盤上の駒をうまく活用しよう!銀、角を切る怒涛の攻めとは?【矢倉の崩し方】

盤上の駒をうまく活用しよう!銀、角を切る怒涛の攻めとは?【矢倉の崩し方】

ライター: 一瀬浩司  更新: 2018年04月02日

矢倉の崩し方

今回のコラムも、矢倉の攻め方のご紹介をしていきます。それでは、第1図をご覧ください。

【第1図】

先手の飛車が少し変わった場所にいますね。通常でしたら、▲1七香~▲1八飛と1筋に飛車を寄る場合は、香の下に飛車を配置しますが、今回は香の上に飛車がいる形です。

さて、この場合はどう攻めていくのでしょうか? もちろん、▲1五歩△同歩▲同飛といくのは、△同香▲同香△1九飛でまったく攻めにならず、ダメです。かといって、▲2八飛~▲1七香~▲1八飛と形を直すのは手数が掛かりますし、第1図になる前に、1八に飛車を寄った手が完全な無駄になってしまいます。

▲1五歩と攻めるのはダメ、形を立て直すのも手数が掛かってダメとなると、どうすればいいの? ということになりますが、盤上をよく見てください。働きがイマイチな攻め駒が一枚ありませんか? そちらを使っていきます。第1図から▲2六銀と、まだ中途半端な位置にいる銀を使って端を狙います。次は、もちろん▲1五歩△同歩▲同銀(第2図)です。

【第2図は▲1五同銀まで】

第2図で後手がほうっておけば、▲1四歩ではなく、▲1三歩と垂らす手が厳しいです。△1三同香には▲1四歩ですし、次に▲2四歩と突けば△同歩▲同銀(第3図)で1筋の飛車の利きが通り、▲1二歩成も生じて後手陣はあっという間に崩壊します。

【第3図は▲2四同銀まで】

第2図で△1三歩と受ければ、▲2四歩△同歩▲同銀△同銀▲同角と銀交換をすれば、先手の1、2筋の歩と銀が持ち駒になりますし、▲5一角成と成り込む手も残っています。第2図から△1五同香なら、▲同飛と銀香交換の駒損となりますが、飛車の下にいる1九の香が強力な援軍となっており、次に▲1一飛成と成り込む手があります。

△1三歩と受ける手には、強攻する順とじっくり攻める順の二通り攻め方があります。強攻は、▲1三同角成△同桂▲同飛成△3一玉▲1一竜△4二玉▲1三香成(第4図)とさらに角桂交換の駒損で端を突破する順です。

【第4図は▲1三香成まで】

第1図から駒の損得を比較すると、先手の3七銀・6八角と、後手の2一桂・1一香の交換で先手の大損です。ですが、飛車を後手陣に侵入し、第4図からは▲2四歩△同歩(△同銀は▲2二成香)▲2三歩と小駒で成り駒を増やしていく攻め方をすれば、自然と駒損は取り戻していくことができます。

また、じっくり攻める順としては、△1三歩のときに▲1八飛と引き揚げておき、▲1七香と足し算の攻めを狙っていきます。▲1三同角成と強攻する順よりは、かなり攻め足は遅いですが、駒損を大きくしないで確実に攻めていくことができます。

さて、第1図に戻ります。▲2六銀と上がり、▲1五歩△同歩▲同銀と攻めていきました。もちろんこの攻めでよいのですが、さらに勢いをつける攻め方もあります。▲2六銀の次に、▲1五歩△同歩のとき▲1三歩(第5図)と垂らすのが持ち歩を生かした攻め方です。

【第5図は▲1三歩まで】

△1三同香に▲1五銀と出れば、次に▲1四歩がありますので、後手は△1五同香と取る一手になり、▲同飛としてガンガン攻めていくことができます。ですが、一歩がもったいないので、激しい攻め合いの局面でなければ、▲1五歩△同歩▲同銀とするほうをオススメします。こんな攻め方もあるくらいの程度で覚えておいていただければ結構です。

一瀬浩司

ライター一瀬浩司

元奨励会三段の将棋ライター。ライター業のほか、毎月1回の加瀬教室や個人指導など、指導将棋も行なっている。主なアマチュア戦の棋歴としては、第34期朝日アマチュア将棋名人戦全国大会優勝、第63回都名人戦優勝などがある。

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阿部光瑠

監修阿部光瑠六段

棋士・六段
1994年生まれ、青森県弘前市出身。2011年4月に四段。2013年に第2回電王戦でコンピュータソフト・習甦(しゅうそ)と対局し、快勝。 2014年の第45期新人王戦で優勝。居飛車、振り飛車ともに指すオールラウンドプレイヤー。

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