将棋コラム

藤井聡太四段デビューから負けなし10連勝。渡辺明棋王VS千田六段の棋王戦、決着は最終局へ【3月20日~3月26日の中継結果まとめ】

藤井聡太四段デビューから負けなし10連勝。渡辺明棋王VS千田六段の棋王戦、決着は最終局へ【3月20日~3月26日の中継結果まとめ】

更新: 2017年03月27日

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日本将棋連盟モバイルにおける3月20日~3月26日の中継局の結果をまとめてお伝えします。棋王戦は渡辺明竜王が2勝2敗のタイに追い着き、決着は最終第5局に持ち越されました。

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棋王戦五番勝負、渡辺明棋王がタイに追い着いて最終局に

○渡辺明棋王-●千田翔太六段

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第42期棋王戦五番勝負は3局が終わり、挑戦者の千田翔太六段が2勝1敗とリードして渡辺明棋王をカド番に追い込んだ。第4局は20日、栃木県宇都宮市の「宇都宮グランドホテル」で行われた。

渡辺明棋王の先手で相矢倉の4六と6四で角が向かい合う形から、千田六段が手損ながらも6二金・8一飛型に構え、さらに銀矢倉に組む。4筋から小競り合いが始まり、渡辺明棋王は歩得をしながら攻めの銀をさばいた。千田六段は先手陣に馬を作って渡辺明棋王の攻撃を牽制するが、馬を角と交換して形勢を損ねている。正しく指せば千日手の可能性が高かったようだ。実戦は渡辺明棋王が快調に攻めて押し切った。最終第5局は27日(月)、東京・将棋会館で行われる。

竜王戦

1組

○豊島将之八段-●三浦弘行九段
●阿部健治郎七段-○丸山忠久九段
○糸谷哲郎八段-●久保利明王将

ランキング戦と出場者決定戦(5位決定戦)が並行して進行中。5位決定戦の▲豊島将之八段-△三浦弘行九段戦は横歩取りで、▲3四飛△3三角に▲6八玉の変化を豊島八段が採用した。夕食休憩後、終盤の入り口の局面で千日手が成立している。指し直し局は矢倉戦で先手の三浦九段が米長流急戦に進めるも、8筋に拠点を築いた豊島八段がペースを握って攻め勝った。

ランキング戦2回戦の▲阿部健治郎七段-△丸山忠久九段戦は、阿部健七段が角道を開けず、相居飛車で引き角にして戦う。早い段階で8筋を詰めた丸山九段は、攻撃される度に囲いを補修して一定の強度を保ち、挟撃態勢を築いて手早く反撃を決めた。

同じくランキング戦2回戦の▲糸谷哲郎八段-△久保利明王将戦は、久保王将がいったん四間飛車に振ってから角交換して向かい飛車に構え、さらに手損しながらも低い陣形を保つ。戦いが始まると一直線の寄せ合いに進み、自然に駒得を果たした糸谷八段が手勝ちを収めている。

5組

○藤森哲也四段-●大平武洋六段

昇級者決定戦が始まった。▲藤森哲也四段-△大平武洋六段戦は4七銀型対6三銀型の相矢倉に進む。大平六段が仕掛けて矢倉戦らしい盤面全体を使った攻め合いになり、最後は難解な終盤戦から藤森四段が長手数の即詰みに討ち取っている。勝った藤森四段は規定により、五段に昇段した。

6組

○中島灯希アマ-●近藤正和六段

ランキング戦が進行中。東和男八段、島本亮五段と関西本部所属棋士を連破した中島灯希アマを、東京で近藤正和六段が迎え撃つ。後手の近藤正六段が向かい飛車に振ると、中島アマは角交換して同じく向かい飛車の相振り飛車で戦った。近藤正六段が有望な終盤戦だったが、中島アマに飛車を捨てる鋭い寄せを喫して敗れている。

王位戦

挑戦者決定リーグ

○木村一基八段-●山崎隆之八段

紅組の1局が消化された。▲木村一基八段-△山崎隆之八段戦は、相飛車から木村八段が早々に▲6六歩と角道を止めると、5筋の突き合いから山崎八段が△5五歩と歩を交換して矢倉模様に進める。攻める展開に持ち込んだ木村八段が、山崎八段の反撃を許さずに押し切った。紅組のリーグ成績は以下のとおり。

