玉の脇の堅さが魅力!大駒を軽く動かしたい方におすすめ、相振り飛車における「中原囲い」の注意点と発展形【玉の囲い方 第62回】

玉の脇の堅さが魅力!大駒を軽く動かしたい方におすすめ、相振り飛車における「中原囲い」の注意点と発展形【玉の囲い方 第62回】

ライター: 一瀬浩司  更新: 2019年03月21日

玉の囲い方

前回のコラムでは、相振り飛車における「中原囲い」をご紹介しました。今回は、組む際の注意点と発展形を見ていきましょう。それでは、中原囲いに組むまでの手順の復習です。初手から、▲7六歩、▲9六歩、▲5六歩、▲6六角、▲8八飛、▲3八金、▲4九玉、▲6八銀、▲5九金(第1図)。

【第1図は▲5九金まで】

それでは、まずは組む際の注意点を見ていきましょう。

組む際の注意点:第2図は、初手から▲7六歩△3四歩▲7五歩△1四歩▲1六歩△5四歩に▲7八飛と振ってきたところです。

【第2図は▲7八飛まで】

ここで、相手の手を見ずに△4四角としてしまうと、▲同角△同歩に▲4三角と打ち込まれてあっという間に不利になってしまいます。あれ? 囲いを組む手順のとき▲6六角と上がってたじゃん? どういうこと? って思われるかもしれませんが、その一手前の△5四歩は▲7八飛をけん制した手です。

第2図からは、どう指せばよかったのかというと、△8八角成▲同銀△4五角(第3図)でした。

【第3図は△4五角まで】

このとき、早石田でよくある受け方の▲7六角は、5四の歩が防波堤となって4三への角成がありません。組む手順のときに、▲5六歩と突いたのは、こういう意味があったのです。実際は、もうひとつ上に▲8五角と打ってきて難しいのですが、乱戦を避けるために第2図の▲7八飛では、▲6六歩と角筋を止めてくる場合が多いです。先手の角筋が止まったのを見て、△4四角と上がるのが正しい手順でした。

もし、▲7八飛と回ってきたときに角交換から△4五角と乱戦にする順はちょっと......という方は、第2図で△5二飛や、△8八角成▲同銀に△2二飛とするのがよいでしょう。

次に第4図です。

【第4図は▲5六銀まで】

第2図の▲7八飛に代えて▲6六歩と突き、△4四角▲7八飛△2二飛▲6八銀△7二金▲6七銀△6一玉▲5六銀と進んだ局面です。ここで、やはり先手の手を見ずに△4二銀と上がると、▲4五銀と出られ、3四か5四の歩を取られてしまいます。当然、第4図ではしっかり△3三桂と、角頭をカバーしなければなりません。以下▲6五銀には△5五歩と逃がしておけば大丈夫です。▲7四歩△同歩▲同飛とされても、△4二銀(△7三歩は▲4四飛△同歩▲4三角がある)で何事も起こりません。

これまでの囲いでも、何度もありましたが、相手の指し手をよく見て、駒組みを進めることが大事です。それでは、次に囲いの発展形を見ていきましょう。

囲いの発展形:また先手の駒のみの図面に戻ります。第1図は、ひとまず完成形と言ってよい形ですが、場合によっては、▲4八銀、▲3九玉、▲3六歩、▲3七銀、▲4八金上、▲2八玉(第5図)と矢倉に組み替えたりすることもできます。

【第5図は▲2八玉まで】

また、▲2八銀~▲2六歩~▲2七銀と銀冠のように指したり、4七に銀を持って上部を厚くしたり、前回のコラムでご紹介したように、▲4八銀からひとつ▲3九玉と寄ってから攻めていくなど、さまざまな指し方があります。6八の銀が攻めに参加しない展開も多く、指しこなすには大変ですが、玉の脇が堅いことが魅力です。飛車、角、桂で軽く動き回るのが得意な方には合うかもしれませんので、一度試してみてはいかがでしょうか。

一瀬浩司

ライター一瀬浩司

元奨励会三段の将棋ライター。ライター業のほか、毎月1回の加瀬教室や個人指導など、指導将棋も行なっている。主なアマチュア戦の棋歴としては、第34期朝日アマチュア将棋名人戦全国大会優勝、第63回都名人戦優勝などがある。

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杉本和陽

監修杉本和陽四段

棋士・四段
1991年生まれ、東京都大田区出身。2017年4月に四段。師匠は(故)米長邦雄永世棋聖。バスケットボールを趣味とする。ゴキゲン中飛車を得意戦法とする振り飛車党。
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