【PR:ローソン×松尾歩八段】棋士としてのたしかな歩み、人としてのやさしい歩み――松尾歩八段の素顔

【PR:ローソン×松尾歩八段】棋士としてのたしかな歩み、人としてのやさしい歩み――松尾歩八段の素顔

ライター: 藤田華子  更新: 2022年07月07日

好きなものを口にする時間は、ホッと一息つき、素の自分に戻るとき。今回は、ローソンの「からあげクン レギュラー」が初登場です!ふだんこちらを晩酌のおともにしているという、松尾歩八段の素顔に迫ります。

パーマをあて無造作にセットされた髪を掻き上げ、低音ヴォイスでゆっくりと想いを語る。趣味はお酒、タバコ、読書。こんなに無頼派な棋士は、彼しかいない――。 これまで三段リーグを一期で抜けてプロ入りした棋士はたったの6名、そのうちのひとりが松尾八段です。2001年度に新人王戦で優勝。将棋大賞新人賞、升田幸三賞を受賞。こうして始まった棋士としての歩みと、人見知りだった少年の人としての歩みを伺いました。夏の黄昏時、ハイボールを片手に松尾八段と静かに語らうようなインタビューです。"セクシー"と呼ばれる由縁となった、低くなめらかなお声を想像してご覧ください。

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欠かせないお酒と運動。「からあげクン」を食べながら

――松尾八段がお酒好きという話は将棋ファンのあいだでは有名です。ふだんどなたと飲まれることが多いですか?

コロナ禍になってから棋士と飲む機会が減って、行きつけのバーで一人で飲んだりしています。

――松尾八段が口にすると、「行きつけのバー」というワードがいっそうかっこよく響きますね...。

ふふふ。いい年齢ですから、行きつけの一つや二つはありますよ。

――よく飲まれるのは?

もっぱらウィスキーで、『シーバスリーガル ミズナラ』が好きですね、ハイボールにすることが多いです。

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――特別な日に飲む銘柄があったり?

それは特にないんですが、良いことがあった時は飲みすぎてしまいます。酔っても人に絡んだりはしないのですが、陽気になるほうで。気の合う人と話していると、だいぶ阿呆な...ちょっとここでは言いにくいですね(笑)。

――どうなってしまうのでしょう...(笑)。

たまたま先日、阿久津さん(阿久津主税八段)と将棋を指してから飲みに行きました。後輩のことなど将棋の話題が多いですが、「お互い丸くなりましたね」って言い合ったりして(笑)。奨励会の頃から、もう25年近くの付き合いですから。

――お気に入りのおつまみを教えてください。

好き嫌いはないのでなんでも食べますが、肉野菜炒めは好きです。あと、コンビニで手軽に買えるものとしてはローソンさんの「からあげクン」。ハイボールとよく合うんですよ。

――今日はお好きなお酒をテーマにした撮影です。先生、どうぞ!

いいんですか?

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...うーん...おいしいっす。酒飲みにはたまりませんね、この組み合わせ。(また一つ食べ、ハイボールを一口)ホント合うなぁ...。「からあげクン」って期間限定の味もあるから、その時々で何を食べようか選べて楽しいですよね。

――オーブントースターや電子レンジで温めると、揚げたてに近い食感になるそうです。

へぇ、そうなんですね!このままでもじゅうぶんおいしいですが、揚げたてはまた格別でしょうね。カリッとした軽い感じの衣の食感と、ハイボールがたまらなさそうです。こんどやってみます。

――おうちで晩酌する際は、TVを観ながら?

YouTubeが多いですね。芸人のチョコレートプラネットさんのチャンネルや、筋トレのメソッドを紹介している動画です。あとは本を片手にとか。

――ご自分でお料理をすることも?

