対振り飛車における「玉頭位取り」の注意点と発展形とは?【玉の囲い方 第40回】

対振り飛車における「玉頭位取り」の注意点と発展形とは?【玉の囲い方 第40回】

ライター: 一瀬浩司  更新: 2018年07月23日

玉の囲い方

前回のコラムでは、対振り飛車における「玉頭位取り」の組み方をご紹介しました。今回は、組む際の注意点と発展形を見ていきましょう。それでは、玉頭位取りに組むまでの手順の復習です。

初手から、▲7六歩、▲2六歩、▲4八銀、▲5六歩、▲6八玉、▲7八玉、▲5八金右、▲5七銀、▲9六歩、▲6八銀上、▲7五歩、▲7七銀、▲7六銀、▲6六歩、▲7七角、▲6七金、▲8八玉、▲7八金(第1図)。

【第1図は▲7八金まで】

それでは、まずは組む際の注意点を見ていきましょう。

組む際の注意点

第2図をご覧ください。

【第2図は△6四歩まで】

ここから▲7七銀と上がってから▲7五歩と突こうとするのは、△7四歩と突かれる手が気になります。こうなると、後手は△6三金~△7三桂と形よく高美濃に組めるのに対し、先手は7七の銀で角筋が止まっているので急戦を仕掛けることも難しく、位も取れず中途半端な陣形となってしまいます。

よって、第2図では先に▲7五歩と突いてから▲7七銀~▲7六銀と組んでいくほうがよいのです。これが、前回のコラムの手順で先に▲7五歩と突いた理由になります。次に第3図です。

【第3図は▲5四歩まで】

いま後手が△5四歩と突いたところですが、ここで玉周辺だけを見て▲7八金と上がってしまうと、すかさず△5五歩と仕掛けられてしまいます。▲5五同歩は△同銀で△5六歩▲6八銀△6六銀と△4六歩▲同歩△同銀の二つの狙いがあって、早くも先手が不利になってしまいます。また、△5五歩に▲6七金右が△5六歩▲同銀△5五歩で銀が死んでしまいますし、▲8六歩とするのも、△5二飛と今度は5筋に飛車を足されてこれも先手が指しにくくなってしまいます。

では、第3図ではどうすればよいのでしょうか? ▲4八飛と、先に4筋を受けておく手が正解となります。これならば△5五歩とされても、▲同歩△同銀▲5六歩でなんでもありません。玉頭位取りは囲いの完成までに手数が掛かってしまうので、完成までは細心の注意が必要となってきます。では、次に囲いの発展形を見ていきましょう。

囲いの発展形

第4図をご覧ください。

【第4図】

7筋の位を取った後、6筋の位も取ったときの形です。銀が二枚並んだ形がかなり手厚いですよね。6筋の位が取れなくても、▲6五歩△同歩▲同銀△6四歩▲7六銀と6筋の歩を交換してある形で▲6六銀と上がっても、これもまた手厚い形になります。5七の銀を6六へ上がれば、角を▲6八角と引いて▲2四歩や▲3五歩などの仕掛けを狙える形になります。ただし、6筋を交換して▲6六銀とした形では、6五へ駒を打たれる手や、△7三桂~△6五歩とされる順にも気をつけなければいけなくなります。次に第5図です。

【第5図】

玉を7八のまま囲った、一例の形になります。下段がスカスカしていて飛車交換になった場合は気にはなりますが、8八へ深く囲う順に比べると、手数は掛かりませんし、完成までに陣形がバラバラな状態になりにくいところがメリットです。状況に応じて8八と7八の形を使い分けていくことができれば、玉頭位取りマスターと言えるでしょう。

一瀬浩司

ライター一瀬浩司

元奨励会三段の将棋ライター。ライター業のほか、毎月1回の加瀬教室や個人指導など、指導将棋も行なっている。主なアマチュア戦の棋歴としては、第34期朝日アマチュア将棋名人戦全国大会優勝、第63回都名人戦優勝などがある。

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杉本和陽

監修杉本和陽四段

棋士・四段
1991年生まれ、東京都大田区出身。2017年4月に四段。師匠は(故)米長邦雄永世棋聖。バスケットボールを趣味とする。ゴキゲン中飛車を得意戦法とする振り飛車党。
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