臨機応変に玉の囲い方を変えられるのがメリット!右玉の組み方のご紹介

臨機応変に玉の囲い方を変えられるのがメリット!右玉の組み方のご紹介

ライター: 一瀬浩司  更新: 2017年12月17日

今回のコラムより、「右玉」の組み方についてご紹介していきます。まずはどういう囲いなのか? そちらを見ていただきましょう。

囲いの特徴

【第1図】

こちらが右玉です。玉を盤面の右に囲うので、右玉と呼ばれます。たいていの場合、玉は飛車と反対側に囲うのがセオリーです。と、いうのも、飛車は攻撃の要なので、飛車側で戦いになることがほとんどですよね。なので、飛車側に玉がいると危ないので、居飛車では左側へ、振り飛車では右側というように、玉は飛車の反対側に囲います。

では、なぜこのような戦法があるのでしょうか? 第1図を見ていただくとわかるように、玉は非常に薄いですね。しかし、金銀がバランスよく配置されていて、玉が広いことが特徴です。場合によっては、玉が左側に引っ越しをすることもあります。また、右玉は基本的に居飛車の戦法ですので、第2図のように、相手の飛車の反対側に囲うことになります。

【第2図は▲4八玉まで】

相手の攻撃陣の反対側に囲うということでは、理にかなった戦法ともいえるでしょう。

囲いを組むまでの手順

右玉はどのように組むのでしょうか? その手順を見ていきましょう。

初手より、▲7六歩、▲6六歩、▲6八銀、▲4八銀、▲7八金、▲4六歩、▲4七銀、▲3六歩、▲3七桂(第3図)。

【第3図は▲3七桂まで】

まずは、角筋を止めて、銀を上がるのが確実な組み方でしょう。

ここまでの手順は、これといったきっちりした組み方はなく、相手の出方を見ながら駒組みを進めるのがよいでしょう。第3図まで、まだ玉は動かしていませんので、ここからでも矢倉に組んだり、左側に玉を囲うこともできます。4七の銀と3七の桂の形は攻撃の布陣とするなど、臨機応変に玉の囲い方も変えれるところも特徴ですね。

それでは続きを見ていきましょう。第3図より、▲5八金、▲6七銀、▲2九飛、▲4八玉(第4図)。

【第4図は▲4八玉まで】

これにて右玉は完成です。

第3図より、▲5八金と上がらずに、▲6七銀、▲2九飛、▲4八玉、▲3八玉、▲4八金や、第4図から、▲3八玉、▲4八金と、3八へ深く囲う指し方もあります。また、第4図の2手前の▲2九飛で、▲6九玉(第5図)とすれば、現在プロの対局で大流行している「ツノ銀雁木」になりますね。

【第5図は▲6九玉まで】

先ほど、臨機応変に玉の囲い方を変えられると書きましたが、こちらがいちばんわかりやすい例でしょう。玉は左側に囲い、攻撃陣は右側の飛車、銀、桂となっていきます。それでは、次回は右玉に囲う際の注意点などを解説していきます。

玉の囲い方

一瀬浩司

ライター一瀬浩司

元奨励会三段の将棋ライター。ライター業のほか、毎月1回の加瀬教室や個人指導など、指導将棋も行なっている。主なアマチュア戦の棋歴としては、第34期朝日アマチュア将棋名人戦全国大会優勝、第63回都名人戦優勝などがある。

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杉本和陽

監修杉本和陽四段

棋士・四段
1991年生まれ、東京都大田区出身。2017年4月に四段。師匠は(故)米長邦雄永世棋聖。バスケットボールを趣味とする。ゴキゲン中飛車を得意戦法とする振り飛車党。
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