とある大学生の日常――水町みゆ女流初段

とある大学生の日常――水町みゆ女流初段

ライター: 水町みゆ  更新: 2020年12月18日

 こんにちは、女流棋士の水町みゆです。福岡在住の地方棋士である私のことはあまりご存じないとは思いますが、軽く近況をお話しさせていただきたく思います。コラムなるものを書くのは初めてで、女流棋士というよりは、いち大学生の個人ブログを読んでいるような気持ちになるかとは思いますが、どうかご容赦ください。

 私は今年の春、九州大学に入学しました。正直自分でも無理だと思っていた大学受験と棋士業の両立を奇跡的に乗り切り、いざ"薔薇色のキャンパスライフ"をば!と意気込んでいた矢先のコロナ禍。

 お洒落やメイクに勤しむ機会はおろか、新しい友達を作る機会すらなく、始業10分前に布団からズルズルと這い出してブルーライトカット眼鏡を装着し部屋着のままパソコンをカタカタ、授業が終われば大量に積まれた(といっても電子媒体ですが)前年比2~3倍ともいわれる課題とにらめっこする日々の中で、思い描いていた"薔薇色(以下略)"が音を立てて崩れていくのを呆然と眺めていました。

 大学で新しくできたお友達の隣で授業を受け、教授が誰々に似ているだとか他愛もない会話でキャッキャと盛り上がり、放課後は将棋部に入り浸り、夜の帰り道は音楽を聴きながら微睡み...といった生活を夢見ていたはずの私は、結局1度しか大学に行かないまま前期を終えたのです。

 さて、現在は後期です。週一回程度の対面授業が始まり、ようやく大学に行きだしました。キャンパス内で高校時代の友人と再会しては「生きてたのか」「案外図太いな」などと言葉を交わし、高校時代に思いを馳せたり学食に行ったり。ようやく大学生になったという感じがします。しかし未だにしょっちゅうキャンパス内で迷っては掲示板を探して彷徨うというのに、あと数か月で新入生を迎え入れる側になるというのは恐怖でしかありません。

 また、元来家でゴロゴロしてばかりの自堕落人間な上、コロナ禍が引きこもりを正当化したこともあり、1週間のうち4~5日は外出せずパソコンと見つめ合っているため、かなり不健康な自信があります。さすがに危機感を覚え、最近では運動不足解消のため帰り際に友人と大学内を散策しています。さすがキャンパス単体面積日本一というべきか、バス停が点在するほどの圧巻の広さ。これでまだ開発途中だというから恐ろしい話です。最終形態は迷宮に違いありません。現在のキャンパスの最奥は山の中腹にあたる風の強い場所で、数台の風力発電機がこれでもかという勢いでぐるんぐるん回っており、特に冬場は風が恐ろしいほど冷たいため、私も一度行ったきり近づいていません。仕事先でお会いした先輩によると、約十年前には強風で窓が割れたとか。しかしどこを撮っても絵になる、綺麗なキャンパスです。

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私の通っている九州大学です

 

 さて、このままでは大学紹介ブログになりかねないので、最後に最近あった摩訶不思議な出来事をお話しします。最近、私の黒い髪ゴムが次々にボロボロになっていくのです。姉も母も髪は短いので我が家では髪ゴムを必要とする人間は私しかいないはずなのに、一体なにが。
...と、まるで未解決事件かのように書きましたが犯人は一人、いや一羽しかいません。姉の飼っているインコ"るりちゃん"です。

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髪ゴムをボロボロにする、るりちゃん

 実は、姉が私の髪ゴムを遊び道具として与えているところをしっかり目撃しています。我が家のヒエラルキーの関係上、私などが姉上やるり様に文句を言えるわけもなく、涙を呑んで半壊した髪ゴムを使っていますが、結ぶ途中で髪ゴムが切れ、期せずして手にゴムパッチンを食らうことが増えました。このコラムを書いている間もるりちゃんに肘を噛まれています。極悪非道の激かわインコの今後の動向にも是非ご注目ください。

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我が家のインコ、るりちゃん

 さて、そろそろ丁度良い字数なので、今回はこのあたりで失礼します。拙い文章を最後までお読みいただきありがとうございました。

私のシリーズ

水町みゆ

ライター水町みゆ

2001年4月21日生まれ。福岡県福岡市出身。島朗九段門下。
2018年5月1日女流2級。2020年4月1日女流初段。

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