将棋コラム

渡辺明棋王、タイトル防衛で史上2人目の永世棋王に。佐藤天叡王VS「PONANZA」の結果は?【3月27日~4月2日の中継結果まとめ】

渡辺明棋王、タイトル防衛で史上2人目の永世棋王に。佐藤天叡王VS「PONANZA」の結果は?【3月27日~4月2日の中継結果まとめ】

更新: 2017年04月03日

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日本将棋連盟モバイルにおける3月27日~4月2日の中継局の結果をまとめてお伝えします。渡辺明棋王が5期連続で棋王のタイトルを獲得し、羽生善治三冠に次ぐ史上2人目の永世棋王の資格を得ました。

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渡辺明棋王が逆転防衛、永世棋王に

○渡辺明棋王-●千田翔太六段

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渡辺明棋王に千田翔太六段が挑戦する第42期棋王戦五番勝負は、第4局が終了して2勝2敗の成績で並んだ。最終第5局が27日、東京・将棋会館で指された。

改めて振り駒が行われた結果、先手になった渡辺明棋王は矢倉模様に進め、千田六段は定跡を離れた序盤戦を見せる。渡辺明棋王の金矢倉に対し、千田六段は居飛車の角道が開いた形で△6五歩と突っかけた。歩がぶつかったまま互いに駒組みを進め、渡辺明棋王は自然に駒を活用して玉頭を攻める形を築く。攻守の入れ替わる戦いから、最後は渡辺明棋王が反撃をかわして千田六段を投了に追い込んだ。

渡辺明棋王はシリーズ成績を3勝2敗としてタイトルを防衛。5期連続で棋王のタイトルを獲得し、羽生善治三冠に次ぐ史上2人目の永世棋王の資格を得た。

第2期電王戦、PONANZAがタイトルホルダーに圧勝

PONANZA-●佐藤天彦叡王

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第2期叡王戦を勝ち抜いた叡王、佐藤天彦名人と第4回電王トーナメントを優勝した将棋ソフト「PONANZA」(開発者は山本一成さんと下山晃さん)が二番勝負を戦う第2期電王戦。現在の形式での電王戦は今期が最後となる。

その第1局が1日、栃木県日光市の日光東照宮で行われた。韓国囲碁棋士、イ・セドル九段による事前の振り駒の結果、先手はPONANZA。初手▲3八金から相掛かりになり、PONANZAの手得、佐藤天叡王の歩得の構図に進んだ。PONANZAが好形に組み、佐藤天叡王が仕掛ける。PONANZAはすかさず強く反発し、佐藤天叡王に効果的な攻撃を許さない。駒の効率で上回り、さらに駒得を果たす。手厚く盤上を支配され、持ち時間の面でも追い詰められた佐藤天叡王は投了を余儀なくされた。

最終第2局は佐藤天叡王の名人戦七番勝負の間を縫って5月20日(土)、兵庫県姫路市の姫路城で行われる。

竜王戦

1組

○藤井猛九段−●山崎隆之八段

出場者決定戦(5位決定戦)が1局消化された。▲藤井猛九段−△山崎隆之八段戦は藤井九段が三間飛車に振る。山崎八段は角道を開けず、引き角に構えて1筋の位を取った。独特の序盤だったが、山崎八段が△2二角と戻って△3四歩と突き、違和感のない形になって戦いが始まる。終盤まで難しいねじり合いが続き、最後は藤井猛九段が制した。

4組

●井上慶太九段−○村田智弘六段

ランキング戦が進行中。▲井上慶太九段−△村田智弘六段戦は井上九段の居飛車、村田智六段の角交換四間飛車に進む。井上九段は銀冠に組んで玉頭に位を取り、村田智六段は高美濃に囲った。村田智六段が角金交換の駒損で攻めかかり、緩急自在の指し回しを見せて最後は手勝ちを収めている。

5組

●渡辺正和五段−○船江恒平六段

ランキング戦が1局消化された。▲渡辺正和五段−△船江恒平六段戦は角換わり相腰掛け銀に。渡辺正五段は2九飛・4八金型に組んで9筋の位を取る。船江六段は6三金・8二飛型で迎え撃った。渡辺正五段が果敢に仕掛けるも、玉の薄さがたたる。船江六段が手早く反撃を決めて寄せきった。

王位戦

挑戦者決定リーグ

●菅井竜也七段−○佐々木勇気五段
●広瀬章人八段−○阿久津主税八段
○澤田真吾六段−●阿部隆八段

紅白両組が進行中で、ともに2回戦が終了。白組の▲菅井竜也七段−△佐々木勇気五段戦は佐々木勇五段の角道を開けない出だしに、菅井七段が居飛車と中飛車とを両天秤にかける形で始まる。結局は菅井七段の中飛車に落ち着いた。仕掛けの時点で佐々木勇五段がポイントを挙げ、危なげなく押し切っている。

