将棋コラム

王将戦はカド番の郷田王将がシリーズ初白星。三浦九段復帰戦、VS羽生三冠の結果は?【2月13日~19日の中継結果まとめ】

王将戦はカド番の郷田王将がシリーズ初白星。三浦九段復帰戦、VS羽生三冠の結果は?【2月13日~19日の中継結果まとめ】

更新: 2017年02月20日

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日本将棋連盟モバイルにおける2月13日~19日の中継局の結果をまとめてお伝えします。棋王戦と王将戦、タイトル戦はタイトルホルダーがともに1勝目を挙げました。

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王将戦第4局、カド番の郷田王将が1勝を返す

●久保利明九段-○郷田真隆王将

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挑戦者の久保利明九段が開幕3連勝とし、郷田真隆王将をカド番に追い込んでいる第66期王将戦七番勝負。第4局が13日(月)から14日(火)にかけて、岡山県小田郡矢掛町にある「矢掛屋」の備中屋長衛門で行われた。先手の久保九段は3手目に▲1六歩と突き、5筋位取り中飛車に構える。郷田王将が先手だった第1局から先後を入れ替えた形に▲1六歩が入り、17手目まではその間に指された両者のB級1組順位戦の将棋とも同じ序盤だった。郷田王将が18手目に△5二金右として前例を離れ、しばらく進んで飛車の捕獲を見せると、久保九段は飛車切りを視野に強気に応じる。対して郷田王将が2時間40分の長考で指し手を封じるという、異例の経過をたどった。2日目に入ると郷田王将は7筋を、久保九段は6筋を、まったく引かずに一直線に攻め合う。結局は郷田王将が少しずつリードを保ち、押し切って待望のシリーズ初白星を挙げた。対戦成績は郷田王将の1勝3敗となり、第5局は3月1日(水)から2日(木)にかけて、新潟県佐渡市の「佐渡グリーンホテルきらく」で行われる。

棋王戦第2局、渡辺明棋王が勝って1勝1敗のタイに

○渡辺明棋王-●千田翔太六段

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渡辺明棋王(竜王)に千田翔太六段が挑戦する第42期棋王戦五番勝負は千田六段の先勝を受け、第2局が18日(土)、石川県金沢市の「北國新聞会館」で行われた。渡辺明棋王の先手で▲7六歩△3二金に始まり、局面は矢倉に進む。ともに金矢倉に入城し、互いの角が4六と6四でにらみ合う先後同型からの▲6四角に△同歩が新しい対応。数手後に渡辺明棋王に疑問手が出た可能性が指摘されており、千田六段がペースをつかむ。寄せ合いで千田六段に有望な手段があったが、それを逃すと渡辺明棋王が体を入れ替え、手堅く勝ちきった。第3局は3月5日(日)、新潟県新潟市の「新潟グランドホテル」で行われる。

竜王戦

1組

●三浦弘行九段-○羽生善治三冠

ランキング戦が進行中。三浦弘行九段は不正問題に巻き込まれたが、結局は不正なしとして公式戦に復帰した。その初戦が羽生善治三冠とのランキング戦1回戦。羽生三冠の先手で矢倉の出だしから、三浦九段の左美濃急戦に進んだ。羽生三冠は居玉のまま駒組みを工夫し、桂得対三浦九段のと金の構図に持ち込む。難しいねじり合いの末、最後は羽生三冠が抜け出した。

2組

●永瀬拓矢六段-○真田圭一八段

ランキング戦が進行中。▲永瀬拓矢六段-△真田圭一八段戦は角換わりで互いに右金を立ち、下段飛車の形に組む。永瀬六段は真田八段が△7二金~△6二玉と構えたところ、2筋から開戦。飛車を成り込んだが、真田八段が厳しく反撃を決めて押し切った。

