香を捨てず3三歩で攻めよう!矢倉における4六銀、3七桂型の攻め方とは【第85回 矢倉の崩し方】

香を捨てず3三歩で攻めよう!矢倉における4六銀、3七桂型の攻め方とは【第85回 矢倉の崩し方】

ライター: 一瀬浩司  更新: 2019年05月11日

矢倉の崩し方

今回のコラムも、矢倉で1筋の端歩を突き合っている形で4六銀、3七桂型から攻めていく指し方を解説していきます。それでは第1図です。

【第1図は△6四角まで】

いま3五の地点で銀交換が行われた後に、△6四角と4二にいた角を出てきたところです。前回はここから▲1五香と捨て、△同香に▲3三歩と打つ攻めを見ていきました。

今回はもうひとつの攻め方を見ていきましょう。今回は香を捨てず、いきなり▲3三歩(第2図)と打っていきます。

【第2図は▲3三歩まで】

第2図で△1九角成は▲3二歩成でもよいですが、▲1三角成! が絶妙手で、△同香、△同桂のいずれも▲3二歩成△1二玉▲2二金まで、後手玉は詰みとなります。なお、蛇足ですが、8二など二段目に飛車がいて3二へ利きがある場合も、▲1三角成が決め手になります。△1三同桂に▲3二歩成△同飛▲1三桂成△同香▲1一銀で決まりです。

△3三同金寄(上)なら、▲同桂成△同金に▲4六角とぶつければ、先手としては▲1五香と捨てずに攻めているぶん得な変化になっていますね。第2図で△4二金寄なら、▲3二銀(第3図)と打って攻め続けます。

【第3図は▲3二銀まで】

第3図で△3二同金なら、やはり▲1三角成と捨てれば先ほどの手順同様に後手玉は詰みとなります。また、△1九角成も▲4三銀成△同金に▲1三角成とすれば、これも詰みですね。

第3図で△5三金寄なら、▲4六角とぶつけて▲3一角を狙う要領です。以下△同角▲同歩△3一歩なら、▲2一銀成△同玉▲3四桂△4一金▲1五香△同香▲1三桂成できれいに決まります。

最後は第2図から△3三同桂と取ってくる手です。ここで、端が弱くなったからと▲1三銀と打つのは、重い攻め方です。△1三同香なら▲同角成△2一玉▲3三桂不成△同金寄▲同飛成で一気に決まりますが、△3一玉とかわされると1三の銀が取り残されてしまいそうです。そこで、先手は△3三同桂のときに▲1五香(第4図)と走ります。

【第4図は▲1五香まで】

第4図で△1五同香なら、先に▲3三歩を利かした効果で▲1三角成△2一玉▲1二銀として後手玉は詰みですね。よって、今回後手はこの香を取ることができません。また、△3七歩も▲1八飛と手順に回る手がピッタリです。

ただし、後手は3三に桂が跳ねているので、第4図から△2五桂と取ってくる手があります。▲2五同歩なら△3四歩といったん打たれ、▲4六角△同角▲同歩△1五香で香損となって先手からは有効打がなく、これは失敗となります。△2五桂に対してはいろいろと有力な攻め方が見えますが、▲1二歩(第5図)がよいでしょう。

【第5図は▲1二歩まで】

第5図で△3四歩なら▲1三角成とできますし、△1二同香なら▲同香成△同玉のとき▲1三角成!(▲1四香△2一玉▲1三角成でも十分)△同玉▲3二飛成で決まります。また、第5図で△3七歩なら▲1八飛△1七歩▲2八飛くらいで、▲2五歩と桂を取り返す手と、▲1一歩成と香を取る手が残ってこれも先手よしです。

よって、第1図からは、▲1五香と▲3三歩が有力な攻めということがわかりました。

一瀬浩司

ライター一瀬浩司

元奨励会三段の将棋ライター。ライター業のほか、毎月1回の加瀬教室や個人指導など、指導将棋も行なっている。主なアマチュア戦の棋歴としては、第34期朝日アマチュア将棋名人戦全国大会優勝、第63回都名人戦優勝などがある。

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阿部光瑠

監修阿部光瑠六段

棋士・六段
1994年生まれ、青森県弘前市出身。2011年4月に四段。2013年に第2回電王戦でコンピュータソフト・習甦(しゅうそ)と対局し、快勝。 2014年の第45期新人王戦で優勝。居飛車、振り飛車ともに指すオールラウンドプレイヤー。
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