良い駒の見分け方とは?駒師に聞く将棋駒の魅力と駒作りの奥深い世界

良い駒の見分け方とは?駒師に聞く将棋駒の魅力と駒作りの奥深い世界

ライター: 津持大和  更新: 2018年08月08日

将棋に欠かせない道具といえば「駒」ですよね。「将棋を指すなら、良い駒で指したい」「駒を自分で作ってみたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、駒作りが体験できるということで「将棋駒研究会」(以下「駒研」)の定例集会に潜入し、駒の魅力などを教えてもらった後、実際に駒作りを体験してきました!

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会場となった目黒区民センターの和室には多くの人が集まりました

駒選びのポイントとは?

駒作りを体験する前に、将棋の駒についていろいろと教えていただきました。駒の価値は、製法(彫駒、盛上駒など)、材質(黄楊、プラスチックなど)、書体、作者などによって決まるとのこと。一般的に良い駒と呼ばれる駒は、木目が綺麗、字が読みやすい、見ていて疲れない、光沢感が良いものと教えていただきました。地域によっても好まれる書体が違うそうで、関西のほうでは太文字の書体が人気だそうです。

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左の書体が菱湖(りょうこ)で右の書体が錦旗(きんき)

駒作り歴41年の増山雅人さん(号:酔棋(すいき))に駒選びについてのお話を伺うと「駒は使うたびに味わいが深まります。使い込まれた駒が1番良い駒で、どんな高価な駒も使わなければ輝かない。書体や彫り方、素材は人や地域によって好みがあるから自分が良いと思った駒を使い続けることをおすすめします。使われてこそ名駒ですからね。」とアドバイスをいただきました。

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駒の魅力を参加者に伝える増山さん。

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増山酔棋さんが1番よく使っている自作の駒(龍山安清書島黄楊虎杢盛上駒)

超入門講座で駒作り体験!

駒研では、不定期で「超入門講座」を開催しており、駒作りを体験できます。先輩会員の方が丁寧に作り方を教えてくれました。

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超入門講座には女性も含め多くの方が参加していました。

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駒研を創設した大ベテラン駒師・北田義之さん(号:如水)の職人技が間近で見れました。

講座では、大まかな駒作りの流れを学んだあと、実際に文字を彫りはじめました。参加者は「素材が思った以上に硬く、まっすぐ彫ることにも一苦労しました。」と駒作りの難しさを口にしていました。

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駒作りを体験する参加者

思っていたより簡単に駒作りを始めることができ、やればやるほど駒作りの魅力にハマりました。趣味として続けることができるので、興味があればぜひ経験して欲しいですね。」と話すのは駒作りを始めて3か月の現海(げんかい)さん。現海さんは自作した駒を持ってきており、先輩会員の駒師の方に改善点などを熱心に聞いていました。

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現海さんが作った駒は3か月でここまですごいものが作れるのかと驚かせてくれました。

駒作りとは、空間を生み出すこと。

大ベテランの会員でプロの駒師として活躍する蜂須賀薫さん(号:蜂須賀)は自分で良い駒を作って使いたいと思い、駒師になったそうです。蜂須賀さんは「次はもっと良いものが作れるんじゃないか、と思い一生懸命作り続けていたら37年経っていた。駒作りはやっていくうちに面白さが分かるし、駒を作り出すと名作と言われる駒の価値が本当にわかるようになるから、駒に興味がある人は一度作ってみてほしい。」と話していただけました。

最後に「駒作りとは、ただ文字を彫るだけではなく、駒という空間を作るもの。作れば作るほど奥が深くて終わりがないと思います。今まで完璧と言える駒は作ったことがないので、死ぬまでには絶対に気に入ったものを作りたいと思っています。」と駒作りの奥深さを語っていただきました。

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現海さん(右)が作った駒を褒める蜂須賀さん(左)

触れることでわかる駒の魅力

「駒には対局で使うだけでなく、伝統工芸や文化としての価値もあります。」と駒の魅力について語るのは、将棋駒研究会・会長の稲垣忠之さん。実際に駒に触れて五感を使って将棋を指すことでわかる将棋や駒の魅力があるので、是非駒に触れてみてほしいとおっしゃっていました。

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将棋駒研究会・会長の稲垣さん

駒研は3か月に一度、定例集会を開催しています。会員でなくても参加できるので、駒や駒作りに興味を持った人は一度足を運んでみてはいかがでしょうか。今まで知らなかった駒の魅力をたくさん知ることができ、将棋の楽しさが増すこと間違いなしですよ。

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津持大和

ライター津持大和

福井県出身。大学から将棋を本格的に始めた居飛車党。将棋と野球と漫画が好き。着物姿で将棋を指すことが夢。

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