この3つを学べば、初心者卒業!序盤を学ぶために、必ず知っておくべきこととは?

この3つを学べば、初心者卒業!序盤を学ぶために、必ず知っておくべきこととは?

ライター: 佐藤友康  更新: 2016年12月17日

将棋を学習しようとすると、さまざまな戦法・戦型があったり、終盤があったり、何から手を付けようかと迷ってしまいます。このコラムでは、序盤の学習に絞り、楽しく覚えていくための指針をお伝えします。

将棋の一局の流れを把握しよう

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まず、将棋の一局をざっくりとご説明します。駒を並べ終わって振り駒で先手後手を決め、「お願いします」から一局は始まります。「序盤」「中盤」「終盤」を経て、投了によって終局となります。どこからどこまでが序盤、中盤、終盤なのかという明確な定義はありませんが、大体のイメージはつかんでおくと良いでしょう。

  • 「序盤」とは?

初期配置からのおよそ20手~30手までを序盤と言います。駒がまだぶつかり合わず、お互いに攻めの形と守りの形を作っている段階です。この最初の段階、戦うために自分の陣形を整備していくことを「駒組み」と言います。今回はこの序盤の学習方法を解説していきます。

  • 「中盤」とは?

駒組みが終わり、駒がぶつかり始めたら中盤に入ったと言えます。歩の交換に始まり、桂馬や銀を前に進めて相手の駒と交換したり、駒を取り合ったりします。一気に玉に向かっていくというよりも、少しずつ相手よりも優位に立とうとお互いの戦略をぶつけ合う段階ですね。

  • 「終盤」とは?

持ち駒を多く持ったり、大駒を成ったり、玉の囲いがはがれ始めたりすると終盤です。将棋は相手より一手でも早く詰ました方が勝ちですから、駒の損得よりもスピードを重視します。中盤で蓄えた駒をうまく使い、相手玉を詰ませるように考えていきます。

  • 終盤が終わると・・・

玉を詰まされたら、「負けました」と声に出して宣言します。これを「投了」と言いますが、投了することで、対局が終わります。終わった後は、指したばかりの一局を振り返る「感想戦」を行い、お互いの研鑽に励みます。このように、将棋の序盤~中盤~終盤、そして終局と進んでいきます。では、前段はここまで。話を元に戻しまして、序盤の学習で覚えておきたい3つのことをお伝えしていきます。

1.序盤を学習するメリットについて

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将棋をいざ指すときに、どの駒から動かそうかなと考えて、迷ってしまうことがあると思います。とりあえず大きく動ける、飛車や角を動かしたくなったりしませんか? それもないわけではありませんが、飛車や角だけの攻めはうまくいかないことが多いです。序盤では陣形を整備して、駒が効果的に働ける形を目指していきましょう。序盤を学習するメリットは次の点が挙げられます。

  • 玉を囲えれば負けづらい

玉を他の駒で守ることを「囲う(かこう)」と言います。玉を詰まされると負けとなってしまうゲームですから、なるべく安全な状態にしておいた方が、有利に戦えるのです。玉を囲うことで、いきなり攻めつぶされて負けるということは少なくなります。玉がある程度安全になるまで囲う意識を身に付けましょう。

  • どんな将棋でも序盤は必ず通る道

初形からの30手ほど、駒がぶつかるぐらいまでを序盤と言いますが、どんな将棋でも必ず序盤を通ります。序盤を少し学習して、自分の好みの形を作ることができれば、それだけ戦いやすくなるわけです。相手がいる勝負なので、ある程度は対応する必要がありますが、まずは自分の基本形を身につけましょう。

  • 序盤は定跡化されていて覚えやすい

序盤は初形からの変遷なので、定型的なものも多いです。過去の将棋の歴史で多く指され、研究されている手順があります。将棋ではこれを「定跡(じょうせき)」と呼びます。序盤は定跡化されているので覚えやすく、書籍も多く出ているので、一手一手の意味を理解しつつ覚えることができます。

2.真似から入って序盤を学習する方法について

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  • 好きな「飛車の位置」を探す

最も強力な攻め駒は「飛車」ですから、戦法を決めるのは「飛車の位置」が重要なポイントです。初形のそのままの位置で飛車を使う「居飛車」なのか、左の方に移動させて飛車を使う「振り飛車」なのか、どういう形が戦いやすいのかをいろいろ試して探してみましょう。まずは、本やタイトル戦で見たようなものを真似してみて、感覚として「好き」で選ぶのもいいです。

