美濃囲いの弱点はコビン攻め!角のラインで攻略しよう【美濃囲いの崩し方 vol.4】

美濃囲いの弱点はコビン攻め!角のラインで攻略しよう【美濃囲いの崩し方 vol.4】

ライター: 一瀬浩司  更新: 2017年02月02日

美濃囲いの崩し方

今回からは、美濃囲いに対するコビン攻めをご紹介させていただきます。まずは、第1図をご覧ください。

【第1図】

盤上の駒が角だけでどう攻めるの?と、思われる方も多いことでしょう。まず、▲4四桂と5二の金を攻めていくのはどうでしょうか?玉の周りの金を攻めるということは、囲いを崩す基本です。しかし、この場合は△6二金寄と逃げられると、以下▲5二金と打っても△同金寄▲同桂成△同金で、後手陣を少し薄くすることはできましたが、桂が犠牲になった割には大した効果が上げられず、これでは攻めが成功したとはとてもいえません。

しかし、金銀3枚の堅陣相手に、ほかにどのような攻めがあるのか、まったく想像もつかないかもしれません。ですが、ここでは相手を一発KOさせる必殺の一手がありました。第1図から、▲7四桂(第2図)が一撃必殺の王手で、なんとこれで後手玉は詰んでいるのです。

【第2図は▲7四桂まで】

△7四同歩で、この桂はタダじゃないの?と思われる方は盤上をよくご覧ください。7三の歩が7四に移動すると、5五の角が8二まで通り、▲8二角成と後手玉を取ってしまうことができます。よって、▲7四桂を後手は取ることはできず、△7一玉か△9二玉と逃げるしかありませんが、いずれも▲8二金と打てば、後手玉は詰みとなります。

桂は、相手の駒を飛び越えて進むことができる唯一の駒で、角と協力して使うとこのように、その威力をより強く発揮できるケースも多々あります。今回は金銀3枚の堅陣が、このたった2枚の飛び道具により、完全に無力化されてしまいました。

さて、次は第3図です。

【第3図】

今度は持ち駒が桂だけで、その代わりに2一に竜がいます。さて、この場合も▲7四桂と打ってよいのでしょうか? まずは、その手から調べていきましょう。

▲7四桂に対して、△9二玉は▲6一竜と金を取り、△同銀に▲8二金までの詰みですね。じゃあこれも▲7四桂でいいじゃないか、と思うかもしれませんが、△7一玉と今度はこちら側に逃げてみましょう。ここで▲6一竜は△同銀なら▲8二金までの詰みですが、△同玉と取られると5二の金がよく守りに利いていて後手玉は詰まず、寄せは失敗となります。△7一玉と逃げられたところでは、後手玉はまったく動けない状態ですが、先手の持ち駒がないので、後続の手がなく、結論として第3図からすぐに▲7四桂では後手玉は寄りません。

つまり、桂を打つ前に一工夫が必要となってきます。では、どう工夫すればよいのでしょうか? それをこれからご紹介いたします。第3図から、いきなり▲6一竜(第4図)が寄せの好手です。

【第4図は▲6一竜まで】

 

△6一同銀と取らせてから▲7四桂と打てば、△7二玉と逃げても今度は▲8二金までで、後手玉を詰みに討ち取ることができます。先に竜を切って、△6一同銀の形を強要することが寄せのコツでした。

今回は竜を先に切るのが正しかったのですが、先に桂を打つか竜を切るかは非常に難しい問題で、最後に第5図をご覧ください。

【第5図】

いま見ていただいた第4図のように、ここで▲6一竜と切ってしまうと、△同銀▲7四桂△7二玉と進んだときに、6三の地点が開いておりますので、▲8二金に△6三玉と逃げだされて捕まらず、寄せを失敗してしまいます。第5図では、先に▲7四桂が正しく、△7一玉に▲6一竜と切れば△同銀は▲8二金までですし、△同玉にも▲6二金と頭金で詰ますことができます。

形を覚えたからといって、考えずにすぐその手を指すのではなく、形の違いを見極め、しっかり先も見据えてから着手することが当たり前ですがとても大切です。

次回はまた別のコビン攻めをご紹介していきます。

一瀬浩司

ライター一瀬浩司

元奨励会三段の将棋ライター。ライター業のほか、毎月1回の加瀬教室や個人指導など、指導将棋も行なっている。主なアマチュア戦の棋歴としては、第34期朝日アマチュア将棋名人戦全国大会優勝、第63回都名人戦優勝などがある。

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阿部光瑠

監修阿部光瑠六段

棋士・六段
1994年生まれ、青森県弘前市出身。2011年4月に四段。2013年に第2回電王戦でコンピュータソフト・習甦(しゅうそ)と対局し、快勝。 2014年の第45期新人王戦で優勝。居飛車、振り飛車ともに指すオールラウンドプレイヤー。

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