【2勝0敗】木村八段
【1勝0敗】広瀬章人八段、澤田真吾六段
【0勝1敗】阿部隆八段、阿久津主税八段
【0勝2敗】山崎八段。

王位戦挑戦者決定リーグ

王座戦

二次予選

●先崎学九段-○田村康介七段
○鈴木大介九段-●深浦康市九段
○久保利明王将-●澤田真吾六段
○青嶋未来五段-●森内俊之九段

各ブロックが佳境を迎えている。▲先崎学九段-△田村康介七段戦は矢倉の出だしから、田村七段が早々に5筋の歩を突っかけ、飛車を5筋に回った。攻め合いから受ける展開になった田村七段は、自玉を安全にして反撃に移ると素早く寄せている。

▲鈴木大介九段-△深浦康市九段戦は鈴木九段の先手中飛車に、深浦九段が角道を開けないまま袖飛車にして対抗した。鈴木九段は深浦九段の陣形の不備を突いて攻める展開に持ち込み、夕食休憩前に押し切っている。

▲久保利明王将-△澤田真吾六段戦は久保王将の中飛車に始まり、地下鉄飛車にして▲1九飛を実現。機を見て1筋に手をつけると、片銀冠の堅陣を生かして一気に攻め倒した。

▲青嶋未来五段-△森内俊之九段戦は相矢倉から、青嶋五段が工夫した手順で1歩を手持ちにしてペースをつかんだ。森内九段が猛追して逆転模様だったが、青嶋五段がからくも逃げ切っている。

先週勝った広瀬章人八段に続いて田村七段、鈴木九段、青嶋五段がそれぞれ挑戦者決定トーナメントに進出し、久保九段はブロック決勝に駒を進めた。

王座戦予選

棋王戦

予選

○藤井聡太四段-●大橋貴洸四段
●小林裕士七段-○菅井竜也七段

第42期五番勝負に並行して各ブロックが進行中。藤井聡太四段と大橋貴洸四段、昨年10月昇段の同期による対決は、大橋四段の後手三間飛車に藤井聡四段が居飛車穴熊で対抗し、大駒をすべて渡して攻めかかる。大橋四段に反撃を見せつつ受けきりを狙う手段があったが、最後は藤井聡四段が攻めをつなげて寄せきった。

▲小林裕士七段-△菅井竜也七段戦は菅井七段が三間飛車から角交換して向かい飛車に振り直し、互いに銀冠に組む。戦いが始まると駒を取り合う激しい展開に進み、より厳しい攻撃を見せた菅井七段が手勝ちを収めた。

棋王戦予選

棋聖戦

決勝トーナメント

●松尾歩八段-○糸谷哲郎八段
●千田翔太六段-○郷田真隆九段

1回戦が進行中。▲松尾歩八段-△糸谷哲郎八段戦は相掛かりから、糸谷八段がいったん切った飛車先に歩を合わせて横歩を取る。四段目に構えた飛車を巧みにさばくと、松尾八段の反撃を許さずに攻め勝った。▲千田翔太六段-△郷田真隆九段戦は角換わりになり、千田六段が3八銀型から▲4五桂と跳ねる速攻を見せる。郷田九段は跳ねてきた4五の桂を負担にさせることに成功し、手勝ちを見切って制勝した。

棋聖戦決勝トーナメント

王将戦

一次予選

●宮田利男八段-○阿部光瑠六段
○村田顕弘五段-●船江恒平六段
●中田功七段-○豊川孝弘七段
●加藤一二三九段-○黒沢怜生五段

各ブロックが進行中。▲宮田利男八段-△阿部光瑠六段戦は宮田利八段の矢倉に対し、阿部光六段が右四間飛車にはせずに左美濃急戦を挑む。宮田利八段は手に乗って厚みを築いてペースをつかんだが、阿部光六段の必死の手作りから網を突破されて投了に追い込まれた。

▲村田顕弘五段-△船江恒平六段戦は先手三間飛車から、互いに玉の囲いもそこそこに戦いが始まる。村田顕五段が先手先手で攻撃を繰り出し、船江六段の反撃をかわして寄せきった。

▲中田功七段-△豊川孝弘七段戦は序盤早々に中田功七段が筋違い角を放ち、3四の歩を取ってから向かい飛車に構えると、豊川七段は2二玉型の左美濃に組んだ。ねじり合う中で中田功七段は豊川七段の玉を裸にして迫るが、駒を自陣に投資して攻撃力が足りず、最後は力尽きた。

