十級になるには、2つの勉強法が大事。藤倉勇樹五段が勧める2つの勉強法とは?【将棋の教え方 第7回】

十級になるには、2つの勉強法が大事。藤倉勇樹五段が勧める2つの勉強法とは?【将棋の教え方 第7回】

ライター: 藤倉勇樹  更新: 2018年11月14日

こんにちは、棋士の藤倉です。第7回は上達法について書きたいと思います。

将棋の楽しさに触れたところで、まず始めに目標として目指すのは十級です。では、目標に向かって何を勉強すべきなのでしょうか。以下、順番に記してみます。

(1)詰将棋を解く

いくら戦いを有利に進めても、最後の詰みの形が理解できていないと、勝ちに繋げることができません。

始めたばかりのお子さん同士の対局を見ていると、たくさん駒を取っていても、あと一歩のところから終わらないケースが多く見られます。「一手詰めハンドブック」(浦野真彦八段著)で頭金の基本から学ぶのがお薦めです。一日10分を目安に解いてみて下さい。分からない場合は、答えを確認してチェックしておき、後日もう一度挑戦して下さい。

【補足】
詰将棋に挑戦する上で、符号をおぼえる必要があります。図(1)をご覧下さい。

【図1】

ヨコを読んでからタテを読みます。図では先手(攻める側)が▲2三銀、後手(守る側)が△3一玉となります。正解は▲3二金の一手詰めです。(図1-2)

【図1-2】

(2)実戦経験を積む

詰みの形を学んだところで、実戦経験を積んでいきましょう。勝ち負けの結果にこだわらずに、たくさん指すことで、駒の特徴を掴んで下さい。 自宅で気軽にできるのがアプリ「ねこ将棋」です。初心者のレベルに合わせて対局することができます。ヒントもあるので、何を指せば良いか分からない場合は、参考にすると良いでしょう。

最初はこの2点が中心となります。続いて対局する際に気を付けるポイントを挙げます。

(1)ぶつかった歩は取る

自陣付近で歩がぶつかった場合、必ず取るようにしましょう。図2をご覧下さい。△8六歩に対して、▲8六同歩が大切な一手です。下線部分の「同」とは同じ場所を示す時に使います。

【図2は△8六歩まで】

図2で、もし先手が歩を取らないで違う手を指した場合、△8七歩成(図2-2)と進むと角金両取りが受からず、駒損となり、早くも先手が苦戦となります。

【図2-2】

▲8六同歩と取り、△同飛に▲8七歩(図3)で壁を作るのが正解です。自玉周辺で歩がぶつかった際は、と金を作られる危険があるので、必ず取るようにして下さい。

【図3は▲8七歩まで】

(2)相手が大駒を動かしてきた時は注意

続いて図4をご覧下さい。角交換をした後、△4四角と打ってきた局面です。子供たちの対局では、飛車取りに気が付かず、違う手を指してしまい、一気に苦しくなるケースを見かけます。(それでも王手放置などで勝つケースもありますが...)相手が飛車と角を動かしてきた時は、何を狙っているか考えてみましょう。王手や大駒や浮いている駒を取ることを狙っている。この2点が考えられますので、すぐに指さずに相手の狙いを読んで下さい。

【図4は△4四角まで】

初めて間もない頃の上達法を書きました。大切なのは毎日取り組むことです。一日10分からで構いませんので、毎日挑戦するように心掛けて下さい。

将棋の教え方

藤倉勇樹

ライター藤倉勇樹

1979年10月23日生まれ。東京都新宿区出身。桜井昇八段門下。
日本将棋連盟の「子供将棋スクール」で長らく講師を務めた経験から、現在は志木こども将棋教室東新宿こども将棋教室で将棋教室を開講中。元々は振り飛車党だったが、最近では矢倉など居飛車も多く指している。映画「聖の青春」やTVドラマ「やすらぎの郷」で将棋監修として携わっている。

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