藤井がNHK杯連覇 3月上旬の注目対局を格言で振り返る

藤井がNHK杯連覇 3月上旬の注目対局を格言で振り返る

ライター: 渡部壮大  更新: 2026年03月24日

 王将戦、棋王戦とダブル防衛戦で追い詰められている藤井聡太竜王・名人ですが、簡単には崩れずにカド番をしのいでいます。そしてNHK杯では連覇を達成しました。

第51期コナミグループ杯棋王戦五番勝負第4局

【第1図は▲8五歩まで】

 第1図は第51期コナミグループ杯棋王戦五番勝負第4局(▲増田康宏八段△藤井聡太棋王)。難解な戦いが続いていましたが、終盤で後手が抜け出しました。ここで△6八とは「王手は追う手」で▲5七玉から▲4六玉で粘られます。△4五桂が自玉を広くしながら5七の地点をふさぐ詰めろ逃れの詰めろ。▲7七銀には△5九飛があるので、これで先手は受けが難しくなりました。藤井棋王がカド番をしのぎ、決着は最終第5局へ持ち込まれています。

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写真:玉響

ALSOK杯第75期王将戦七番勝負第5局

【第2図は▲3二銀まで】

 第2図はALSOK杯第75期王将戦七番勝負第5局(▲永瀬拓矢九段△藤井聡太王将)。永瀬九段が強烈な仕掛けで主導権を握りましたが、△9六歩が「両取り逃げるべからず」の反撃。以下▲3一銀不成△9七歩成▲2二銀不成△8六歩と激しい攻め合いに。終盤は際どいしのぎを見せた藤井王将が制して、2勝目をあげて第6局へ持ち込んでいます。

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写真:琵琶

第84期順位戦A級プレーオフ

【第3図は△3八竜まで】

 第3図は第84期順位戦A級プレーオフ(▲糸谷哲郎八段△永瀬拓矢九段)。7勝2敗で並んだ両者によるプレーオフです。▲9六玉△5九銀▲8五玉が「中段玉寄せにくし」の上部脱出。角や香もよく利いており、先手玉は捕まらない形になりました。自玉が安全になったので、以下は着実な攻めを間に合わせて押し切っています。糸谷八段は名人戦初登場となりました。

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写真:胡桃

第11期叡王戦挑戦者決定戦

【第4図は▲3一とまで】

 第4図は第11期叡王戦挑戦者決定戦(▲永瀬拓矢九段△斎藤慎太郎八段)。先手がなんとか食い付こうとしていますが、△1四角が「遠見の角に好手あり」の決め手。▲3二飛の詰めろを消しながら、△6九角成以下の詰めろを掛けた攻防手です。勝った斎藤八段は2年連続の挑戦権獲得となりました。

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写真:八雲

第37期女流王位戦挑戦者決定戦

【第5図は▲8六玉まで】

 第5図は第37期女流王位戦挑戦者決定戦(▲磯谷祐維女流初段△大島綾華女流二段)。強豪揃いの女流王位リーグは若手の二人が勝ち上がり、フレッシュな挑戦者決定戦となりました。先手玉を追い込んで後手が勝勢で、△3一玉が「玉の早逃げ八手の得」の自然な勝ち方です。▲5一飛の詰みさえ消しておけば、後手玉は安全な形です。大島女流二段は二度目のタイトル挑戦を決めました。

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写真:胡桃

第75回NHK杯将棋トーナメント決勝戦

【第6図は▲2三香まで】

 第6図は第75回NHK杯将棋トーナメント決勝戦(▲増田康宏八段△藤井聡太NHK杯)。先手が猛攻を仕掛けて好調な進行です。△2三同金は▲1二飛成で受けが難しくなります。△4二玉▲2二香成△5二玉が「玉の早逃げ八手の得」の粘り。▲1一飛成にも▲4一歩と耐えてチャンスを待ちます。最終的に後手玉は7二まで移動し、先手玉を詰ます拠点にもなって逆転勝ちを収めました。藤井NHK杯は2連覇、3回目の優勝です。

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写真:日本将棋連盟

渡部壮大

ライター渡部壮大

高校生でネット将棋にハマって以来、趣味も仕事も将棋な人。
将棋の月刊誌、週刊紙、書籍などの編集部に在籍経験あり。
アマチュア大会の最高成績は全国ベスト16だが、もう少し上に行けないかと日々努力中。

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高崎一生

監修高崎一生七段

棋士・七段
1987年生まれ、宮崎県日南市出身。2005年10月に四段。(故)米長邦雄永世棋聖門下。 攻める棋風を持ち味としている振り飛車党。
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