いきなり角を切っても成立する?1八飛・1九香型の端攻め【矢倉の崩し方】

いきなり角を切っても成立する?1八飛・1九香型の端攻め【矢倉の崩し方】

ライター: 一瀬浩司  更新: 2018年04月04日

矢倉の崩し方

今回のコラムも、矢倉の攻め方のご紹介をしていきます。それでは、第1図をご覧ください。

【第1図】

あれ? 前回のコラムと同じ局面じゃないの?

と思われる方もいると思います。そうです、前回のコラム第1図と全く同じ局面です。前回のコラムでは、▲2六銀と上がり、▲1五歩△同歩▲同銀と攻めていきました。これでもよいのですが、実は第1図からいきなり攻めていくこともできます。でも、前回のコラムで▲1五歩は△同歩▲同飛△同香▲同香△1九飛(第2図)で全然ダメって言ったじゃないの。

【第2図は△1九飛まで】

こう思われるでしょうが、もちろんこの攻め方ではダメです。しかし、▲1五歩△同歩の後に別の手があるのです。少し眺めて考えてみてください。

おわかりいただけましたでしょうか? ▲1三歩と垂らす手が攻めを続けていく一手になります。△1三同香でどうするの? ということですが、そこで▲同角成!と角を切ってしまい、△同桂に▲1五飛(第3図)と飛車を走ります。

【第3図は▲1五飛まで】

第3図は角香交換の駒損ですが、△1二歩には▲1四歩と打てば、次の▲1三歩成△同歩▲同飛成が受からず、端を破ることができます。

第3図から、△1二歩▲1四歩に△2五桂は▲同飛なら△2四銀などとして後手は頑張れます。ですが、△2五桂に構わず▲1三歩成とすれば、△同歩なら▲同飛成△3一玉▲1一竜と攻め込めますし、△3一玉なら▲1二と(▲2三と△同金▲1二飛成は△2二金▲1一竜△2一金と頑張られる)△3七桂成▲2一と(第4図)と、と金を活用して迫っていきます。

【第4図は▲2一とまで】

第4図から、△2一同玉なら▲1一飛成で詰みですし、△4二玉なら▲3七桂と手を戻しておけば次の▲1二飛成の成り込みが厳しい狙いとして残っています。

では、これにて先手よし、というと実はそう簡単ではありません。第3図から、△1四歩が「敵の打ちたいところへ打て」の受けの手筋です。▲同飛に△1二歩と打ち、▲1五飛に△3一玉が粘りのある早逃げです。先手は待望の▲1四歩が打てますが、玉が移動してあいたスペースに△2二銀と引いて▲1三歩成△同歩(第5図)とすれば飛車の成り込みを防ぐことができます。

【第5図は△1三同歩まで】

第5図からは、▲2四歩△同歩▲2五歩(△同歩なら▲2四桂)などと、先手も攻め続けていくことはできますが、後手も一気に潰されるということはありません。よって、第1図から▲1五歩△同歩▲1三歩△同香▲同角成の攻め方は、勢いはありますが、後手に正確に対応されると一気に攻め潰せるというわけではありませんでした。

ですが、左辺のほうで香の田楽刺し桂の両取りが狙える形のときもありますので、そちらも視野に入れて▲2六銀~▲1五歩と▲1五歩~▲1三歩~▲1三同角成の攻め方を使い分けられるようになれば、間違いなく三段の実力はあると思います。

一瀬浩司

ライター一瀬浩司

元奨励会三段の将棋ライター。ライター業のほか、毎月1回の加瀬教室や個人指導など、指導将棋も行なっている。主なアマチュア戦の棋歴としては、第34期朝日アマチュア将棋名人戦全国大会優勝、第63回都名人戦優勝などがある。

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阿部光瑠

監修阿部光瑠六段

棋士・六段
1994年生まれ、青森県弘前市出身。2011年4月に四段。2013年に第2回電王戦でコンピュータソフト・習甦(しゅうそ)と対局し、快勝。 2014年の第45期新人王戦で優勝。居飛車、振り飛車ともに指すオールラウンドプレイヤー。

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