8筋を受けずにガンガン攻めよう。相居飛車左美濃右四間飛車の組み方【玉の囲い方 第86回】

8筋を受けずにガンガン攻めよう。相居飛車左美濃右四間飛車の組み方【玉の囲い方 第86回】

ライター: 一瀬浩司  更新: 2019年08月02日

玉の囲い方

前回のコラムでは、相居飛車における「左美濃右四間飛車」に組む手順を見ていきました。今回は左美濃右四間飛車に組む際の注意点を見ていきましょう。それでは、左美濃右四間飛車に組むまでの手順をまずは復習していきましょう。初手から、▲7六歩、▲2六歩、▲4八銀、▲4六歩、▲4七銀、▲5六銀、▲4八飛、▲6八玉、▲7八銀、▲7九玉、▲5八金右、▲3六歩、▲3七桂(第1図)。

【第1図は▲3七桂まで】

左美濃右四間飛車に組む際の注意点

それでは、組む際の注意点を見ていきましょう。
組む際の注意点:第2図をご覧ください。

【第2図は△8五歩まで】

前回のコラムで、相手が矢倉に組むのはありがたいと書きました。第2図は、先手としてはありがたい序盤となっていますが、ここで注意しなければいけないところがあります。後手は8筋交換を狙っていますね。

もちろん、ここで▲7七銀と上がって受ける手は論外です。8八の角の利きを止めてしまいますし、さらに玉が7九にいるので8八の角を動かすことができません。ここから玉を囲うには、いったん▲7八玉と上がって▲7九角~▲8八玉~▲7八金とするよりないですが、これでは角筋を生かした攻めができませんし、5六に銀を腰掛けている形なので、7九の角の活用が難しい展開となってしまいます。

では、▲7七角と角で受けるのはどうでしょう? 実はこれもよくない手なのです。え? 飛車先交換を受けなきゃいけないじゃん。当たり前の手じゃないの? と思われるでしょう。では少し進めてみましょうか。第2図から、▲7七角△3一角▲3七桂△8六歩▲同歩△同角▲同角△同飛▲8七歩△8二飛(第3図)。

【第3図は△8二飛まで】

いったんは8筋交換は受けれましたが、△3一角と引かれてみると、結局8筋を交換されてしまいましたね。第3図では先手の角がいなくなってしまったので、攻撃力が落ちていますね。ここから、▲2五桂としても、△3七角▲3三桂成△同桂くらいで銀桂交換の駒得になっても後手に馬を作られる形となってしまい、成功してるとは言えないでしょう。桂を渡すと、△6四桂や△9五桂の反撃が厳しい狙いとして残ります。

では、どうすればよかったのでしょうか? 第2図では、8筋に構わず▲3七桂と跳ね、△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8二飛と交換はされますが、そこで▲2五桂と跳ねれば、8八の角は健在でガンガン攻めていくことができます。

注意点はこれくらいで......。と発展形に移りたいところですが、ひとつ疑問がある方がおられるかもしれません。前回のコラムもよく読んでくださり、ありがとうございます。前回の実戦例の図面を思い出してみてください。もう一度再掲いたします。

【第4図は△7三桂まで】

第4図は、前回のコラム第1図の平成6年12月22日、第65期棋聖戦五番勝負第2局、▲島朗八段ー△羽生善治棋聖戦(肩書は当時)です。あれ? 羽生九段は角で2筋を受けてるじゃん。そう思われるでしょうが、これは先手の陣形が引き角から2筋交換ができない形になっていますので、この場合は受けたほうがよいのです。歩を持たれていると、▲7五歩(△同歩は▲7四歩)の桂頭攻めも気になりますよね。ケースバイケースですが、相手の陣形が矢倉なら受けず、5七、6八(5三、4二)銀型なら受ける、と覚えられるとよいでしょう。では、次に囲いの発展形を見ていきましょう。

左美濃右四間飛車の発展形

囲いの発展形:第5図は、先手が▲3七桂と跳ねずに、▲6六歩と止め、▲6七銀引~▲5九角~▲7七銀~▲7八金と銀矢倉に組み替えて、角を2六に移動させて進んだ形です。

【第5図は▲4五歩まで】

これはやや出来過ぎな展開ですが、相手の陣形によってはこのように銀矢倉に組み替えるのも有力となることもあります。

一瀬浩司

ライター一瀬浩司

元奨励会三段の将棋ライター。ライター業のほか、毎月1回の加瀬教室や個人指導など、指導将棋も行なっている。主なアマチュア戦の棋歴としては、第34期朝日アマチュア将棋名人戦全国大会優勝、第63回都名人戦優勝などがある。

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杉本和陽

監修杉本和陽四段

棋士・四段
1991年生まれ、東京都大田区出身。2017年4月に四段。師匠は(故)米長邦雄永世棋聖。バスケットボールを趣味とする。ゴキゲン中飛車を得意戦法とする振り飛車党。
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