【PR:ローソン×増田康宏六段】己を追い込んだ先のぬくもり。直感とデータの融合――増田康宏六段の素顔

【PR:ローソン×増田康宏六段】己を追い込んだ先のぬくもり。直感とデータの融合――増田康宏六段の素顔

ライター: 藤田華子  更新: 2022年09月01日

好きなものを口にする時間は、ホッと一息つき、素の自分に戻る時。今回は、ローソンの「からあげクン レギュラー」を食べながら、増田康宏六段の素顔に迫ります。

若き日から周囲の期待を背負い、それに応えるよう数々の活躍を見せてきた増田六段。「矢倉は終わった」「感想戦はいらない」「詰将棋は意味がない」など衝撃的な発言で将棋界を驚かせることもありましたが、その裏側には、誰にも忖度せず、真剣に、正直に、ひとりで将棋と向き合ってきた時間が。将棋のために感情を無にしようともがいた時期を経て、仲間と過ごすリラックスタイムの大切さに気づいたいまーー趣味のトレーニングシーンを撮影しながら、柔らかな笑顔がこぼれた24歳、等身大のインタビューです!

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まだまだ鍛え足りない。目指すは細マッチョな棋士

――撮影にもかかわらず、軽々とトレーニングをこなされていて日頃の鍛錬が伺えます...!

いやいや、頑張れば筋肉ってつくんですよ!パーソナルジムでトレーナーさんに追い込んでもらって、1時間ほどを週2の割合で。あとは食べ物にも気を使っています。

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――トレーニングを始めたきっかけは?

昔、痩せてガリガリだったのがコンプレックスだったんです。克服するために鍛えてみようと思って。そしたら鍛えるうちに対局後の疲労も軽減されて、これはいいなと。

――ちなみに、お気に入りの体の部位はありますか?

胸ですね。毎週鍛えているので、だいぶ厚みが出てきたと思います。胸は成果がわかりやすいので、やっていて達成感がありますよ。

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――最終的に目指されているのは、どんな体型なのでしょう?

本当はボディビルダーの体型を目指したいところなんですけど、あそこまで筋肉隆々になると、長時間正座し続けることに負担がかかるんですよ。僕も、正座を考慮して去年より6kg体重を落としたんです。なので、健康的な細マッチョを目指していけたらなと。

――すでに仕上がっているようにお見受けしますが(笑)。

いやぁ、まだまだです!

――ご自宅では、背の高いテーブルにパソコンを置き、何時間も立ち姿勢で研究すると伺いました。そしてお部屋にはそれ以外のものは置かず...ストイックさに驚きます。

僕はあまりストイックではないですよ(笑)。スタンディングスタイルは、腰の負担を減らす目的からです。けっこう集中できますし、いまのところプラスの効果が多いですね。棋士のみなさんにお勧めしたいです。

――お部屋がシンプルなのは?

滅多に、モノや服を買わないんです。今は一人暮らしですが、部屋はかなりすっきりしています。過ごしやすさや効率を重視したいのと、モノにあまり興味がないのかもしれません。あ、でも、プロテインはたくさんあります(笑)。

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筋トレの優秀なおとも「からあげクン」。
ナチュラルローソン"プロテインフェア"にも興味津々

――今日は、スイーツも選択肢にあったなかで「からあげクン レギュラー」をセレクトいただきました。やはり筋肉への影響を考慮して?

そうですね。スイーツも好きなんですが、筋トレといえば鶏肉かなと(笑)。ジムの近くにローソンがあるので、よくLチキやからあげクンを買って、お気に入りのプロテインと一緒にいただいています。意外といける組み合わせです。

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――ナチュラルローソンでは、プロテインアイテムを揃えた"プロテインフェア"を開催することもあるそうですよ。

そうなんですね!先ほども話したように、いろんなプロテインを集めていて気分によって好みのものを飲んでいます。プロテインフェアは気になりますね...。いまのお気に入りは「ウマテイン」。飲みやすくてお勧めです。

――では、「からあげクン」のご感想は?

おいしいです!もともと唐揚げが大好きなんですよね。ジューシーで食べ応えもあり、たんぱく質も摂れるなんて最高です。しかも、レギュラー以外にも季節の限定の味があるじゃないですか。飽きずに食べられるのも、嬉しいポイント。トレーニングの優秀なおともです。

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――甘いものを食べることもあるんですか?

食べますよ。体には糖質も大事なので。ローソンさんだと「どらもっち」とかも好きです。こんどナチュラルローソンさんのスイーツもチェックしますね!

