藤井七段が銀河戦勝利、佐々木勇七段が竜王戦決勝T進出、AbemaTV豊島竜王・名人VS三浦九段戦など4月下旬の注目対局を格言で振り返る

藤井七段が銀河戦勝利、佐々木勇七段が竜王戦決勝T進出、AbemaTV豊島竜王・名人VS三浦九段戦など4月下旬の注目対局を格言で振り返る

ライター: 渡部壮大  更新: 2020年05月08日

ウィルスの影響により遠征ができない状況が続いています。対局数も減っていますが、4月下旬の対局を振り返っていきましょう。

第13期マイナビ女子オープン五番勝負第2局

【第1図は△1三玉まで】

第1図は第13期マイナビ女子オープン五番勝負第2局(▲西山朋佳女王△加藤桃子女流三段)。挑戦者が先勝し迎えた第2局。先手優勢でしたが後手が猛追して際どい局面です。後手玉は詰まず、先手玉は△3八とから危険な状況ですが、▲2五銀が「敵の打ちたいところに打て」です。ここに銀を置いておくことにより、▲1七玉~▲2六玉の時に先手玉が安全になっています。以下も攻防手を続けた先手が玉頭戦を制し逃げ切っています。

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第33期竜王戦ランキング戦2組

【第2図は▲3二銀まで】

第2図は第33期竜王戦ランキング戦2組(▲松尾歩八段△佐々木勇気七段)。後日の千日手指し直しで注目を集めた本局です。先手が勝ち筋を逃し混戦になったところです。図の▲3二銀は「玉の腹から銀を打て」ですが、△1三玉が「玉の早逃げ8手の得」です。以下はギリギリのしのぎで駒を蓄え、鮮やかな即詰みを見せた後手が逆転勝ちを収めています。佐々木七段が決勝トーナメント進出です。

第70期王将戦一次予選

【第3図は▲6四角成まで】

第3図は第70期王将戦一次予選(▲本田奎五段△佐々木大地五段)。棋王戦挑戦者決定戦をはじめ、この一年各種棋戦で激突している両者です。ここで△6三歩が「大駒は近付けて受けよ」です。▲同馬に△5二金▲5四馬△5三歩で先手を取りながらキズを消すことに成功しました。以下も熱戦が続きましたが、佐々木五段がライバル対決を制しています

第28期銀河戦本戦Cブロック8回戦

【第4図は▲2四馬まで】

第4図は第28期銀河戦本戦Cブロック8回戦(▲森内俊之九段△藤井聡太七段)。遠征のできない関係で4月下旬は対局のなかった藤井七段ですが、収録済の銀河戦が放映されました。急戦矢倉からお互いに玉の薄い攻め合いです。しかし先手陣は「玉飛接近すべからず」の弱点を抱えています。△4七金▲6八飛△3八歩成の「と金の遅早」が厳しく、後手が競り勝っています。

第3回AbemaTVトーナメント予選Aリーグ

【第5図は▲7七玉まで】

第5図は第3回AbemaTVトーナメント予選Aリーグ(▲豊島将之竜王名人△三浦弘行九段)。予選Aリーグからいきなりプレーオフとなり、勝った方が予選通過となる一局です。次に▲2三金や▲4三馬を喫すると受けがなくなってしまいます。しかし△3二玉▲4二金△2三玉▲4三馬△3九飛成▲3五歩△1四玉が「中段玉寄せにくし」のしのぎで、後手が攻めを余すことに成功しました。

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注目対局プレイバック

渡部壮大

ライター渡部壮大

高校生でネット将棋にハマって以来、趣味も仕事も将棋な人。
将棋の月刊誌、週刊紙、書籍などの編集部に在籍経験あり。
アマチュア大会の最高成績は全国ベスト16だが、もう少し上に行けないかと日々努力中。

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高崎一生

監修高崎一生七段

棋士・七段
1987年生まれ、宮崎県日南市出身。2005年10月に四段。(故)米長邦雄永世棋聖門下。 攻める棋風を持ち味としている振り飛車党。
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