三間飛車の人気戦法「石田流」で気をつけるべきポイント。「△8四歩には▲7八飛、△4二玉には▲6六歩」【はじめての戦法入門-第8回】

三間飛車の人気戦法「石田流」で気をつけるべきポイント。「△8四歩には▲7八飛、△4二玉には▲6六歩」【はじめての戦法入門-第8回】

ライター: 高野秀行六段  更新: 2017年02月24日

はじめての戦法入門

皆さん、こんにちは。高野秀行です。
「四間飛車」「ゴキゲン中飛車」とご紹介してきた「初めての戦法入門」。今回からは三間飛車の人気戦法「石田流」をご覧いただきたいと思います。石田流の魅力といえば、何といっても飛車、角といった大駒のダイナミックな動きにあります。しかし、大きく動くので最初の数手からいろいろな技が潜んでおり、居飛車の形によって指し手を変えなければなりません。組み上がるまでに注意が必要な「石田流」。初回の今回は、その注意点についてご紹介したいと思います。

初手から
▲7六歩△3四歩▲7五歩(第1図)

【第1図は▲7五歩まで】

角道を開け、すぐに▲7五歩と伸ばすのが、「石田流」の第一歩です。

まだ3手ですが、早くも第1図となります。▲7六歩と角道を開け、▲7五歩と歩をいきなり伸ばすのが「石田流」の第一歩。この第1図で居飛車がどう指すのか。これが重要なポイントとなるのです。

第1図からの指し手
△8四歩▲7八飛△8八角成▲同銀△4五角(第2図)

【第2図は△4五角まで】

△8四歩に▲7八飛と回ります。△4五角で困ったように見えますが。

△8四歩にいきなり▲7八飛と回ります。余分な動きなく飛車を回る気持ちの良い手ですが、△8八角成~△4五角で次の△6七角成と△2七角成を同時に受ける手がありません。序盤早々ピンチのようですが、返し技があります。

第2図からの指し手
▲7六角△2七角成▲4三角成△3二銀▲5三馬(第3図)

【第3図は▲5三馬まで】

▲7六角が返し技。5三馬の位置も良く、先手優勢です。

△4五角には▲7六角が用意の返し技。△2七角成▲4三角成と角を成り合うと、次に▲2一馬が残るので△3二銀と受けるしかありませんが、▲5三馬と手順にまた歩を取ることができます。2七馬と5三馬では明らかに5三馬の働きが良く、また歩得でもあり、第3図は先手優勢です。

【参考1図は▲8八飛まで】

7六角と4五角は若干7六角の方が使いやすく、不満のない序盤です。

▲7六角には△4二玉と上がることになりますが、▲3八銀から美濃囲いを作り、▲7七銀~▲8六歩~▲8八飛(参考1図)と攻めの形を作るイメージで駒組みを進めて十分の序盤となります。 えっ、どこが注意点なのか、と疑問を持たれた方、第1図に戻ってみましょう。

【第4図は△4五角まで】

居飛車の玉が△4二に上がっているため、▲7六角が返し技になりません。△4二玉に▲7八飛は危険です。

第1図からの指し手
△4二玉▲7八飛△8八角成▲同銀 △4五角(第4図)

第1図から△8四歩ではなく、△4二玉と玉を上がってきました。ダイナミックな動きこそ「石田流」だと、▲7八飛と回りましたが、△8八角成~△4五角と第4図まで進むと4二玉が4三の地点を守っているため▲7六角が返し技になりません。ここが「石田流」を指すうえでの、最初の重要なポイント。

「△4二玉で▲7八飛は危険」 と覚えておきましょう。

ではどう指すと良いのか、もう一度第1図に戻ります。

【第5図は▲3八銀まで】

△4二玉には▲6六歩。▲7五歩?▲7六飛と「石田流」の基本形が組み上がりました。

第1図からの指し手
△4二玉▲6六歩△8四歩▲7八飛 △8五歩▲7六飛△6二銀▲4八玉 △3二玉▲3八銀(第5図)

△4二玉には▲6六歩と角道を止めます。この手を入れてから▲7八飛と回り、△8五歩に▲7六飛と浮き、△8六歩からの交換を防ぐのです。 この▲7五歩~▲7六飛が「石田流」の基本形となります。2八にいた飛車が2手で7六までくる大きな動きは見ているだけで、気持ちが良いですね。 第5図の▲3八銀は、場合によっては、▲3九玉でも戦えるようにする、工夫した「美濃囲い」の作り方で、この局面を今後の基本図としたいと思います。

それでは今回のおさらいです。

4手目
「△8四歩には▲7八飛、△4二玉には▲6六歩」

石田流を組み上げるうえで、重要なポイントが4手目に潜んでいました。△8四歩と△4二玉の違いを間違えないように覚えてください。次回は、石田流の穴熊対策について説明したいと思います。お楽しみに。

高野秀行六段

ライター高野秀行六段

1972年6月横浜市生まれ。1984年に6級で中原誠十六世名人に入門。1998年4月に四段。棋風は居飛車本格派。趣味はゴルフ。将棋教室で多くの子供たちに将棋を教えている。

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