竜王VS名人の竜王戦第3局、女流棋界の頂上決戦、藤井七段が4勝目をあげた王将戦など11月上旬の注目対局を格言で振り返る

竜王VS名人の竜王戦第3局、女流棋界の頂上決戦、藤井七段が4勝目をあげた王将戦など11月上旬の注目対局を格言で振り返る

ライター: 渡部壮大  更新: 2019年11月19日

竜王VS名人の頂上決戦は、意外にも星に差がついています。このまま豊島将之名人が奪取を決めるのでしょうか。また、里見VS西山の女流棋界の頂上決戦も進行中です。

第32期竜王戦七番勝負第3局

【第1図は△1二玉まで】

第1図は第32期竜王戦七番勝負第3局(▲豊島将之名人△広瀬章人竜王)。角換わり腰掛け銀から先手が攻め、後手が受ける展開でしたが、攻守が入れ替わって後手が形勢をリードしました。しかし、図の直前に後手に悪手が出て、逆転しています。ここから▲1三歩△同銀▲2一角が「玉は下段に落とせ」の寄せ。代えて▲2一角を先に打つと△1三玉で打ち歩詰めの局面になってしまいます。本譜は▲2一角に△同玉▲2三竜から4五の金を抜く順を実現し、先手が詰めろ逃れの詰めろを掛けることに成功しました。豊島名人は一気に3連勝です。

playback11-1_01.jpg
竜王戦中継ブログより

第41期霧島酒造杯女流王将戦三番勝負第3局

【第2図は△6五同歩まで】

第2図は第41期霧島酒造杯女流王将戦三番勝負第3局(▲西山朋佳女王△里見香奈女流王将)。角交換の振り飛車で、里見女流王将が居飛車で迎え撃ちました。先手はこの瞬間飛車が使えていませんが、▲6八飛が「戦いの起こった筋に飛車を振れ」です。次の▲6五飛を防ぐために△7六角と打ちましたが、▲7七桂と遊び駒を使って先手好調です。以下は後手の穴熊を攻略し、挑戦者が奪取。女王と合わせて二冠となりました。

第27期大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負第1局

【第3図は▲6一飛まで】

第3図は第27期大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負第1局(▲伊藤沙恵女流三段△里見香奈倉敷藤花)。序盤に駆け引きがあり、伊藤女流三段の振り飛車に里見倉敷藤花は5筋位取りとなりました。ここで△6八歩が「と金の遅早」です。以下▲4八金上に△6九歩成▲2九飛△6八と▲4五歩△3三角▲3五歩に△5八と▲同金△5七歩成で、先手の囲いを崩すことに成功しました。最後は鮮やかな寄せを見せて、里見倉敷藤花が先勝。

playback11-1_02.jpg
大山名人杯倉敷藤花戦中継ブログより

第9期リコー杯女流王座戦第2局

【第4図は△4六飛まで】

第4図は第9期リコー杯女流王座戦第2局(▲里見香奈女流王座△西山朋佳女王・女流王将)。両者は女流王将戦に続く顔合わせで、挑戦者が先勝して迎えた第2局です。先手は穴熊なので、切れない攻めを心掛ければ良い局面。ここから▲5三金が「寄せは俗手で」の確実な攻め。△7四角と投入して受けましたが、▲2一竜△4五飛▲8六桂と、打った角を目標にして好調です。以下も押し切ってシリーズは1勝1敗となりました。

playback11-1_04.jpg
リコー杯女流王座戦中継ブログより

第69期大阪王将杯王将戦挑戦者決定リーグ

【第5図は△3四飛まで】

第5図は第69期大阪王将杯王将戦挑戦者決定リーグ(▲藤井聡太七段△久保利明九段)。ここでは▲6四香が目に映りますが、△同金▲同歩△6二歩で後に△6五香などの反撃を与えるのが気になるところ。「歩切れの香は角以上」ともいいます。実戦は▲6七香と、「下段の香に力あり」でさらに力を溜めました。次に▲6四歩が強烈な攻めになります。実戦は△5五歩▲同馬△5四金と「大駒は近付けて受けよ」と必死の防戦ですが、悠々▲2八馬と逃げて歩切れを解消しました。久保九段も必死に粘りましたが、藤井七段が的確な攻めで圧倒。4勝目をあげてさらに星を伸ばしました。
最終戦の広瀬章人竜王とはともに4勝1敗同士のため、事実上の挑戦者決定戦です。史上最年少でのタイトル挑戦、獲得はなるでしょうか。

注目対局プレイバック

渡部壮大

ライター渡部壮大

高校生でネット将棋にハマって以来、趣味も仕事も将棋な人。
将棋の月刊誌、週刊紙、書籍などの編集部に在籍経験あり。
アマチュア大会の最高成績は全国ベスト16だが、もう少し上に行けないかと日々努力中。

このライターの記事一覧

高崎一生

監修高崎一生六段

棋士・六段
1987年生まれ、宮崎県日南市出身。2005年10月に四段。(故)米長邦雄永世棋聖門下。 攻める棋風を持ち味としている振り飛車党。
  • Facebookでシェア
  • はてなブックマーク
  • Pocketに保存
  • Google+でシェア

こちらから将棋コラムの更新情報を受け取れます。

Twitterで受け取る
facebookで受け取る
RSSで受け取る
RSS

こんな記事も読まれています