紅組の▲広瀬章人八段−△阿久津主税八段戦は横歩取り8四飛戦法に。互いに浮き飛車に構え、駒組みを進めながら模様を取る展開に進んだ。阿久津八段が作戦勝ちから優位を広げ、辛抱強くチャンスを待った広瀬八段を振り切っている。

紅組の▲澤田真吾六段−△阿部隆八段戦は角換わりから相腰掛け銀に進む。澤田六段は2九飛・4八金型から軽く仕掛け、一直線の攻め合いに。阿部隆八段に有望の戦いだったが、最後は澤田六段が阿部隆八段の玉を受けなしに追い込み、逆転で制した。

紅組のリーグ成績は以下のとおり。

【2勝0敗】木村一基八段、澤田六段
【1勝1敗】阿久津八段、広瀬八段
【0勝2敗】阿部隆八段、山崎隆之八段。

白組のリーグ成績は以下のとおり。

【2勝0敗】佐々木勇五段
【1勝1敗】渡辺明竜王、佐藤天彦名人、豊島将之八段、菅井七段
【0勝2敗】丸山忠久九段。

王位戦挑戦者決定リーグ

王座戦

二次予選

○斎藤慎太郎七段−●豊島将之八段
●丸山忠久九段−○中村太地六段

各ブロックが佳境を迎えている。▲斎藤慎太郎七段−△豊島将之八段戦は角換わりに。斎藤七段の2九飛・4八金型、豊島八段の6三金・8二飛型に進む。豊島八段が仕掛けると斎藤七段はすぐに反発。斎藤七段が先手を取って手をつなげる展開になり、緩まずに攻め勝った。

同日に行われた▲丸山忠久九段−△中村太地六段戦も角換わりに。丸山九段が腰掛け銀模様に組み、中村太六段は早繰り銀を採用した。中村太六段は角を盤上に放って歩得を主張し、攻める展開に持ち込む。丸山九段は入玉含みに受けるも、攻撃をつなげた中村太六段が制勝した。

王座戦予選

棋王戦

第43期予選

●高見泰地五段−○西尾明六段
●近藤誠也五段−○佐々木大地四段

第42期五番勝負に並行して各ブロックが進行中。▲高見泰地五段−△西尾明六段戦は矢倉戦に。西尾六段が急戦に進め、飛車を5筋に回って戦いが始まる。攻め合いから西尾六段が受ける展開となり、高見五段の攻撃をかわして勝ちきった。

▲近藤誠也五段−△佐々木大地四段戦は相掛かりに。駒組みが進み、近藤誠五段は金矢倉、佐々木大四段は菊水矢倉模様に構える。佐々木大四段が先手陣の隙を突いて開戦すると、角を飛車に交換するポイントを挙げた。自玉を鉄壁にした佐々木大四段が近藤誠五段の粘りを振り切っている。

棋王戦予選

王将戦

一次予選

○瀬川晶司五段−●北島忠雄七段
●泉正樹八段−○中座真七段
●佐々木勇気五段−○木村一基八段

各ブロックが進行中。▲瀬川晶司五段−△北島忠雄七段戦は角換わりに。瀬川五段が腰掛け銀に構え、北島七段は腰掛け銀模様から手損して右玉に組んだ。瀬川五段は玉を穴熊に収め、成駒を作ってポイントを挙げる。北島七段の猛攻を受けるも、厳しく反撃して寄せきった。

▲泉正樹八段−△中座真七段戦は泉八段が初手から▲3六歩〜▲3五歩と伸ばし、△3四歩を許さない。泉八段の袖飛車、中座七段の居飛車引き角に進む。中盤で中座七段が受けの好着想を見せて優位に立つ。泉八段は自玉に嫌みをつけられたうえに攻撃を封じられ、投了に追い込まれた。

▲佐々木勇気五段−△木村一基八段戦は矢倉戦から木村八段が急戦を見せる。戦いは始まらず、互いに自陣を整備する流れに。木村八段は後手番ながら千日手模様を打開すると、佐々木勇五段の玉側の端を詰めてポイントを挙げた。最後は築いた厚みを生かし、上から押し潰して寄せている。

王将戦一次予選

棋聖戦

決勝トーナメント

●森内俊之九段−○斎藤慎太郎七段

1回戦最後の対局が消化された。▲森内俊之九段−△斎藤慎太郎七段戦は斎藤七段が左美濃急戦を採用。森内九段は金矢倉の構えだけ作り、居玉のまま戦いが始まる。斎藤七段の動きに乗じて優位に立った森内九段だが、攻め駒を呼び込む展開で寄せきられてしまった。

