が出た。8日に契約調印式が行われ、読売新聞社の小林與三次社長と日本将棋連盟の大山康晴会長が契約書に署名した。

竜王戦の特色として、ランキング戦6組にアマチュア選手の出場枠を設けたことが挙げられる。第1期は4人のアマチュアが出場(2016年現在は女流棋士4人、奨励会三段1人、アマチュア5人がランキング戦6組に出場)。いまでこそ、アマチュア選手のプロ公式戦出場は珍しくなくなったが、当時としては画期的だった。読売新聞主催の棋戦では、九段戦(十段戦の前身棋戦)でアマチュアが出場していた時期もあったが、30年近くアマチュアは公式戦に出場できなかった。

第1期の対局は、29年前の今日、すなわち1987年11月13日に開幕した。開幕日の対戦カードは以下のとおり(段位はすべて当時のもの)。プロアマ戦は3局指された。

【東京】
▲瀬戸博晴四段●-○△菊地常夫六段
▲大野八一雄五段○-●△小林宏四段
▲小島一宏アマ●-○△先崎学四段
▲森内俊之四段○-●△小林庸俊アマ

【大阪】
▲大原英二七段●-○△長沼洋四段
▲酒井順吉五段●-○△有森浩三五段(千日手指し直し)
▲古賀一郎アマ○-●△村山聖四段

図は▲古賀-△村山戦の中盤戦。△6六歩は▲同金なら△5七金▲7七銀△5四桂と攻めるのが村山の読みだった。しかし、▲5五馬としたのが古賀アマの妙手だった。以下△6七歩成▲同玉△5四金▲6六馬△3七飛成▲5七桂と進んで先手よし。後手は攻めが続かない。優位に立った古賀アマは、粘る村山を振り切って151手で制した。古賀アマは続く2回戦で神崎健二四段と対戦。この対局は矢倉戦の末に神崎が勝った。

なお、残るプロアマ戦の▲谷川俊昭アマ-△中川大輔四段戦は11月20日に指され、中川四段が制している。

今日は何の日?

君島俊介

ライター君島俊介

2006年6月からネット中継のスタッフとして携わる。順位戦・棋王戦・棋聖戦などで観戦記も執筆。将棋連盟ライブ中継の棋譜中継で観る将ライフを楽しむ日々。

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