豊島が銀河戦優勝 12月下旬の注目対局を格言で振り返る

豊島が銀河戦優勝 12月下旬の注目対局を格言で振り返る

ライター: 渡部壮大  更新: 2026年01月16日

 銀河戦は豊島将之九段が6年ぶりの優勝を飾りました。棋王戦では増田康宏八段が2年連続の挑戦権を獲得しています。

第33期銀河戦決勝

【第1図は△3八竜まで】

 第1図は第33期銀河戦決勝(▲豊島将之九段△藤井聡太竜王・名人)。豊島九段の猛攻をうまく受け止めて後手ペースの戦いでしたが、秒読みの中で先手がチャンスをつかんで局面は逆転模様です。▲4八歩が「大駒は近付けて受けよ」の手筋。△同竜なら▲5八金打で弾くことができます。実戦は△7四歩▲同金△6七銀に、金を温存した効果で▲8三金打と攻め合いました。以下△同飛▲同金に△7五桂と迫りますが、▲6六馬が堅い受けで先手玉はわずかに寄りません。この後も後手の勝負手をかいくぐり、豊島九段が6年ぶり2回目の優勝を果たしました。

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写真:常盤秀樹

第51期棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定二番勝負第1局

【第2図は▲6三とまで】

 第2図は第51期棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定二番勝負第1局(▲斎藤明日斗六段△増田康宏八段)。棋王戦は2期連続で挑戦者決定二番勝負が同じ顔合わせになりました。形勢は後手が勝勢で、あとはどう決めるか。△7五桂が「要の金を狙え」のセオリー通りの寄せ。自然と挟撃形も築ける厳しい攻めになっています。実戦は▲5三と△同角▲6四銀と迫りますが、△同角▲同歩で後手玉は安全な状況。△5六歩と攻めて一手一手に。勝者組の増田八段が第1局を勝ったことで、2年連続で挑戦権を獲得しました。

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写真:紋蛇

第39期竜王戦ランキング戦4組

【第3図は▲5五銀まで】

 第3図は第39期竜王戦ランキング戦4組(▲村田顕弘六段△山下数毅四段)。竜王戦で活躍して四段昇段を決めた山下四段は、異例の4組でデビュー戦となりました。後手ペースの終盤ですが、玉が露出しており技が掛かる危険もあります。△4二玉が「玉の早逃げ八手の得あり」の落ち着いた一手。この後も△3一玉~△3三銀と戦いの中で自玉を安全にしていき、秒読みの競り合いを制しました。

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写真:飛龍

第39期竜王戦ランキング戦6組

【第4図は▲6一飛まで】

 第4図は竜王戦ランキング戦6組(▲福間香奈女流六冠△生垣寛人四段)。生垣四段のデビュー戦で、棋士編入試験で対局することも決まっています。△1五歩が「三歩持ったら端に手あり」の習いある端攻め。▲同歩なら△1八歩▲同香△1七歩▲同香△2四桂の筋があります。実戦は▲4二歩△同金寄▲6五飛成でまぎれを求めましたが、△7七角成▲1五歩△1七歩▲同香△5五飛が好手で後手勝勢となりました。

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写真:武蔵

伊藤園お~いお茶杯第67期王位戦予選

【第5図は△6六歩まで】

 第5図は伊藤園お~いお茶杯第67期王位戦予選(▲伊藤沙恵女流四段△齊藤優希四段)。史上初の女流棋士のリーグ入りが掛かった予選決勝です。後手優勢の終盤でしたが、もつれて混戦になっています。▲2二歩△同玉▲4六桂が「桂は控えて打て」の反撃です。ただ、後手も△3三金右▲3五歩△7六銀▲3四歩△2四金が崩れない受けで、難解な形勢です。以下も際どい寄せ合いが続きましたが、最後は後手が抜け出しました。齊藤四段は予選初参加で嬉しいリーグ入りです。

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写真:胡桃

渡部壮大

ライター渡部壮大

高校生でネット将棋にハマって以来、趣味も仕事も将棋な人。
将棋の月刊誌、週刊紙、書籍などの編集部に在籍経験あり。
アマチュア大会の最高成績は全国ベスト16だが、もう少し上に行けないかと日々努力中。

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高崎一生

監修高崎一生七段

棋士・七段
1987年生まれ、宮崎県日南市出身。2005年10月に四段。(故)米長邦雄永世棋聖門下。 攻める棋風を持ち味としている振り飛車党。
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