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感情を無にすることはできなかった。己を追い込んだ先に感じたぬくもり

――トレーニングというと、己との戦い、ひとりで黙々とこなすものですよね。増田六段は以前、「棋士とは連絡を取り合わない」と話され、師匠の森下卓九段はそんな様子を「独立独歩」と言われていました。

若い頃は、強くなるためには感情を無にすることが大切だと思っていたんです。でもそんなことはできませんし、精神的にもキツくなってきて。睡眠が浅くなり、明け方3時くらいに目が覚めてしまうようになりました。そういった意味でも、最近は棋士や学生時代の友人とコミュニケーションして気分をリラックスさせています。

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――極端に自分を追い込んでしまっていた時期があったんですね。

私の中に、人と話す時間を研究に充てたほうが勝てるんじゃないかという理論があったんです。でも、やっぱりそんなことないですね(笑)。ちゃんと交流がないと絶対ダメ。だんだん将棋がヘンになってくるというか...リラックスできていないので、余裕がなくなって勝ち急いだりしちゃって。そうなると、負けます。

――感情をフラットに保つよう意識はできても、無にするのは難しいですね。差し支えなければ、最近笑ったことと、涙を流したことを教えてください。

笑ったのは、学生時代の友人と話した時ですかね。彼らには悩みも話せます。棋士には、軟弱に思われたくないのでなかなか本音が言えないところがあって...。でも、泣いたというか感動したことは、大地くん(佐々木大地七段)が仲裁してくれて、高見さん(高見泰地七段)と交流が持てたことですね。

――何かあったんですか?

僕の勘違いから高見さんに対して距離をとっていた時期があったんですけど、大地くんがあいだに入って話す場を設けてくれました。それがきっかけで交流が深まり、連絡を取ったり食事に行ったりするようになって。いまとなっては、あれは100%僕が悪かった。それなのに、話す機会を作ろうとしてくれたことが嬉しかったです。あの二人はとてもしっかりしているし、社交的だし、尊敬しています。

――そのお二人とは、古いお付き合いになりますよね?

いまはもう閉まってしまった、八王子将棋クラブに通っていたころからです。幼稚園から小学校4年生くらいまで、毎週土日に通っていました。

――どんな思い出がありますか?

大会で優勝すると3000円ほどの賞金がもらえるのですが、当時の僕は無双していたんです。でも途中で佐々木大地くんが来るようになり、優勝できなくなってしまいました。それが悔しかったですね。泣くこともありましたし、親に叱られたりもしました。「大地くんのほうが強いからしょうがないじゃん!」とも思いましたよ(笑)。技術面だけでなく、こうしていまも続く関係や仲間と出会えたことで、精神面も成長させていただいた場所です。

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数字だけでは、強くなれない。直感とデータをいかに融合できるか

――NBAもお好きだそうですね。

チームを作る側に興味があるんです。どういう選手を集めたら強くなるかとか、データを使った分析ですね。

――いわゆる、統計学ということでしょうか?

そうですね。最近だと、弱小球団が世界一になるまでの軌跡を描いた『アストロボール 世界一を成し遂げた新たな戦術』という本がかなり面白かったです。同じようなテーマで映画にもなった『マネーボール』は2000年代初頭の話なのですが、『アストロボール』は2013〜17年くらいに強かったチームなので内容がアップデートされた感じで。

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――どんな点が面白かったですか?

統計分析というと、選手の心情は置いておいて、データや数字を分析するイメージがありますよね。でも最近はそうではなく、スカウトマンに"直感シール"というものを渡し、データには表れない選手の特徴に注目してチームビルドをするような仕組みがあります。

――ムードメーカーだったり、陰でチームの大黒柱になっていたり、そういう選手にもスポットライトを当てるということですか?

そうです。たとえば、"デビッド・ロス効果"というもの。デビッド・ロスという選手は4年間で2回チャンピオンになったのですが、この選手自身はそこまで成績は良くなくて。なぜ2回も優勝できたか考えると、彼はとても明るく、積極的にまわりに話しかける性格に起因したのではないかと。彼のキャラクターがチームにいい影響を及ぼしたことが、いい成績につながったのではないかと言われています。

――データだけではなく人間の心の機微も見ようということですね。将棋界に普及したAIにも、つながるものがあるような...?

まさしくありますね。僕も、AI頼りになるのではなくて、人間の感覚も重視したほうがいいのではないかというのを、この本を通じて学びました。結局、統計分析で数字的にいい選手を取るだけでは、チームは強くならないということなんですよ。そしたら、将棋ではAIの手をそのまま評価して取り入れていいものなのかと考えたりしていて。かなり難しいのですが、直感とデータをいかに融合できるかが重要だと。

――AIに対する考え方に変化が?

そうですね。最初はAIを取り入れることで効果があったんですが、みんなが取り入れてくると、差が生まれなくて。いまは先ほど述べたよう、いかにAIと人間の感情を融合した人が強くなれるのかなと模索しています。

師匠との関係、家族との関係

――努力や根性論を重んじる森下九段に反発する関係が取り上げられていましたが、増田六段からはご自分の哲学を強め、進むべき道を決めていく、そんな力強さを感じます。

それはあるかもしれません。師匠の教えとして、ひとつの将棋を3回並べて、その最後に記譜ノートに書き写すというのがありました。正直効率が悪いなと思っていたので、僕の考えるやり方でやっていました。将棋に対する考えはまるっきり違うので、意見が合わなくて。師匠も「増田のやり方でやったらいい」と思ってくれていると思います。

――ご家族との関係はいかがでしょう?