  • ひたすら同じ戦法を指してみる

好きな形が決まったら、その形に絞って、ひたすら同じ戦法を指してみましょう。10局程度指すうちに、どういう場合にうまくいくか、うまくいかないかが分かってきます。うまくいく方法はその指し方を続ければいですし、うまくいかない場合でも「どこを学べば良いのか」が分かるようになります。ですから、漠然と学ぶよりもポイントを絞って効率的に習得することができるようになります。

  • 好きなプロ棋士を探す

NHK将棋トーナメントやタイトル戦のニコニコ生放送での中継など、プロ棋士を見られる機会は数多くあります。解説が面白かったり、雰囲気が好きだったり、なんとなく戦い方が好きだったり・・・きっかけは何でもよいですので、気になった棋士の得意な戦法を真似してみてはいかがでしょうか。以下に、プロ棋士の一部をご紹介します。

【居飛車党】 渡辺明竜王(棋王)、佐藤天彦名人、羽生善治三冠、郷田真隆王将
【振り飛車党】久保利明九段、藤井猛九段、鈴木大介八段、菅井竜也七段、里見香奈女流五冠、甲斐智美女流五段、室谷由紀女流二段

男性棋士は居飛車党が多いですが、逆に女流棋士は振り飛車党が多いです。棋譜中継アプリなどで、棋譜を眺めていると、よく見るプロ棋士を応援したくなってくるかもしれません。応援するプロ棋士がはっきりすれば将棋により強い関心を持てますから、棋譜を多く見るようになり、自然と棋力が上がっていきます。

3.棋力UPの公式について 「知識×実戦×振り返り」

  • まずは実戦ありきで強化ポイントを探る

いきなりたくさんの手を覚えようと思っても、経験が少ないとポイントが絞りづらいです。なんとなくでも覚えたら実戦で指してみることをおススメします。覚えた手をうまく使えるのかどうか、有効なのかどうか、試してみることで多くのことに気づけます。

  • 実戦を行った際は、必ず振り返る

対局を振り返ってこそ、ポイントに気づくことができます。可能な限り、棋譜を取りましょう。インターネット将棋では、棋譜を自動で記録できるものが多いです。棋譜を見て振り返り、どういう手順でうまくいったのか、いかなかったのかを認識しましょう。自分で振り返るだけでなく、将棋のソフトを使えば棋譜解析も可能です。局面の有利・不利を数値で表した「評価値」によって、どこで有利になってどこで不利になったのかが一目瞭然になります。

  • ポイントを絞って必要な知識を得る

振り返りでポイントを理解できれば、必要な知識が分かってきます。あとはその戦法について、上位者に聞いたり、詳しく書いてある自分に合ったレベルの本を探したりして、知識を得ていきましょう。将棋ソフトを使ってどんな候補手があったのかを調べるのも有効な学習方法です。

  • 覚えた知識を身に付けるよう、実戦を行う

知識だけ持っていても、実戦で使えなければ意味がありません。覚えたことを定着させるために、実戦を指しましょう。何度も何度も繰り返していくうちに身に付き、少しずつ自信を持って指せるようになり、勝てる回数も増えていくことでしょう。

序盤を身に付ければ、初心者レベルは卒業

いかがでしたでしょうか。序盤を学習することでのメリットと、ある程度のイメージはつかめましたか。序盤を身に付ければ、級位者とも互角に戦える形になりますから、初心者レベルは卒業したと言っていいでしょう。少しずつ、着実に覚えて、自分なりの形を指して将棋を楽しんでほしいと思います。

佐藤友康

ライター佐藤友康

3歳から将棋に触れ、将棋とともに幼少期を過ごすものの、途中、長い長いブランクを経て、27歳で将棋復活。 2015年4月より、池袋で20代・30代に向けた将棋普及活動『将Give』を主催・運営する。 将棋の楽しさ・面白さ・奥深さに深く感動し、将棋普及と将棋を通じた社会貢献・人間的な成長の応援を使命とする。

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