△2五同歩に▲3四歩はうまくいかない?矢倉における4六銀、3七桂型から攻め方を学ぼう【第53回 矢倉の崩し方】

△2五同歩に▲3四歩はうまくいかない?矢倉における4六銀、3七桂型から攻め方を学ぼう【第53回 矢倉の崩し方】

ライター: 一瀬浩司  更新: 2018年09月07日

矢倉の崩し方

今回のコラムも、矢倉における4六銀、3七桂型から攻めていく指し方を解説していきます。それでは第1図です。

【第1図は▲2五歩まで】

いま、先手が▲2五歩と突いた局面です。前々回のコラムでは第1図から後手が△3五歩と取った手に対し、▲2四歩と取り込みましたが、△3六歩▲2五桂△2四銀▲2八飛△2三歩となって先手失敗となりました。

前回のコラムでは、△3五歩に▲同銀と取り、△3六歩で桂は殺されてしまいますが、▲2四歩△3七歩成▲同飛と進めれば、桂損となったものの▲3四歩が厳しく残って先手よしになりました。

第1図からの△3五歩は先手よしということでしたので、今回は△2五同歩と取る手を見ていきましょう。せっかく3筋の歩がぶつかっているので、まずは▲3四歩と取り込んでみます。しかしこれは△3四同銀と応じられるとどうでしょうか。▲3五歩と打っても2三の歩が進んでいますので、△2三銀(第2図)と引いて後手はなんともありません。

【第2図は△2三銀まで】

4六の銀の活用プランも見えず、△2六歩と伸ばす手や△3六歩などがいつでもあり、3筋に位を張ったものの、3四へ打ち込む駒もなくこれでは先手失敗です。それでは、▲3四歩△同銀に▲3五銀とぶつけていくのはどうでしょうか? 今度△2三銀なら▲2四歩△1二銀▲2五桂(第3図)でこれは先手圧勝形になりますね。

【第3図は▲2五桂まで】

第3図からは▲1四歩△同歩▲1三歩が厳しい(△同桂は▲同桂成△同銀▲3四桂、△同銀は▲同桂成△同香▲2三銀)ですし、いきなり▲1三桂成と突っ込んで、△同銀でも△同桂でも▲1四歩が厳しい突き出しになります。もちろん、こうはなるわけがありません。▲3五銀には当然後手は△同銀と取ってきますね。▲3五同角で銀交換になって、通常は攻めの銀と守りの銀の交換に成功した先手よしとなるはずです。ただし、この局面はやや先手の形があまりよくありません。例えば、△3四銀と打って▲6八角△3六歩(第4図)とされると、先手の桂は助かりません。

【第4図は△3六歩まで】

第4図から▲3五歩と打っても△2三銀なら▲2五桂△2四歩▲1三桂成と暴れていけますが、△3七歩成と桂を取られると▲同飛は△2三銀で桂損、▲3四歩は△3八とで銀と飛車桂の交換となってさすがに駒損がひどく攻めきれませんね。△3四銀では△2七銀と打つ手もあります。▲5八飛は△3六銀成が角桂両取りになりますし、▲3九飛も△3六銀成▲6八角△3八歩▲同飛△4七成銀▲3九飛△3八歩▲2九飛△3七成銀▲2五飛△2三歩でこれも桂を取りきられてしまいますね。ただし、後手としては3八に歩を打った形がよくなく、第4図に進めるほうがまさります。

また、第1図から▲3四歩△同銀▲3五銀にすぐ△3六歩(第5図)と打つ手もあります。

【第5図は△3六歩まで】

これでも先手の桂の行き場はありません。第5図から▲3四銀△同金▲3五銀としても、△4三銀と受けられて(△3七歩成は▲3四銀△3八とに▲2四歩や▲4三金がうるさい)▲3四銀△同銀▲3五金と千日手模様に攻めてもここで△同銀と取られ、▲同角△3四金で先手失敗です。ただし、▲3五金では▲2四金と打つ手もあり、後手としてはやはり第4図がいちばん無難な対応といえるでしょう。

以上のことから、第1図から△2五同歩に▲3四歩はうまくいかないことがわかりました。

一瀬浩司

ライター一瀬浩司

元奨励会三段の将棋ライター。ライター業のほか、毎月1回の加瀬教室や個人指導など、指導将棋も行なっている。主なアマチュア戦の棋歴としては、第34期朝日アマチュア将棋名人戦全国大会優勝、第63回都名人戦優勝などがある。

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阿部光瑠

監修阿部光瑠六段

棋士・六段
1994年生まれ、青森県弘前市出身。2011年4月に四段。2013年に第2回電王戦でコンピュータソフト・習甦(しゅうそ)と対局し、快勝。 2014年の第45期新人王戦で優勝。居飛車、振り飛車ともに指すオールラウンドプレイヤー。
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