将棋コラム

里見香奈 VS 室谷由紀。第24期倉敷藤花戦三番勝負の展望

里見香奈 VS 室谷由紀。第24期倉敷藤花戦三番勝負の展望

更新: 2016年11月07日

  • Facebookでシェア
  • はてなブックマーク
  • Pocketに保存
  • Google+でシェア

里見香奈倉敷藤花に、室谷由紀女流二段が挑戦する「第24期大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負」が11月8日に第1局が行われ、開幕します。このコラムでは三番勝負の展望予想をしていきます。

よく勝つ2人

kurashiki_02.jpg
第23期倉敷藤花戦三番勝負第1局にて 撮影・常盤秀樹

まずは両者の今期成績などを見ていきましょう。里見は今期負けなしの14連勝中で、女流王位防衛、女流王座挑戦、女流王将防衛と相変わらずの勝ちっぷりを見せています。また、女流棋士と並行して奨励会にも三段で在籍しており、前々期5勝、前期7勝と、そちらでは思うような成績はまだ残せていません。しかし、人生を賭けた厳しい三段リーグ戦の対局室は、実際に戦った者にしかわからない張り詰めた極度の緊張感があり、この中で戦っていることは、技術的にも精神的にもすべてにおいて、里見の将棋人生にかなりプラスになっているはずです。

kurashiki_01.jpg
第9期マイナビ女子オープンにて 撮影・常盤秀樹

一方の室谷の今期成績は19勝8敗で、こちらもよく勝っています。タイトル戦初登場となった第9期マイナビ女子オープンでは、挑戦者決定戦で西山朋佳奨励会三段を破り、五番勝負では1勝3敗でタイトル奪取はならなかったものの、全局押し気味に進め、逆のスコアであってもまったく不思議ではない素晴らしい内容でした。タイトル戦の雰囲気を経験したことで、今回の三番勝負は平常心に近い感じで戦えると思います。

また、1月23日に行われた第47期新人王戦では、近藤誠也四段に競り勝ち、対男性棋士初勝利を挙げています。近藤四段はこの後、初参加となった第66期王将戦で1次予選、2次予選を勝ち抜いていきなりリーグ入りを果たした期待の新鋭ですから、この勝利を見るだけでも室谷の成長ぶりがわかります。

戦型予想

両者の対戦成績は里見の3連勝です。内容は3局とも里見の完勝で、今回の三番勝負では、室谷がどれだけ成長を遂げたのか、真価が問われるところです。注目の戦型予想ですが、両者の初手合いが相振り飛車で、2局目と3局目が室谷の振り飛車に里見が居飛車で対抗しています。今回も室谷の振り飛車はまず間違いないでしょう。里見が譲って居飛車にするか、相振り飛車にするか、非常に予想が難しいですが、最近の里見の傾向から、どちらが先手になっても▲7六歩△3四歩▲7五歩からの相振り飛車になるとズバリ予想します。

スコアは?

勝敗予想ですが、当たり前ながら第1局の勝敗がかなり大きいと思います。里見勝ちなら高確率で防衛でしょう。室谷勝ちなら防衛と奪取はほぼ五分五分になると見ます。と、いうのも第2局と第3局は2日続けて行われるため、里見先勝の場合、室谷が2局分の作戦を用意し、大きなプレッシャーのなか百戦錬磨の里見に2連勝するというのは、いくら充実している室谷でも大変難しいことでしょう。逆に室谷が先勝できれば、第2局は少し余裕を持って戦えるため、奪取のチャンスは十分にあると見ています。

里見優位の三番勝負ですが、成長著しい室谷がどれだけ肉薄し、そして里見の牙城を崩すことができるのか。どちらが勝つにせよ、熱戦間違いなしの、非常に楽しみな三番勝負です。

一瀬浩司

ライター一瀬浩司

元奨励会三段の将棋ライター。ライター業のほか、毎月1回の加瀬教室や個人指導など、指導将棋も行なっている。主なアマチュア戦の棋歴としては、第34期朝日アマチュア将棋名人戦全国大会優勝、第63回都名人戦優勝などがある。

このライターの記事一覧

  • Facebookでシェア
  • はてなブックマーク
  • Pocketに保存
  • Google+でシェア

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

facebookのタイムラインに
最新情報が配信されます

将棋コラムの人気記事

もっと見る