藤井名人が2連勝 4月下旬の注目対局を格言で振り返る

藤井名人が2連勝 4月下旬の注目対局を格言で振り返る

ライター: 渡部壮大  更新: 2026年05月12日

 名人戦、叡王戦はともにタイトルホルダーが力を見せて2連勝。挑戦者側の巻き返しはあるでしょうか。

第84期名人戦七番勝負第2局

【第1図は△3三銀まで】

 第1図は第84期名人戦七番勝負第2局(▲藤井聡太名人△糸谷哲郎九段)。第1局に続き糸谷九段が力戦を志向しています。飛車の引き場所は色々ありますが、▲2五飛が「飛車は十字に使え」の構想でした。以下△2三歩▲3八銀△8四歩▲7八金△8五歩▲6六角となって狙いが明らかに。△4四銀に▲7七桂と跳ねて、▲8五飛とぶつける手を狙いにします。以下も難解な力勝負となりましたが、うまく局面をまとめた藤井名人の快勝になっています。

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写真:文

第11期叡王戦五番勝負第2局

【第2図は▲8八歩まで】

 第2図は第11期叡王戦五番勝負第2局(▲斎藤慎太郎八段△伊藤匠叡王)。8筋を押し込んで後手がポイントをあげました。ここで△3三桂が「遊び駒は活用せよ」の好手。8七へ打ち込む狙いがあるため、桂の価値が高い局面です。実戦は▲3三同桂成△同金▲3四歩に△8七桂が実現し、後手ペースの戦いになりました。本局は伊藤叡王の快勝で2連勝としています。

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写真:文

第19期マイナビ女子オープン五番勝負第3局

【第3図は△7三同金まで】

 第3図は第19期マイナビ女子オープン五番勝負第3局(▲西山朋佳女流三冠△福間香奈女王)。5六の銀取りが残っていますが、局面は終盤。▲8三成香△同金▲9二飛成と「終盤は駒の損得より速度」で決めに出ます。竜を作ってしまえば分かりやすく、後手は粘るのが難しい格好です。以下は数手で後手の投了となりました。これで西山女流三冠が2勝1敗とリードし、女王復位にあと1勝です。

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写真:銀杏

第19期マイナビ女子オープン五番勝負第2局

【第4図は△3五桂まで】

 第4図はマイナビ女子オープン第2局(▲福間女王△西山女流三冠)。この△3五桂は▲同飛成なら後手玉の詰めろが外れる意味ですが、▲3六玉が「中段玉寄せにくし」の応手。△2七竜▲3五玉△3七竜と銀は取られますが、▲3六桂と合駒して先手玉は捕まらない形です。

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写真:琵琶

伊藤園お~いお茶杯第67期王位戦挑戦者決定リーグ

【第5図は▲9七歩まで】

 第5図は伊藤園お~いお茶杯第67期王位戦挑戦者決定リーグ白組(▲服部慎一郎七段△藤本渚七段)。少し前に後手が飛車を切って決めに出たところです。△6六金▲同金△8八銀が「玉の腹から銀を打て」の厳しい寄せ。▲9六桂の抵抗にも△同香▲同歩△7五角で先手投了。以下は▲同金には△8六桂が打ち歩詰め打開の手筋で受けなしです。藤本七段は4連勝と星を伸ばし、リーグ優勝に近付きました。

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写真:夏芽

渡部壮大

ライター渡部壮大

高校生でネット将棋にハマって以来、趣味も仕事も将棋な人。
将棋の月刊誌、週刊紙、書籍などの編集部に在籍経験あり。
アマチュア大会の最高成績は全国ベスト16だが、もう少し上に行けないかと日々努力中。

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高崎一生

監修高崎一生七段

棋士・七段
1987年生まれ、宮崎県日南市出身。2005年10月に四段。(故)米長邦雄永世棋聖門下。 攻める棋風を持ち味としている振り飛車党。
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