棋聖戦決勝トーナメント

新人王戦

○谷合廣紀三段−●青嶋未来五段

トーナメントが進行中。▲谷合廣紀三段−△青嶋未来五段戦は相居飛車の力戦形に。谷合三段は角道を通した腰掛け銀、青嶋五段は3一玉型の高美濃に組む。青嶋五段が自陣のキズを顧みず、金を繰り出して攻撃に使う。奨励会員の谷合三段が、分のある攻め合いから手勝ちを収めた。

リコー杯女流王座戦

アマチュア予選

○宮澤紗希アマ−●加藤圭アマ
○小野ゆかりアマ−●諏訪景子アマ
●山田朋佳アマ−○山田美晴アマ

東日本大会が行われた。44人の申し込みに対し、40人が参加している。一日の模様を中継ブログで伝え、ブロック決勝の3局が棋譜中継された。ブロック優勝を果たせば、プロも加わる一次予選に進出する。▲宮澤紗希アマ−△加藤圭アマ戦(先手居飛車穴熊、後手中飛車)、▲小野ゆかりアマ−△諏訪景子アマ戦(先手四間飛車、後手△5三銀左急戦)、▲山田朋佳アマ−△山田美晴アマ戦(先手三間飛車、後手右四間飛車)をそれぞれ宮澤さん、小野さん、山田(美)さんが制した。

【AbemaTV特別企画】炎の七番勝負(非公式戦)

第4局

○藤井聡太四段-●中村太地六段

14歳2ヵ月で史上最年少棋士となった藤井聡太四段がトップ棋士や若手棋士代表格に挑む【AbemaTV特別企画】藤井聡太四段 炎の七番勝負〜New Generation Story〜の全7局が、放送と同時に独自解説をつけてモバイル中継される。2勝1敗で迎えた第4局は、20代ながらタイトル登場2回、奪取まであと1勝と迫った実績もある中村太地六段との対戦。

振り駒の結果、藤井聡四段は4局連続で先手となった。中村太六段は藤井聡四段が得意とする角換わりを受けて立つ。相腰掛け銀で藤井聡四段の5八金型に対し、中村太六段は流行の6二金・8一飛型に構え、△6五歩と先攻した。藤井聡四段は盤上に角を放ち、金桂交換の駒損を甘受して厚みを築く。中村太六段の猛攻が一息ついたところ、藤井聡四段が2筋から厳しく反撃して手勝ちを収めた。七番勝負はこれで藤井聡四段の3勝1敗。七番勝負は今後も毎週日曜日の19時から放送、中継される。

トピック

3月31日で2016年度が終わり、第44回将棋大賞が発表されました。

特筆されるのは最優秀棋士賞に佐藤天彦名人が初めて受賞したこと。名人獲得に加え、第2期叡王戦で決勝三番勝負でも無敗のまま優勝しました。優秀棋士賞には3つのタイトルを防衛した羽生善治三冠、敢闘賞には5年ぶりにタイトルホルダーに復帰した久保利明王将、新人賞には全棋士参加の第10回朝日杯将棋トーナメントで棋戦初優勝を飾った八代弥六段、特別賞に公式戦史上最年長勝利記録を更新し、公式戦史上最年長対局記録を更新し続ける加藤一二三九段がそれぞれ選ばれています。

また、年間の成績を通じて各部門賞が決まりました(最多対局賞は千田翔太六段と佐々木勇気五段、最多勝利賞は千田六段、30局以上対局した棋士が対象となる勝率1位賞は斎藤慎太郎七段と青嶋未来五段、連勝賞は豊島将之八段と青嶋五段)。

最優秀女流棋士賞は保持していた四冠すべてを防衛し、女流王座を獲得して女流五冠に復帰した里見香奈女流王座・女流名人・女流王位・女流王将・倉敷藤花、女流棋士賞には岡田美術館杯女流名人戦でタイトル奪取にあと1勝と迫り、またこの4月から五番勝負が始まるマイナビ女子オープンの挑戦を決めた上田初美女流三段がそれぞれ選ばれました。年間の成績を通じた女流最多対局賞の受賞は室谷由紀女流二段です。

ほか、東京将棋記者会賞に森信雄七段、升田幸三賞に千田六段(対矢倉左美濃急戦、角換わり腰掛け銀4二玉・6二金・8一飛型)、升田幸三賞特別賞に加藤九段(棒銀をはじめとする数々の新工夫)、名局賞には今年2月に指された第75期A級順位戦の▲佐藤康光九段−△深浦康市九段戦(179手で先手勝ち)、名局賞特別賞に同じく2月の第43期岡田美術館杯女流名人戦第5局の▲上田女流三段−△里見香女流名人(女流五冠)戦(202手後手勝ち)がそれぞれ選ばれました。(飛龍記者)

*写真は棋王戦中継ブログ電王戦中継ブログより引用。

日本将棋連盟モバイル編集局

ライター日本将棋連盟モバイル編集局

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