将棋コラム

若手棋士ユニット「西遊棋」が手がける、女流王座戦の現地イベントが面白すぎ...5つの魅力をまとめて紹介!

若手棋士ユニット「西遊棋」が手がける、女流王座戦の現地イベントが面白すぎ...5つの魅力をまとめて紹介!

更新: 2016年12月11日 08:30

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女流王座戦五番勝負では大阪の老舗料亭「芝苑」での対局が4年連続となっています。そこで行われる現地イベントは例年関西若手棋士ユニット『西遊棋』が主体となって開催されていますが、会場の素晴らしさと内容の充実ぶりに毎年多数の応募が集まり、抽選必至の人気イベントとなっています。

今年の第6期女流王座戦では、11月3日の第2局が芝苑での対局となりました。今回のコラムでは、『西遊棋』の紹介も兼ねつつ、芝苑での現地イベントの模様をレポートします。

大阪の老舗料亭 芝苑とは

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芝苑は大阪市北区西天満にある老舗料亭です。将棋界とも縁が深く、かつて2005年2月4日に行われた第30期棋王戦、谷川浩司棋王対羽生善治二冠の対局が行われた場所としても知られています。女流棋戦では2009年第2期マイナビ女子オープン第2局、矢内理絵子女王対岩根忍女流二段との対局も行われています。そして女流王座戦では第3期以降、毎年恒例の対局場となっています。

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日本将棋連盟は2006年に将棋の普及や振興に貢献した個人や団体をたたえる第13回大山康晴賞を芝苑に贈っており、1階のロビーにはその表彰状が飾ってありました。

関西若手棋士ユニット『西遊棋』とは

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写真右から山崎隆之八段、都成竜馬四段、長谷川優貴女流二段、和田あき女流初段、室田伊緒女流二段、宮本広志五段

西遊棋は、2013年に関西の若手棋士たちが立ち上げた、新しい将棋の楽しみ方を提案するユニットです。これまでにも関西を中心に各地で将棋イベントを開催し、ニコニコ生放送への出演や、ライトノベル『竜王のおしごと!』の監修、Twitterアカウントでは週替わりでメンバーが担当するなど、多方面にわたって将棋の普及のために活動を続けています。

芝苑での女流王座戦の現地イベントは例年『西遊棋』メンバーが中心となって企画されています。若手棋士ならではの感性とファンサービスがイベントの随所に溢れており、まさに「新しい将棋の楽しみ方」を提案する場となっているのです。

魅力1.対局者と同じ建物で指導対局を受けれる

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山崎隆之八段と和田あき女流初段による大盤解説会(2階 加賀百万石の間)

午前中はこの2人が担当でしたが、午後からは解説者が度々入れ替わりながら終局まで解説会が続きます。

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大盤解説会場とは別室の「白峰」で指導対局会も行われました。タイトル戦が行われているその同じ建物で、しかも和室で正座しながらプロ棋士と一局の将棋を指せるとあって、まるで自分が棋士になったかのような気持ちになれます。

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指導対局中の宮本広志五段

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指導対局中の都成竜馬四段

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指導対局中の室田伊緒女流二段

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指導対局中の長谷川優貴女流二段

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指導対局中の和田あき女流初段

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別室で行われたサイン会の様子

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真剣な表情で筆を走らせる山崎隆之八段

サイン会では棋士のサイン色紙や直筆扇子を書いていただけることはもちろん、どんな揮毫にするかを棋士にリクエストしたり、ちょっとした雑談ができるなど、短時間ではありますが、棋士とファンとが直接交流できるのも大きな魅力です。芝苑でのイベントではサイン会の時間もたっぷり取られているので、別室でゆったりとサイン会を楽しむことができます。中には参加棋士全員のサインを入手するファンの方もいらっしゃいました。

魅力2.対局者と同じ昼食とおやつが食べれる

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芝苑での現地イベントの魅力、それは豪華な昼食です!お昼にはイベント参加者が5階の成巽の間に移動し、一緒に豪華ランチをいただきます。特製弁当とお吸い物、デザートのアイスクリームがふるまわれ、参加者は高級料亭の味に舌鼓を打っていました。また、みなさん同じ場所で昼食を取るので、ファン同士が交流する場ともなっています。さらに、15時ごろには1階の茶室、神琴の間で、お茶と柚子饅頭を楽しむこともできるのです。

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琴の間でイベント参加者と一緒に柚子饅頭をいただく室田伊緒女流二段

タイトル戦の対局者が食べている昼食やおやつと同じものを食べることができるというのは、ファンにとっては本当に嬉しく、貴重な体験なのです。

魅力3.昼食休憩後に対局場の見学ができる

芝苑での現地イベントでは、昼食休憩後に短時間ではありますが、対局の様子を見学することができます。タイトル戦が行われている対局室に実際に入って間近で対局の様子を見られるのは、本当に貴重な機会であり、このイベントの最大の醍醐味かもしれません。

対局中の張りつめた空気や緊張感を実際に肌身に感じることができる、将棋ファンにとっては本当に特別な時間となっています。見学は何グループかに分けて少人数で行われます。運が良ければ実際に対局者が着手する瞬間を見ることができますよ。

魅力4.現地イベントならではの飛び入りゲストに会える

タイトル戦の現地イベントといえば、控室に来てくれた棋士が解説会に飛び入りゲストとして登場してくれることがあります。
今回の芝苑でのイベントでも数々の棋士が飛び入りで参加してくれました。

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稲葉陽八段

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糸谷哲郎八段

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千田翔太五段は宮本広志五段とコンビで解説

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石本さくら女流2級は森信雄七段門下では3人目の女流棋士です。兄弟子の糸谷哲郎八段と解説

魅力5.終局後、和服姿の両対局者から解説が聞ける

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芝苑での現地イベント、なんと終局後に両対局者が大盤解説会場に来てくれました。しかも、今回の対局では両者和服。華やかな二人の姿を収めようとカメラを構えるファンがたくさんいました。

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加藤桃子女流王座

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里見香奈女流四冠

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大盤を使って対局のポイントとなった局面を振り返ります。勝敗を分けた局面について、対局者自身の見解を直接聞くことができるので、ファンにとっては本当にありがたい限りです。

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最後に両対局者から、第3局に向けての抱負が語られました。

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そしてイベント終了。西遊棋メンバーがそろって閉会式。指導対局会、サイン会、昼食、対局見学、おやつ、そして棋士が入れ替わりで楽しませてくれた大盤解説会と、充実のイベントでした。

募集人数が45人と、ファンにとっては狭き門である、芝苑での現地イベント。参加費は大人 10,000円 女性 7,000円 中学生以下 5,000円と、現地イベントの中でも高額ではあるのですが、毎年参加希望者が多数申し込み、高倍率の抽選が行われています。普段なかなか訪れることができない老舗料亭で、朝から晩まで棋士の間近で過ごすことができるこのイベント。この日のためにわざわざ遠方から参加している将棋ファンも多数います。ここでしか味わうことのできない食事やおやつ、対局の見学など、ファンなら一度は経験してみたいものですね。芝苑での現地イベントが来年も開催されたら、申し込む一手ですよ!

直江雨続

ライター直江雨続

フォトグラファー/ライター。
2007年ごろよりカメラを片手に将棋イベントに参加してきた『撮る将棋ファン』。
この10年間で撮った棋士の写真は20万枚以上。
将棋を楽しみ、棋士を応援し、将棋ファンの輪を広げることが何よりの喜び。
『将棋対局 ~女流棋士の知と美~』や女子アマ団体戦『ショウギナデシコ』で公式カメラマンを務める。

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