【PR:ローソン×久保利明九段】漂うダンディズム。心・技・体を追求して――久保利明九段の素顔

【PR:ローソン×久保利明九段】漂うダンディズム。心・技・体を追求して――久保利明九段の素顔

ライター: 藤田華子  更新: 2021年12月30日

スイーツを口にする時間は、ホッと一息つき、素の自分に戻るとき。今回はローソンの「バスチー(バスク風チーズケーキ)」を食べながら、久保利明九段の素顔に迫ります。

髭が伸び、これまでとは違ったワイルドな印象で話題になっている久保九段。凛とした佇まいには、"大人のダンディズム"という言葉がお似合いです。
詩人の ボードレールは、"ダンディ"という言葉を「生き方の美学を宗教にも似た信仰へと高める者のこと」と捉えていたそう。久保九段も、これまで取り入れてこられたストイックな精神修行や、自らの戦法への強いこだわりが、佇まいから魅力として醸されているのでしょう。
ファッション、地元への想いや、故・村山聖九段との思い出、精神修行についてなど、久保九段のダンディズムのルーツを辿るインタビューです。

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醸されるダンディズムと、ストイックな精神修行。

――最近、久保九段はイメージチェンジを図られたんですか?

意識したわけではないんですよ、自粛期間中は家にいたので、髭を剃る必要もないかなと伸ばしていたんです。外に出る時にちょっと整えて、今に至る感じです。

――メディアでは"イケオジ"と呼ばれることもあるようですね。

そんなことになってますね(笑)。自分ではそういうつもりはないのですが、注目していただけるのはありがたいお話です。

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――髪型や髭のお手入れは、地元の幼なじみの美容師さん"かっちゃん"にお任せしているとか?

そうなんです。かっちゃんとは5~6年前に同窓会で再会して、切ってもらうようになりました。これまで髪型を褒めていただくことってなかったんで、彼は腕が良いんだと思います。
実は一度も「こうしてください」とオーダーしたことがなくて。鏡の前に座り、世間話や昔話、あとかっちゃんが将棋ウォーズで2級から上がれない話なんかを聞いているうちに(笑)、気がついたら良い感じに仕上がっています。

――散髪中の久保九段に将棋のアドバイスをいただけるなんて、贅沢な時間ですね!

ふふふ。みなさんがこうして反響をくださっていること、かっちゃんに伝えておきますね。

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――ファッションがお好きということで、お気に入りのアイテムをお持ちいただきました。ご紹介ください。

京扇子の「白竹堂」さんの扇子です。いろんな扇子のご用意があり、私はデニム生地のものを対局中も愛用しています。デニムなのでパチパチという音がほとんど鳴らないから、相手に気を使わずに使えるんです。ファッション性も機能性も気に入っていますね。年に1回新調していて、もう3代目です。 あとは「GEORGE COX」の靴です。ゴルフをするときに「FRED PERRY」のポロシャツをよく着るのですが、お店で見つけてイギリスの伝統的な感じが良いなと思って。

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――ぜひ久保九段に語っていただきたいと思っていたテーマが"ダンディズム"なのですが、その言葉を聞いて思い浮かべる方はいますか?

僕はずっと水谷豊さんが好きで、真っ先にお顔が浮かびました。
長い俳優生活、つねに第一線で活躍されていますし、変わらない魅力をお持ちでいらっしゃる。ああやって歳を重ねたいという憧れの存在です。
一度対談の機会がありまして、それからはメールをくださったり、2009年に自分が棋王を獲った時に祝辞をお送りいただいたり。憧れの方からのお言葉は嬉しいですし、励みになります。

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――久保九段の凛とした佇まいは、外見だけではなく内面の魅力も相まって醸し出されると思います。かつて、精神修行の一環で護摩行に行かれたそうですね。

27歳の時、順位戦でA級に上がり大きな勝負の舞台に立つようになりました。ただ、精神的なものが原因で手が伸びなかったり、プレッシャーがマイナスに作用していると感じていたんです。夕食休憩で食事が喉を通りませんでしたから。
技術を身につけることを優先していましたが、精神面は鍛えれば鍛えるほど強くなるので心も鍛えようと。心・技・体のバランスが整っていないと良い将棋は指せませんので、知り合いにご紹介いただき鹿児島のお寺で護摩行に挑戦しました。

――いかがでしたか?

