【王座戦第１局ダイジェスト】斎藤慎太郎王座VS永瀬拓矢叡王、千日手ではじまった第１局を制したのは？

斎藤慎太郎王座に永瀬拓矢叡王が挑む第67期王座戦五番勝負が開幕し、第１局が９月２日に行われました。斎藤王座にとって今回の番勝負は初の防衛戦。永瀬叡王は今年の5月に自身初のタイトルを獲得。王座への挑戦は初めてとなります。

持ち時間はチェスクロック使用で各５時間。使いきると60秒未満での着手になります。振り駒が行われ、永瀬叡王の先手に決まりました
（参考：王座戦中継ブログ）

対局開始、戦型は角換わり

定刻９時に対局が始まりました。戦型は角換わり。図は▲２四飛と永瀬叡王が飛車を走った局面です。先手はわずか９分で、ここまで指し進めています。

【図は35手目▲２四飛まで】

対局開始

初防衛に向け先勝なるか　斎藤王座

叡王に続き、タイトル獲得なるか　永瀬叡王

波乱の展開、千日手へ

62手目で同一局面４回となり千日手が成立しました。終局時刻は15時８分。消費時間は、▲永瀬叡王２時間46分、△斎藤王座２時間31分。残り時間は指し直し局へ引き継がれます。

【図は62手目△６五角まで】

読み勝っているのはどちらか

15時38分より指し直し局が行われました。先後を入れ替えて、斎藤王座が先手です。

図は△８八歩に対して、先手は強く▲７五歩で銀を取った局面。戦いが激しくなってきています。読み勝っているのはどちらでしょうか。

【図は37手目▲７五歩まで】

永瀬叡王が有利か

図は斎藤王座が▲４一角と放った局面。控室の佐々木大地五段は、△５一飛▲６三角成△４六香の順を予想して、「先手は居玉で、粘りが利かないように思います。後手が有利から優勢といった局面になっています」と解説しました。

【図は77手目▲４一角まで】

永瀬叡王が第１局を制す

図の局面で斎藤王座が投了しました。終局時刻は21時２分。消費時間は、▲斎藤慎５時間０分、△永瀬４時間53分。永瀬叡王が千日手指し直し局を制し、白星スタートを決めました。

【投了図は90手目△５七銀まで】

終局直後の様子

終局後インタビュー

先勝した永瀬叡王へのインタビュー

――千日手局と指し直し局、それぞれ一局を振り返っていただけますか。

そうですね。千日手局は、指してみたい作戦ではあったのですが、指し方がおかしかったのか、千日手が妥当に思えてしまって。作戦がよくなかったか、指し方がよくなかったかなと思います。指し直し局は、その場でという感じでした。

――指し直し局で２枚換えになったあたりは。

言葉が正しいか分かりませんが、後手番としては仕方がない展開かと思いました。

――これで、まず１勝ということになりました。次局以降について。

千日手局は何か失敗してしまったので、そういった失敗を減らして、棋力向上ができればいいなと思います。

指し直しの末、先勝した永瀬叡王

斎藤王座へのインタビュー

――千日手局と指し直し局、それぞれご感想をお願いします。

千日手局は、途中まとめにくいかなと思っていましたが、ギリギリでバランスが取れているんじゃないかと。指し直し局は不用意な将棋になってしまったかなと思います。序盤で思うような展開でなかったので、終始、指しにくいと感じました。粘れる順を探したのですが、なかなか厳しかったです。

――序盤の誤算というのは。

▲６六歩を手拍子でやってしまったのが、いちばん反省点だと思います。

――第２局以降について。

指し直し局のような序盤は危険だと思いますので、また研究して、次局以降は修正していきたいと思います。

淡々とインタビューに応じる斎藤王座

第２局は９月18日(水)に大阪府大阪市「ウェスティンホテル大阪」で行われます。

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今回の将棋飯まとめ

昼食

斎藤王座は、陣屋カレー（ビーフ）・アップルジュース・ウーロン茶をオーダー

永瀬叡王も陣屋カレー（シーフード）。飲み物はアイスコーヒー・グレープフルーツジュース・抹茶

午後のおやつ

斎藤王座：チーズケーキ、ホットコーヒー

永瀬叡王：チョコレートケーキ、抹茶

夕食

両者とも「天 稲庭うどん（温）」を注文した

永瀬叡王の盤側に用意されたバナナ

第67期王座戦五番勝負日程

王座戦ダイジェスト