6組

○田中悠一五段-●加藤桃子女王
●都成竜馬四段-○平藤眞吾七段

ランキング戦が進行中。▲田中悠一五段-△加藤桃子女王戦は田中悠五段の5筋位取り中飛車から相穴熊に進む。加藤女王は組み合ってからの折衝でリードを奪うものの、自陣に打った桂を生かす好手を田中悠五段に許して逆転負けを喫した。▲都成竜馬四段-△平藤眞吾七段戦は都成四段が5筋位取り中飛車から穴熊に組み、平藤七段が銀冠で対抗。玉頭の勢力争いで厚みを築いた平藤七段が押し切っている。

順位戦(カッコ内はリーグ順位)

B級1組

○久保利明九段-●丸山忠久九段
●阿久津主税八段-○郷田真隆王将

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©名人戦棋譜速報

12回戦が行われた。勝てば昇級が決まる久保利明九段は、降級の目が残る丸山忠久九段と対戦。初手▲7八飛から角交換後に向かい飛車に振り直し、▲8五桂と仕掛ける。△8五同飛で桂得となった丸山九段は長考を重ねて1筋を攻めるも、1五に走った香を取りきられた。久保九段は逆に駒得する展開から優位を拡大して押し切り、1期でのA級復帰を決めている。自力昇級の目を持つ阿久津主税八段は、暫定順位が最下位の郷田真隆王将を相手に、後手を持って横歩取り8五飛戦法で戦う。阿久津八段は△2八角と打ち込んで馬作りを見せ、手番を得て攻める郷田王将は2筋に竜を作る。激しい寄せ合いが展開され、郷田王将が手勝ちを収めた。他の対局の結果、阿久津八段の昇級は他力となり、郷田王将は自力残留の目を獲得している。リーグ成績は以下のとおり。

【8勝3敗】久保九段(2)=昇級、山崎隆之八段(10)
【7勝4敗】豊島将之七段(6)、阿久津八段(9)
【7勝5敗】木村一基八段(5)
【6勝5敗】橋本崇載八段(4)、糸谷哲郎八段(12)
【5勝6敗】松尾歩八段(3)、谷川浩司九段(8)
【4勝7敗】丸山九段(7)
【3勝8敗】郷田王将(1)、畠山鎮七段(11)、飯島栄治七段(13)

残る1枠の昇級争いは山崎八段、豊島七段、阿久津八段の3人に絞られた。また、丸山九段は残留が決まり、3勝8敗の3人のうちの2人が降級する。

王座戦

二次予選

●増田康宏四段-○森内俊之九段
○田村康介七段-●村山慈明七段

各ブロックが進行中。▲増田康宏四段-△森内俊之九段戦は相掛かりから、森内九段が飛車先を交換して飛車を8二に引くと、増田康四段は時間差で飛車先を切って▲3四飛と横歩を取った。森内九段が1筋から機敏に仕掛けて主導権を握り、緩みなく押し切っている。▲田村康介七段-△村山慈明七段戦は相掛かりで、角がにらみ合ったまま相腰掛け銀に進む。田村七段は安定した玉形から9筋を攻め、村山七段の薄い右玉を攻略した。

王座戦二次予選

王将戦

第67期一次予選

○島本亮五段-●桐山清澄九段
●都成竜馬四段-○星野良生四段

第66期七番勝負が進行するなか、先月下旬から第67期の一次予選が始まっている。各ブロックが進行中。▲島本亮五段-△桐山清澄九段戦は横歩取りの出だしから、島本五段が飛車先の歩を切らずに▲7七金と立った。以下、飛車を5筋に回った桐山九段が島本五段の浮き飛車を9六に隠居させてペースをつかむも、攻めを余す展開で島本五段が勝っている。▲都成竜馬四段-△星野良生四段戦は都成四段の四間飛車に、星野四段が角道を開けずに1筋の位を取って対抗。星野四段は都成四段が仕掛けたタイミングで角道を開け、余す展開から最後は厳しく反撃して寄せきった。

