「プロ2年目、自分を変えたい」斎藤四段が語るこれからの目標【斎藤明日斗四段インタビューvol.4】

「プロ2年目、自分を変えたい」斎藤四段が語るこれからの目標【斎藤明日斗四段インタビューvol.4】

ライター: マツオカミキ  更新: 2019年02月11日

斎藤明日斗四段インタビュー

プロになって1年が経った、20歳の棋士・斎藤明日斗四段の4回連載インタビュー。最終回は、プロになった時の師匠の反応や、目指している棋士についてお聞きしました。自分の強みを「想像力」だと分析する斎藤四段。これからの目標を、力強く語ってくれています。

宮田一門プロ入り第1号、しかし師匠の反応は...

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――幼少期や奨励会員の頃は、自分より強いライバルの存在がモチベーションになったとお聞きしました(第一回参照)。現在、ライバルとして意識している棋士はいますか?

今はプロになったばかりで、まず自分が力をつけなければならない時期だと思います。年齢が近い先輩方も、唯一の年下である藤井聡太七段も、棋士として自分よりもだいぶ先を歩く人たちなので、まだ自分のレベルでは「ライバル」と言えないんです。

――今、明確なライバルがいないとしたら、モチベーションの保ち方が変わってきそうですね。

そうですね。これまでは「あいつに負けたくない」という気持ちがモチベーションだったので、今までとは違う気持ちの整え方が必要だと感じています。実際、今年はモチベーションの保ち方について、かなり悩みました‥‥。目標が高すぎると自分を卑下してしまうし、なかなか難しいところです。

――ちなみに、年齢が一番近いのは増田康宏六段ですかね?

そうですね。ただ、増田六段も自分からすると雲の上の存在なので、今はライバルとは言えないです。

――今年プロ入りされた本田奎四段も、ひとつ上ですよね。

あ、そうですね! しかも、本田四段は兄弟子なんですよ。道場も子どもの頃から一緒だったのですが、当時は大駒一枚分くらいの実力に差がありました。だから、奨励会時代は自分が追い付こうと必死でしたね。そんな自分が先に四段になったので、本田四段からは「悔しい」と言われましたが(笑)。そうやって成績を言い合える関係ですし、これからも切磋琢磨していきたいです。

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しかも、僕と本田四段は、宮田一門でのプロ第1号・2号なんですよ。師匠はたくさん弟子をとっているのですが、僕が「プロ入りした最初の弟子」になれて嬉しかったです。

――昇段を報告した時、宮田利男八段も喜んだのでは?

いや、それが、怒られたんです‥‥(笑)。

――えっ、どうしてでしょう?

昇段が決まった日に、こちらから報告する前に師匠から電話をいただいたのですが‥‥、「2局目で負けるなんて、何をやってるんだ!」って。三段リーグの最終日、僕は1局目で勝って昇段が決まったのですが、その後の2局目を落としてしまったんです。師匠は、これから順位戦で勝ち抜くために、「そういうところで落としていたらいけないぞ」と教えてくださったのだと思います。

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最初は叱られましたが、昇段したこと自体は、すごく喜んでくれていました。もっと自分が活躍していく姿を、師匠に見ていただけたらいいなと思っています。

自分だからこそできる将棋を―斎藤四段が目指すもの

――目指している棋士像や、憧れている棋士の方はいますか?

やはり、羽生善治九段です。将棋が強いのはもちろんですが、言葉に重みがあって、とても憧れます。また、僕自身の強みは「想像力」だと思っているのですが、斬新な手はリスクが付き物で、悪い方に転ぶ場合もありますよね。ただ、羽生九段は、そういう一手が良い結果につながることが多い。自分も、そういう将棋を指せるようになりたいです。

他にも、菅井竜也七段山崎隆之八段の創造性が高い将棋にも憧れます。お二人の将棋は、観ていて楽しいです。

――観ていて楽しい将棋を目指したい、という気持ちもありますか?

それは常にあります。コンピューターも将棋ができる今、自分だからこその工夫の一手を指していきたいです。強いだけではなく、斬新な将棋で観てくれる人に楽しんでもらえるような棋士を目指しています。

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――最後に、プロ2年目の目標を教えてください。

将棋に関しては、まずは結果を出せる棋士になること。精神面では、もっと物事を冷静に見られるようになりたいです。プロになってからの1年間は、少し気が緩んでしまったり、対局中の気持ちのアップダウンが将棋にも影響してしまったり。2年目は、対局の形勢を冷静に判断し、気持ちに左右されないよう意識したいと思います。

また、ここのところ成績を落としていて、やはりプロの世界は自分が思っていた以上に厳しいものだと実感しています。多くの先輩方から「今、将棋に力を注がないと後悔するぞ」という言葉をいただいているので、より一層、気合いを入れて将棋に向き合いたいと思います。気持ちの面や、将棋以外の時間の過ごし方も含めて、もっと強くなるために自分を変えて、結果を出していきたいです。

おわりに

19歳でプロの世界へと足を踏み入れ、ここからまた飛躍しようとしている斎藤四段。「自分の強みである想像力を活かしていきたい」と、まっすぐに、力強くお話されていたのが印象的でした。「プロ入りがゴールではなく、ここから新たなスタート」と語る斎藤四段の、プロ2年目のご活躍も楽しみです。

4回連載のインタビュー、最後までお読みいただきありがとうございました。

マツオカミキ

ライターマツオカミキ

2014年からライターとして活動する平成元年生まれ。28歳にして初めて将棋に触れました。将棋を学びながら、初心者目線で楽しさをお伝えします!普段は観光地や企業、お店を取材して記事を執筆中。

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