▲加藤一二三九段-△黒沢怜生五段戦は、黒沢五段の四間飛車に加藤九段が得意の棒銀で急戦を仕掛ける。黒沢五段が難解な中盤戦を抜け出し、切れない攻撃形を築いて攻め倒した。

王将戦一次予選

【AbemaTV特別企画】炎の七番勝負(非公式戦)

第3局

○藤井聡太四段-●斎藤慎太郎七段

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14歳2ヵ月で史上最年少棋士となった藤井聡太四段がトップ棋士や若手棋士代表格に挑む【AbemaTV特別企画】藤井聡太四段 炎の七番勝負~New Generation Story~の全7局が、放送と同時に独自解説をつけてモバイル中継される。

1勝1敗で迎えた第3局は、今期B級2組順位戦で1位昇級を果たした斎藤慎太郎七段との対戦。振り駒で後手になった斎藤七段は、第2局で勝った永瀬六段同様にゴキゲン中飛車を採用し、藤井聡四段が同じく超速▲3七銀戦法から繰り出した銀で3四の歩を取る変化に進んだ。

斎藤七段が用意の手順を披露して指せそうな局面にするも、藤井聡四段は驚きの銀使いを見せ、ねじり合いに持ち込むとリードを奪って押し切っている。七番勝負はこれで藤井聡四段の2勝1敗になった。七番勝負は今後も毎週日曜日の19時から放送、中継される。

トピック

2016年度はまだ終わっていませんが、この一年のタイトルの動きを順に振り返ります(称号、段位はすべて当時)。

名人戦は1期目のA級順位戦を制した佐藤天彦八段が、羽生善治名人に挑戦。初戦は落としたものの、そこから怒涛の4連勝で、タイトル戦登場3回目にして初戴冠を果たしました。タイトルを1つ減らした羽生三冠は、続けざまに棋聖戦五番勝負で永瀬拓矢六段、王位戦七番勝負で木村一基八段の挑戦を受けます。いずれも星を1つリードされてカド番に立たされましたが、両タイトルともに最終2戦をそれぞれ連勝して防衛に成功。さらに王座の防衛戦と続き、糸谷哲郎八段の挑戦を3連勝のストレートで退けました。

竜王戦は渡辺明竜王に丸山忠久九段が挑戦することになり、棋聖戦、王位戦に続くフルセットの熱戦が展開され、渡辺明竜王が4勝3敗で防衛しました。年が明けて王将戦は郷田真隆王将が久保利明九段を挑戦者に迎え、開幕3局で郷田王将をカド番に追い込んだ久保九段が、第6局でタイトル奪取を果たしました。

今年2月に始まった棋王戦五番勝負は、トップニュースのとおり、渡辺明棋王、挑戦者の千田翔太六段ともに相譲らず、2勝2敗で最終第5局の決着を待ちます。

女流棋戦では、マイナビ女子オープンで加藤桃子女王が、室谷由紀女流二段の挑戦を3勝1敗で退けました。女流王位戦五番勝負、霧島酒造杯女流王将戦三番勝負(モバイル中継なし)は、いずれもタイトルを持つ里見香奈女流四冠がそれぞれ岩根忍女流三段、香川愛生女流三段の挑戦を受け、両タイトルともストレート防衛を果たしています。

里見香女流四冠は続いて女流王座戦五番勝負で加藤女流王座に挑戦しました。並行して大山名人杯倉敷藤花戦で室谷女流二段の挑戦を受けるスケジュールです。2勝1敗で倉敷藤花のタイトルを逆転防衛すると、5日後にはストレート決着で女流王座のタイトルを奪取、女流五冠に復帰しました。年が明けて岡田美術館杯女流名人戦五番勝負は里見香女流名人に上田初美女流三段が挑戦。上田女流三段が開幕2連勝と押し込みましたが、里見香女流名人がカド番をしのぎ続けて逆転防衛に成功しました。

年度が明けて4月になると、佐藤天名人に稲葉陽八段が挑戦する名人戦七番勝負、加藤女王に上田女流三段が挑戦するマイナビ女子オープン五番勝負、里見香女流王位に伊藤沙恵女流二段が挑戦する女流王位戦五番勝負が相次いで開幕し、新しい一年のタイトル戦が進んでいきます。(飛龍記者)

*写真は棋王戦中継ブログより引用。

日本将棋連盟モバイル編集局

ライター日本将棋連盟モバイル編集局

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