角がなくても「7四」から美濃囲いは攻略できる?歩と桂馬がポイント【美濃囲いの崩し方 vol.11 応用編】

角がなくても「7四」から美濃囲いは攻略できる?歩と桂馬がポイント【美濃囲いの崩し方 vol.11 応用編】

ライター: 一瀬浩司  更新: 2017年03月05日

美濃囲いの崩し方

今回で、美濃囲いを攻めるコラムは最終回となります。最後に、7四を狙う攻め方をご紹介していきます。7四を狙う攻め方は前にあったのでは、と思う方もいるかもしれませんが、以前紹介した攻め方は角のラインを活用した攻め方でした。今回は角がない場合の攻め方をご紹介していきます。まずは第1図です。

【第1図】

持ち駒が桂と歩のみで、5五などにも角がおらず、どこをどう攻めて行けばよいかさっぱりわからない、と思われるかもしれません。▲6二歩と打っても、△同金で7一へ打つ銀がありませんし、そこで▲5四桂と打っても△6一金と逃げられて、以下▲4二桂成では攻め足があまりにも遅いです。同様に、▲4三歩と垂らしても▲4二歩成~▲5一との攻めでは非常に遅いですね。

さて、ここから7四を狙って攻めていくのですが、かといって第1図からすぐに▲7四桂では△同歩で角の応援がないので、桂を捨てただけになって攻めになりません。第1図からは二通りの指し方があります。まずは▲8六桂(第2図)と打つ攻め方です。

【第2図は▲8六桂まで】

次に▲7四歩と打てば、△同歩には▲同桂△7三玉▲6二歩と攻めていくことができます。また、▲7四歩では▲9四桂と跳ねる攻め方もあり、△同香に▲9五歩と桂を犠牲に端を攻めていくこともでき、7四だけでなく、二つの狙いが生じています。単に▲8六桂と打つのが一つ目の攻め方です。二つ目は▲7四歩と打ち捨てる攻め方です。

もし後手が放置しておいたなら、▲7三歩成として△同銀は▲6一飛成、△同桂は▲7四桂、△同玉は、玉がむき出しになって危険地帯に後手玉を出させることができます。よって△7四同歩と取りますが、そこで▲8六桂(第3図)と打てば、次にダイレクトに▲7四桂と跳ね出すことができます。

【第3図は▲8六桂まで】

いずれの攻め方も、7四に桂を跳ねて王手をすることを目標としています。このように、角がいなくても7四を攻めていく指し方もあります。

続いて第4図です。

【第4図】

今度は金銀に桂が二枚と豊富に持ち駒がありますが、後手の美濃囲いも三枚でがっちりと守られており、攻め方が非常に難しそうに思えるところです。

第1図からの攻め方のように、▲7五歩と伸ばして、▲7四歩△同歩▲8六桂の攻めを狙う指し方もなくはないのですが、スピードがやはり遅いです。ではどう攻めるのかというと、今度は桂が二枚あるところに注目していきます。

第4図からは▲8六桂が厳しい攻めとなります。一見ぼんやりしてそうですが、次に▲7四桂打(第5図)としてみればその厳しさがよくわかると思います。

【第5図は▲7四桂打まで】

△7四同歩に▲同桂と跳ね出せば、以下△9三玉には▲8二銀△9二玉(△8四玉は▲7五金までの詰み)に▲6一飛成(△同銀は▲9三金△同桂▲9一銀成△同玉▲8二金までの詰み)で必至です。また、△9二玉には▲8二銀と打って、やはり次の▲6一飛成が厳しい狙いとして残っています。さらに、△7三玉には▲7五金(次に▲8二銀までの詰めろ)が厳しいですし、ほかにもいきなり▲8二銀や▲6二歩も厳しい攻めで、いずれも金銀三枚の美濃囲いがあっという間に寄り形となります。▲8六桂から▲7四桂打と二枚の桂をつないで攻めていく指し方は、特に美濃囲いにはこのように絶大な効果を発揮することがあります。

以上が美濃囲いの崩し方の紹介でしたがいかがでしたか? もちろんいままでご紹介してきたものはほんの一部で、ほかにもさまざまな攻め方があります。しかし、これまでの基本的な攻め方を覚えられただけでも、一気に美濃囲いへの攻め方の幅が広がったことと思います。

一瀬浩司

ライター一瀬浩司

元奨励会三段の将棋ライター。ライター業のほか、毎月1回の加瀬教室や個人指導など、指導将棋も行なっている。主なアマチュア戦の棋歴としては、第34期朝日アマチュア将棋名人戦全国大会優勝、第63回都名人戦優勝などがある。

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阿部光瑠

監修阿部光瑠六段

棋士・六段
1994年生まれ、青森県弘前市出身。2011年4月に四段。2013年に第2回電王戦でコンピュータソフト・習甦(しゅうそ)と対局し、快勝。 2014年の第45期新人王戦で優勝。居飛車、振り飛車ともに指すオールラウンドプレイヤー。

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