まあ、キツかった!
(1mほど離れた場所を指して)ここに燃え盛る護摩(火)があるんです。そこでひたすら"真言"という仏の言葉を唱えるんですが、唱えていないとあまりの熱で意識が飛びそうになるんですよ。炎が顔に迫ってきて、顔や手の甲は水膨れになりますし、本当に必死。
想像以上の過酷さに、「えらいところに来てしまったな」と思いました。
その後、メンタルトレーナーの先生にお話を伺ったりもしました。平常心で将棋を指すために、これからも精神修行は取り入れていきたいです。

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故・村山聖九段との思い出、受け継いだもの。地元・加古川という場所。

――故・村山聖九段も、久保九段の棋士人生には大きな影響を与えられたと伺いました。村山九段との思い出を伺えますでしょうか。

奨励会に入った頃からずっと、研究会を開催していただきました。
まだ奨励会員が棋士と研究会をすることは珍しい時代で、最初は師匠(淡路仁茂九段)が村山先生に頼んでくださったそうです。
当時、私と矢倉(規広)七段と、あとひとり(立石径さん。17歳のころ医者の道へ)の三人でいつも一緒にいて、自分は『将棋世界』が届くと真っ先に奨励会の成績表を見るくらい二人を意識していました。
その三人で村山先生のお部屋に呼んでいただいて、研究会をして。ライバルとの研究会は熱が入りますし、何よりプロの村山先生との時間は学びばかりで、本当に良い研究会でした。感謝しています。

――どんなお方でしたか?

村山先生は、いつも関西将棋会館の棋士室にいらっしゃる主のような方でした。行けばお会いできるのですが、プロでご活躍されていらっしゃるので、とてもじゃないけど私からは「教えてください」と言えないんですよ。それを察してか、近くで棋譜を並べていると「君ちょっと、ひとりで棋譜を並べてるんなら将棋でも指す?」って声をかけてくださるんです。棋士が若手に声をかけるのは、村山先生が先駆けだったんじゃないかな。

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――久保九段も、その姿勢を受け継ぎたいと?

そうですね。まわりに気楽に話しかけていただけるような存在でいたいなと思うのは、村山九段にそうしていただいたからです。
ただ最近の子はすごいです、「教えてください!」って積極的で。当時、王将のタイトルを持っていた自分に関西将棋会館で「お願いします」と声をかけてきた子がいたんですけど、あとあと聞いたらまだ4級の子で。自分だったらタイトルホルダーに声をかけるなんて恐れ多くてできなかったので、メンタルの強さがすごいなと(笑)。その子の名前はもちろん覚えているので、いまも頑張っている姿を応援しています。

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――久保九段が子どものころ、ご出身の兵庫県・加古川市には公園で縁台将棋を指す方がいて、そのまわりを見物人が囲って賑やかだったと伺いました。将棋が身近なものであるためには?

自分はいま大阪に住んでいるのですが、大阪でも公園に椅子を並べて将棋を指す縁台将棋のような名残はあります。そういう風景を観ていると良いなあと思いますね。
僕らの時代は指すことで将棋を楽しむ方がほとんどだったと思いますが、最近は"観る将"の方も増えました。将棋の内容はもちろん、棋士の人生や食事に注目されています。なので、自分が解説する時は幅広い方が楽しめるよう、対局者の人間性の部分などにも触れられるようにと思っています。

――なるほど。久保九段は、解説もダンディですよね。

ダンディキャラと仰っていただくのですが、基本的には関西人なんで、本当はもっとボケたいんですよ(笑)。Twitterでも最初はボケを入れていましたが、なんだかしっくりこなくて。今は真面目にやってます(笑)。

――加古川将棋センターは、どのような場所でしょう?

