ライター日本将棋連盟モバイル編集局
【11月28日~12月4日の中継結果まとめ】渡辺明竜王が竜王戦の防衛まであと1勝!女流名人戦は上田女流三段が挑戦者に決定
ライター: 日本将棋連盟モバイル編集局 更新: 2016年12月05日
日本将棋連盟モバイルにおける11月28日~12月4日の中継局の結果をまとめてお伝えします。
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竜王戦七番勝負、渡辺が勝って防衛まであと1勝
1日(木)から2日(金)にかけて、渡辺明竜王に丸山忠久九段が挑戦する第29期竜王戦七番勝負第5局が北海道函館市の「HAKODATE 海峡の風」で行われた。丸山九段の先手で▲2六歩△8四歩の出だしから、戦型は横歩取りに進む。第3局同様にスローペースとなり、2日目の午後に入ってから戦いが始まった。終盤までアヤのある展開で、最後は持ち時間を残した渡辺明竜王が抜け出し、タイトル防衛まであと1勝としている。
女流名人戦
女流名人リーグ最終9回戦が28日(月)に一斉に東京・将棋会館で指された。8回戦終了時点で6勝2敗とトップに立っていた上田初美、香川愛生両女流三段は、それぞれ伊藤沙恵女流二段、中井広恵女流六段(フリー棋士)と対戦。上田女流三段が相居飛車の力戦形の将棋を制し、2敗勢の間では先んじて勝ち名乗りを挙げる。その頃、香川女流三段は自身の先手中飛車から相穴熊で苦戦を強いられており、やがて駒を投じた。その結果、7勝2敗で上田女流三段のリーグ優勝が決定。
叡王戦決勝三番勝負開幕、佐藤天が先勝
佐藤天彦九段(名人)と千田翔太五段が戦う第2期叡王戦決勝三番勝負は4日、沖縄県名護市の万国津梁館で開幕。振り駒の結果、先手は千田五段となり、序盤から前例のない形に誘導した。互いに玉を囲わず、初手から30手ほどで飛車交換に。佐藤天九段が中段に竜を作ってから流れは一転して穏やかになり、コンピューターソフトが指しているのではないかと思わせるような、1手1手の意味がそれぞれ深い展開になった。最後は佐藤天九段が優位を拡大し、切れ味鋭く寄せきっている。
王位戦
予選
○澤田真吾六段-●橋本崇載八段
○阿部隆八段-●中田功七段
各ブロックが進行中。▲澤田真吾六段-△橋本崇載八段戦は横歩取らずの相掛かり、▲阿部隆八段-△中田功七段戦は先手居飛車穴熊対後手三間飛車となった。澤田六段、阿部隆八段がそれぞれ制し、ともに予選突破まであと1勝と迫る。次戦の相手は阿部隆八段が安用寺孝功六段。澤田六段は都成竜馬四段。
棋王戦
挑戦者決定トーナメント
●森内俊之九段-○佐藤天彦名人
●佐々木勇気五段-○千田翔太五段
勝者組の決勝と敗者復活戦の1回戦が同日に行われた。敗者復活戦の1回戦は▲森内俊之九段-△佐藤天彦名人戦。横歩取りで佐藤天名人は飛車を8六に置いたまま△2二銀と上がって8五飛戦法を匂わすが、森内九段が定跡手順を外し、結局は8四飛型に進む。先手は中住まいの金開き、後手は△6二銀から中原囲いという、やや懐かしい形になった。結果は中盤で抜け出した佐藤天名人の勝ち。勝者組の決勝は22歳の若手同士のフレッシュな顔合わせ、▲佐々木勇気五段-△千田翔太五段戦で、相掛かりに進んだ。互いに飛車先交換を保留する序盤から、類似例の少ない展開へと進む。駒がぶつかると一気に激しい終盤戦に突入し、千田五段が読み勝った。千田五段は決勝二番勝負に進出。挑戦まであと1勝とし、敗れた佐々木勇五段と敗者復活戦1回戦を勝った佐藤天名人による、敗者復活戦決勝の勝者を待ち受ける。
棋聖戦
二次予選
○稲葉陽八段-●菅井竜也七段
○山崎隆之八段-●村田顕弘五段
●藤井猛九段-○深浦康市九段
各ブロックが進行中。▲稲葉陽八段-△菅井竜也七段の同門対決は角換わり腰掛け銀から、先手の稲葉八段が一方的に攻め倒して14時台前半に終局した。▲山崎隆之八段-△村田顕弘五段戦は後手の向かい飛車。後手玉の安定しない形から先手の山崎八段が積極的に仕掛け、ペースを握って押し切っている。▲藤井猛九段-△深浦康市九段戦は藤井九段の先手中飛車から角交換に進む。藤井九段が1筋からの飛車を使った攻めで優位を築いたが、相手の粘りを許し、最後は逆転で深浦九段が制した。
朝日杯将棋オープン戦
二次予選
○丸山忠久九段-●三枚堂達也四段
○丸山忠久九段-●窪田義行七段
●高崎一生六段-○行方尚史八段
○木村一基八段-●中村修九段
●木村一基八段-○行方尚史八段
各ブロックが進行中。Eブロックでは丸山忠久九段が三枚堂達也四段、窪田義行七段を順に破り、二次予選突破第1号として本戦トーナメント進出を決めている。Dブロックでは、午前中にそれぞれ中村修九段を破った木村一基八段と高崎一生六段を破った行方尚史八段がブロック決勝を戦い、行方八段が勝って丸山九段に続いた。
新人王戦
第48期トーナメント
○渡辺和史三段-●西山朋佳三段
第47期で増田康宏四段が優勝した余韻も束の間、第48期がすでに始まっている。女流棋士でなく、女性で初めて奨励会員としての参加枠で出場した西山朋佳三段は、渡辺和史三段と対戦した。西山三段の三間飛車に渡辺和三段が居飛車で銀冠の対抗となる。際どい終盤戦を迎え、好手順を見せた渡辺和三段が競り勝った。
トピック
叡王戦決勝三番勝負の第1局が沖縄県名護市の万国津梁館で指されました。万国津梁館は沖縄屈指の景勝地とされる部瀬名(ブセナ)岬にあるブセナリゾートの施設です。国際会議や学会の会場として、あるいは結婚式場としても利用されており、2000年7月には九州・沖縄サミット首脳会合が開催されました。プロの棋戦が沖縄県で開かれるのは今世紀2局目。1局目は2001年10月の第49期王座戦五番勝負第3局、▲羽生善治王座-△久保利明七段戦(段位は当時)にまで遡り、15年ぶりとなります。そのときの対局場、ザ・ブセナテラスはブセナリゾート内にあるホテルで、今回の関係者も宿泊しました。1999年1月には第25期女流名人位戦五番勝負第2局、▲清水市代女流名人(肩書きは当時)-△碓井涼子女流二段(現千葉涼子女流四段)戦が、沖縄本島を離れた宮古島市の「ホテルアトールエメラルド宮古島」で、1990年12月に第6回天王戦決勝▲森下卓六段-△阿部隆五段戦(いずれも段位は当時)が那覇市の「ハーバービューホテル」でそれぞれ行われています。(飛龍記者)
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