王将戦一次予選

棋聖戦

二次予選

○屋敷伸之九段-●佐々木勇気五段
○千田翔太六段-●稲葉陽八段
○松尾歩八段-●中村太地六段
○広瀬章人八段-●戸辺誠七段
○深浦康市九段-●佐藤天彦名人

各ブロックが佳境を迎え、残る戦いはすべてブロック決勝となっている。最初に二次予選突破が決まったのが▲屋敷伸之九段-△佐々木勇気五段戦で、屋敷九段の片矢倉に佐々木勇五段の総矢倉の矢倉戦に進む。屋敷九段が仕掛け、佐々木勇五段が反撃という攻め合いになり、屋敷九段が手勝ちを収めた。▲千田翔太六段-△稲葉陽八段戦は初手▲7八金からの横歩取りで、▲3四飛△3三角▲3六飛に△6二玉の進行を経て稲葉八段が片銀冠に囲う。千田六段は下段飛車を8筋に回って戦い、稲葉八段が攻め合いの順を逃すと、千日手筋を打開して攻め勝った。▲松尾歩八段-△中村太地六段戦は、矢倉模様の出だしから力戦の相居飛車に進み、互いに居玉のまま戦いが始まる。駒得を果たして優位に立った松尾八段は緩手から中村太六段に迫られるも、逆転を許さずに押し切った。▲広瀬章人八段-△戸辺誠七段戦は、戸辺七段のゴキゲン中飛車対広瀬八段の超速▲3七銀戦法から、広瀬八段が押さえ込みを見せて戸辺七段に飛車切りを強要する。優勢になった広瀬八段は、緩急自在の指し回しを見せて制勝した。▲深浦康市九段-△佐藤天彦名人戦は角換わりで互いに右金を立ち、下段飛車に構える最新形に進む。盤面全体を使った戦いが始まるとトップ棋士同士らしい難解なねじり合いが続き、最後は深浦九段が抜け出した。勝者5人は決勝トーナメントに進出。二次予選はさらに4局のブロック決勝を残す。

棋聖戦二次予選

新人王戦

○近藤誠也四段-●伊藤沙恵女流二段
○甲斐日向奨励会三段-●佐々木勇気五段

トーナメントが進行中。▲近藤誠也四段-△伊藤沙恵女流二段戦は変則的な矢倉の出だしから、伊藤女流二段が歩損の代償に馬を作る。近藤誠四段は持ち歩の多さを生かして攻撃態勢を築き、伊藤女流二段の反撃を許さずに攻め倒した。▲甲斐日向奨励会三段-△佐々木勇気五段戦は、角換わり腰掛け銀の最新形ともいえる形に進む。戦いが始まると佐々木勇五段に指しやすい変化があったが、実戦では先手陣に打ち込んだ角を取られてしまい、甲斐三段が手堅くまとめて勝利を収めた。

新人王戦

マイナビ女子オープン

本戦

○里見香奈女流五冠-●甲斐智美女流五段

準決勝の2局目、▲里見香奈女流五冠-△甲斐智美女流五段戦は里見香女流五冠の先手位取り中飛車に甲斐女流五段が居飛車穴熊で対抗。里見香女流五冠は左銀を手早く6五に進出し、甲斐女流五段の動きに乗じて駒得したうえ、一方的に竜を作る。甲斐女流五段は決め手を与えずに粘って嫌みをつけるも、最後は里見香女流五冠が即詰みに討ち取った。勝った里見香女流五冠は、加藤桃子女王への挑戦者を決める決勝を上田初美女流三段と戦う。

マイナビ女子オープン本戦

トピック

三浦弘行九段の復帰後の第1戦は、自身の43歳の誕生日、13日(月)に東京・将棋会館の特別対局室で行われた第30期竜王戦1組ランキング戦の対羽生善治三冠戦になりました。昨年来、藤井聡太四段による最年少四段昇段記録の更新、加藤一二三九段による最年長対局記録、最年長勝利記録の更新、さらにその両者による最長年齢差対局の更新など、将棋界は記録ラッシュで広く一般報道もなされています。今回の▲羽生-△三浦戦は、報道陣が対局室に入りきらないほど詰めかけました。この点もまた、珍しい記録として残りそうです。(飛龍記者)

*写真は、王将戦中継ブログ棋王戦中継ブログ名人戦棋譜速報より引用。

日本将棋連盟モバイル編集局

ライター日本将棋連盟モバイル編集局

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