自分が小さい頃、40年前からお世話になっている方がたくさんいらっしゃる場所です。最近は将棋センターもなかなか経営的に厳しい状況ではありますが、地元で指せる場所があると、ここに来たらいろんな人と指せるという拠り所になりますよね。これも「棋士のまち加古川」の発展に尽力してくださっている井上(慶太九段)先生のおかげです。そういう場所があるのは、棋士としては本当に嬉しいです。
好調な時ってまわりの方もたくさん声をかけてくれるんです。もちろん嬉しいのですが、一方で、不調の時や落ち込んでいる時に支えてくださることもありがたい。一回、成績を落とした時期に、地元の後援会の方に「こういう時のための後援会だから」と言っていただいてすごく気が楽になったことを覚えています。

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――ご家族と一緒に過ごす時間も、素の自分に戻れる時間です。娘さんの久保翔子さんは将棋をされています。普段から将棋のお話を?

昔は娘とも将棋を指すことがありましたが、最近は観ているばかりです。頑張って欲しいですが、こればっかりは勝負の世界なので...見守るしかないですね。家に帰ってきて将棋に向き合っている姿は自分にそっくりだなと思います。

――今日はスーツ姿に私服にと、お着替えいただきました!それぞれファッションのポイントを教えてください。

前半はスーツで撮影し、後半は「FRED PERRY」で揃えました。ニットの差し色とパンツの色を統一するという、自分の中では新しい試みだったのでソワソワしています(笑)。 いつもは靴とパンツの色を合わせて脚を長く見せる技を使い(笑)、上着は明るめの色を着ることが多いです。 スーツは、対局中はストレッチが効いた余裕のあるシルエットで、イベントの時はタイト目のものが多いかもしれません。

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一口目で「あ、好きな味」。カラメルの苦味が美味しい「バスチー」

――では、お話も進んだところでおやつタイムに入ります。今日はローソンの「バスチー」をお召し上がりいただきましたが、お味はいかがですか?

実は甘いものってあまり得意じゃなくて、ほんのり甘さを感じるくらいが好きなんです。「バスチー」は、カラメルの苦味と香ばしさがすごく美味しかったですよ。チーズの味もしっかり入ってきますし、一口目で「あ、好きな味」って。

――なぜ「バスチー」をお選びに?

食べたことがなくて、せっかくなのでと思いました。「バスチー」がこんなに流行ってるのって、ローソンさんがきっかけですか?すごいなあ。珍しい味をコンビニで手軽に食べられるって、良いですね。

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――コーヒー派ですか?

そうです。「バスチー」はコーヒーにもぴったりでした。普段は妻が淹れてくれるので、実は今日の撮影で、初めてコーヒーを淹れました。やり方、合ってましたかね(笑)?
若い頃から、料理はほんっとうにできなくて。最近の若手棋士はけっこう作ると聞きますが、信じられないですし、作れるのが羨ましいです(笑)。

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――スイーツにまつわる思い出を教えてください。

バレンタインデーにたまたま仕事が入った時、チョコレートをたくさんいただいてありがたかったですね。仕事が入ってない時はもらえないです(笑)。

10問アンケート

インタビューで聞ききれなかった10の質問を、久保利明九段に伺いました。

Q1
お名前の由来は?
久保
自分で言うのも恥ずかしいですが、親が「利口で明るい子になるように」と付けてくれた名前です。
Q2
毎年欠かさずご覧になっているという『相棒』の魅力は?
久保
2000年から放映しているので、もう20年以上人気の番組ですよね。その時その時の世相も入り、AIをテーマにした回では将棋にも触れられていました。常に進化しているので観ていて飽きないです。
やっぱり棋士なので読み筋を入れながら観ちゃうんですけど(笑)、けっこう外されるんですよ!そのパターンもあるんだなって、面白さを発見できるところが好きですね。
Q3
阪神タイガースのファン歴36年だそうですね!応援する理由は?
久保
昨日は新幹線の中で「DAZN」で勝った瞬間を観て、誰にも気づかれないように小さくガッツポーツしちゃいました(笑)。阪神、自分が10歳の頃、優勝して日本一になったんです。その時(巨人戦での)バックスクリーンホームラン3連発という伝説が生まれたんですが、それが印象的で、ずっと応援していますね。師匠や、井上先生、稲葉(陽八段)くんなど棋士同士で観に行くこともありますが、阪神ファンのなかではだいぶ大人しく観戦していると思います(笑)。
球団が好きなので、阪神に来た選手は好きになりますし、阪神からよそへ行った選手も、阪神戦以外では活躍できるようにと祈りますね。
Q4
お好きだったアイドルは?
久保
南野陽子さんです。将棋の番組でご一緒させていただきました。
Q5
お気に入りの温泉を教えてください。
久保
どこも好きなのですが、地元・兵庫県の有馬温泉は近いのでよく行きますね。

