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里見香奈が見せた2つの長考。第2局前夜祭で、長時間悩んだメニューとは?【リコー杯女流王座戦振り返り】

里見香奈が見せた2つの長考。第2局前夜祭で、長時間悩んだメニューとは?【リコー杯女流王座戦振り返り】

更新: 2017年02月16日

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里見香奈が3年ぶりに女流王座に復位した第6期リコー杯女流王座戦。五番勝負の模様を2回にわけて振り返っていきたいと思います。

広島開催

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2016年8月にシェラトングランドホテル広島を下見したときの筆者。撮影:常盤秀樹

五番勝負の第1局は広島市のシェラトングランドホテル広島で行われました。実は広島市でタイトル戦が開催されるのは、意外なことにここ10年以上ありません。映画「聖の青春」とコラボレーションし、広島市で開催したいと考えたのが3月頃。広島に下見に行き、対局ができそうな会場の候補先を何件かまわりましたが、どれもしっくりこず。帰る間際に立ち寄ったのが、ここです。

和室はありませんでしたが、(※最近のホテルは和室が少なく、あっても照明が暗くて対局に適さないことが多い)宴会場の一室で天井が高く、防音も行き届いていて、何より大きな窓から広島駅前を見渡されるのが決め手となりました。

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第6期リコー杯女流王座戦五番勝負第1局、対局室に入室する里見女流四冠(当時)。撮影:常盤秀樹

第1局は、広島カープが日本シリーズを戦っている真っ最中。広島の街もカープ一色でした。特に前夜祭が行われた日は黒田博樹投手の現役最後の登板と重なり、前夜祭が終わった後に糸谷哲郎八段の案内で繁華街に出掛けたのですが、店の外までテレビを見ている人達で溢れかえっていました。

里見の長考1

第1局で、印象に残ったのはなんといっても里見女流四冠の64手目△4六馬(図)です。

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この一手に里見が費やした時間はなんと61分!3時間の持ち時間では極めて異例です。加藤女流王座、里見女流四冠は二人ともとても暑がりで、対局室はスーツを着ていても涼しいぐらいなのですが、局面が緊迫してくると、二人とも袖をまくり上げ、扇子で風を送りながら盤面に集中しています。第3期で両者が戦った時は、加藤女流王座から「暑苦しい対局で申し訳ありません」とのコメントも。この61分の間、里見女流四冠は盤に吸い込まれるような姿勢でまさに盤上没我。「潜る」という言葉がぴったりでした。

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第1局終局後の模様。写真左に写っているのが筆者。撮影:常盤秀樹

将棋はこの△4六馬を境に里見女流四冠が、優位に立ち、先勝しました。

里見の長考2

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第2局前夜祭での両対局者。撮影:夏芽(中継ブログより)

第2局は、大阪の料亭芝苑で開催。女流王座戦過去6回のうち、5回は大阪で開催しています。前夜祭は昨年に引き続き関西将棋会館からもほど近い、ウェスティンホテル大阪で開催しました。対局者は翌日の対局に備えて、途中で中座してホテルのルームサービスで食事をとるのですが、選択肢が多く、里見女流四冠が大長考。対局さながらの真剣な表情でメニューをペラペラとめくり考えていました。後日、「何にしたのですか?」と聞いたところ。「カレーです」と答える里見女流四冠に、「え、カレー!?」と思わず叫んでしまいました。

「ホテルのカレーはおいしそうだったので」と笑いながら答える里見女流四冠でした。

次回は、第2局から振り返ります。

馬上勇人

ライター馬上勇人

リコー将棋部 五段。第16回全国オール学生将棋選手権で優勝。趣味はフットサルで、将棋連盟フットサル部所属。

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