母も将棋を指しますし、けっこう厳しくて。幼い頃はほぼ毎日、スパルタで将棋の問題を解かされていました。あまりテレビも観なかった。そういうことがいまに繋がっているので感謝しています。

――ストイックな一面がある増田六段ですが、感情を排除するなど、極端な方向を追求されていた時にご家族から声はかけられましたか?

あたたかく見守ってくれていましたね、感情を無にできていなかったですし(笑)。昔、加古川青流戦の決勝で稲葉さん(稲葉聡さん)というアマチュアの方に負けたことがありました。帰りの新幹線で、電光掲示板のニュースに「アマチュアの快挙」みたいなことが書かれていて、相当メンタルが参ってしまって...。そしたら、途中まで家族全員で車で迎えに来てくれて。

――お母さまはご自分で将棋を指されるので、余計に悔しさに共鳴されたのかもしれませんね。

そうですね、家族も残念な気持ちがあったと思うのですが、あたたかく迎えてくれて。感謝している記憶です。

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10問アンケート

インタビューで聞ききれなかった10の質問を、増田康宏六段に伺いました。

Q1
お名前の由来は?
増田
父親がつけてくれたのですが、元内閣総理大臣の中曽根康弘さんから"ヤスヒロ"を取ったと聞いています。あと、英語圏でも言いやすいという理由もあったみたいです。
Q2
お好きな店のお好きな一品は?
増田
忖度なしで、からあげクンかLチキでしょうか。自炊が多くて、外食はあまりしないんです。手の込んだ料理はまずしませんよ。野菜を適当に切ってスープにしたり。
Q3
お酒は飲まれますか?
増田
強いとは思いますが、ひとりではなかなか飲まないですね。最近は、飲むならば日本酒です。
Q4
NBAで、お好きなチームと選手は?
増田
 「フィラデルフィア・セブンティシクサーズ」というチームがあるんですが、そこのジェームズ・ハーデンという選手が好きですね。データによって生み出された選手というか、効率がいいシュートを打つことに長けた選手です。オールスターにも選ばれて、10年来推してますがなかなか優勝できないんですよ。そこは統計分析の限界なのかもと思います。統計って長いシーズンなら活きますが、短いプレーオフの場合は運や疲労の状況が大きい場合もありますから。
Q5
棋士になっていなかったら何になっていましたか??
増田
バスケットボールとか、スポーツのコーチですかね。戦術や戦略を考える部分が将棋と似ていて、やってみたいと思います。

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Q6
トレーニング以外の気分転換は?
増田
ピアノですね、幼稚園から習っていました。譜面を見て、GReeeeNとかJ-POPを弾いたり。今住んでいるところは楽器はダメなので、実家に帰ったら弾いています。集中力が高まり、脳にも良い影響があるかなと思っています。
Q7
尊敬している人は?
増田
アメフトの、ビル・ベリチック監督です。いま70歳くらいなんですが、常に新しい戦術に挑戦し続けて強いチームを作っているんです。成功パターンを掴んだら固定化しちゃうことも多いと思うんですが、彼はそうではない。姿勢も戦術も参考になります。
Q8
いつか行ってみたい場所はありますか?
増田
アメリカでバスケの観戦をしたいですね。いろいろなチームを観てみたいです。
Q9
10年後どのような棋士になっていたいです?
増田
ずっと勝ち続けている棋士でいたいです。ここ数年、精神的に良くない時期もあり浮き沈みが激しくて。なので、安定して勝てる棋士になりたい。加えて、佐々木大地さんの人間性も参考にさせてもらい、まわりやファンの方に親しみを持っていただけるような存在になりたいです。
Q10
今日の感想と、ファンの方にメッセージをお願いします。
増田
筋トレもできたし(笑)、すごい楽しかったです。ファッションにはふだん気を使わないので、新鮮ですね。これを機に洋服も意識していきたいなと思いました。応援してくださっている方からは、メッセージや手紙をもらうととても励みになります。自分が活躍することが一番の恩返しになると思うので、これからも頑張ります。

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写真:阿部吉泰

六段 増田康宏

増田康宏六段

1997年11月4日生まれ、東京都昭島市出身。2008年9月、6級で森下卓九段門。2012年4月三段。2014年10月1日四段。2018年5月22日六段。第31期竜王戦で4組優勝。第5期加古川青流戦準優勝。第47期、48期で新人王戦連続優勝。

ローソン×日本将棋連盟 コラム

藤田華子

ライター藤田華子

音楽雑誌の編集者を経て、現在は企業のコンテンツ制作を手掛けています。SDGsやライフスタイルについての連載も執筆。趣味は将棋(将棋ペンクラブのお手伝い)、お風呂(温泉ソムリエです)、読書。観る将・読む将として、将棋の魅力をお伝えしていきます!

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