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Q6
お好きなお店のお好きなメニューを教えてください。
久保
大阪に『串ぼうず』というお店があるんです。棋士も何人も連れて行って、30〜40人分のサインが飾ってあるんじゃないかな。行くと必ず、特別に特大のつくねを出してくれるんですよ。連れて行った方みんなに、美味しいって評判です。
店主の方はもともと将棋好きで、僕がNHK杯(テレビ将棋トーナメント)で優勝した時に入院先の病院で観てくださっていたそうなんです。それで「なかなか活躍できなかったけど、頑張ってきた甲斐がありました」とコメントしたのを聞いて、「リハビリを頑張ろう」と思ったと。そこからの流れで自分のことを観ていてくれたそうで、僕が初めてお邪魔した時に「二度見した」って言ってました(笑)。
Q7
お気に入りのお酒は?
久保
その時々で違いますが、最近はウィスキーが好きですね。銘柄は特にこだわりがないです。そこまで強くないので、だいぶ薄めのハイボールにしています。
Q8
行きたい場所は?
久保
沖縄に行きたいですね。知り合いの方もいますし、とりあえず海辺に行きたい。泳ぐがどうかはわからないです(笑)。
Q9
10年後、どんな棋士になっていたいですか?
久保
歳を重ねて体力など衰えも出てくると思いますが、情熱は傾けていたいです。ずっと、少しでも強くなりたいと思いながら将棋に向き合っていきたいなと思いますね。
こだわりたいのは、振り飛車。自分が初めて親に買ってもらった棋書が大野源一九段の『大野の振り飛車』という本でした。当時まだ漢字も読めなかったくらい幼かったのですが、図面を見て「きれいだな」と感じて。この本との出合いがなかったら、居飛車党だったかもしれません。いま将棋ソフトでは振り飛車は不利だと言われていてプロでは少数派なんですけど、火を消してしまってはいけない。居飛車の将棋ばかりではつまらないと思いますので、自分が振り飛車で良い成績を残して「振り飛車は優秀なんだよ」と伝えていければ。それが自分の存在意義でもあると思います。
Q10
ファンの方へメッセージをお願いします。
久保
棋士は黙って将棋を指すイメージが強かったかと思いますが、最近はこういったインタビューやイベントなど、新たな一面をいろいろな方に観ていただく機会が増えました。改めて将棋界のために自分ができることがあればやっていきたいですし、将棋ファンの方にも応援していただければと思います。

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写真:阿部吉泰

九段 久保利明

久保利明九段

1975年8月27日生まれ。兵庫県加古川市出身。淡路仁茂九段門下。1986年、6級で奨励会入会。1993年4月、四段昇段。2009年3月、第34期棋王戦で佐藤康光棋王を破り、初タイトル獲得。2010年3月、第59期王将戦で羽生善治王将を破り、二冠となる。2010年3月、第35期棋王戦で防衛を果たし、タイトル獲得3期により九段昇段。2017年3月、第66期王将戦で郷田真隆王将を破り、王将に復位。徹底した振り飛車党で、華麗で軽快な捌(さば)きを得意とする棋風から「捌きのアーティスト」と呼ばれている。阪神タイガースのファン。

ローソン×日本将棋連盟 コラム

藤田華子

ライター藤田華子

音楽雑誌の編集者を経て、現在は企業のコンテンツ制作を手掛けています。SDGsやライフスタイルについての連載も執筆。趣味は将棋(将棋ペンクラブのお手伝い)、お風呂(温泉ソムリエです)、読書。観る将・読む将として、将棋の魅力をお伝えしていきます!

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