コロナ禍で、いっとき料理に凝ってチンジャオロースを作ったりしていました。冬は鍋ですかね、栄養バランスも良いですしラクなので毎日のように食べていました。

――最近、運動もされると伺いました。

食べ過ぎて5kgほど太ってしまって...このままではマズいなと思い、ジムに通い始めました。ここ1年はパーソナルトレーニングです。マンツーマンだと怠けられないのでいいですよ(笑)。肩や胸に筋肉がついて、自分的には体が変わってきたように感じています。

――そういえば、「からあげクン」は国産の鶏胸肉を使っているのでタンパク質も豊富です。鶏胸肉の皮を取り除いているので、低カロリー・低脂質といううれしい情報も。

あっ、そうなんですね。トレーニング後にもぴったりじゃないですか。おつまみにする罪悪感も減って、ますます晩酌にもってこいですね!

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"棋士っぽくない"雰囲気を目指し、自然体の自分にできることを

――ご趣味が読書とのことで、お気に入りの本をお持ちいただきました。

20代では小説ばかり読んでいました。たとえば、東野圭吾さんや伊坂幸太郎さん。村上春樹さんは何回も読んでいます。

――佐々木大地七段は、以前この連載で「村上春樹さんは自分にはまだ難しかった」とおっしゃっていました。どんなところに惹かれますか?

うまく言葉で説明できないのですが、独特な雰囲気が好きですね。『ダンス・ダンス・ダンス』は...なんかそうですね、自分の感覚に合っている気がして。ジョージ・オーウェルの『 一九八四年』はまだ読み始めたばかりですが、名著と言われていて。「松尾、こういう難しいのも読んでるぞ」ってことで持参しました(笑)。

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――科学の本も読んでいるとか。

運動が脳に与える影響や、食事と脳のパフォーマンスの関係とか、将棋に結び付けて読むことが多いです。20代はがむしゃらに将棋の勉強をして技術を高めていけば順調という感覚があったのですが、だんだん成長を実感しにくくなってきました。そうした時に、技術だけではなくほかのことも工夫していきたいと思って。

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――なるほど。そんな中で、重要性を感じているものはなんですか?

運動のほかは、睡眠ですね。対局の前日はしっかり寝て、対局当日も昼食時間に昼寝したり。眠る前にコーヒーを飲んで、15分間仮眠をするのが良いと聞いたことがあります。この習慣は長く続いています。

――先ほど20代の頃との変化を伺いましたが、年々セクシーさに磨きがかかっているように感じます。それは人間的に培われたものから醸し出されると思います。どのようにお歳を重ねてこられましたか?

いやぁ、まさか自分にセクシーという形容詞がつく日が来るとは思ってもいませんでした。私は子どもの頃から、内向的であまり友人も多くなく、人見知りも激しくて。

――Wikipediaにも"ものすごく人見知り"と書いてありました。

ああ、そうなんですよ。20代になっても、特に将棋界の外に友人を作る感じでもなかったです。でもだんだんお酒を嗜むようになり、バーに行ったりして、30代半ばから社交性がついて変わってきたのかなと思います。20代の頃はバーに行くのにも緊張していましたが、年齢を重ねて経験値が上がり、そこまで不安に感じることはなくなりました。

――ファッションがお好きになったのも、その頃から?

そうですね。たとえば、昔は今日の撮影にアクセサリーを身に着けて行くかどうか迷いがあったと思うんですけど、今は写真的にハマらなかったら取ればよいかなと。そういった意味で、だいぶラクになりました。

――自意識との折り合いがついてきて、軽やかになったということでしょうか。

そうです、そうです。

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――将棋界で長髪は目立つ存在だと思うのですが、おこだわりが?

自分はもともとズボラな人間なんですけど、ずっとお願いしている美容師さんの提案でパーマをかけることにしたんです。そしたら、日々の髪型のセットがラクになりまして。この長さだとちょっと伸びてもヘンにはなりにくいので、こだわりというよりもスボラな性格によるところが大きいですね。

――お洋服など身に着けるものはどうセレクトしていますか?

そこまでこだわりがあるわけでもなく、なんとなく好きなものを着ています。その中で夏は、少し派手目の柄のシャツを着たくなりますね。

――今日お召しのシャツは、Twitterのアイコン写真のお洋服ですよね。お気に入りですか?

そうですね。というのと、あまり手駒が多くないので(笑)、写真を撮っていただくのなら比較的新しいこのシャツがいいかなと。

――足首にはアンクレットも!

先ほどあまりこだわりはないと言いましたが、実は"棋士っぽくない"雰囲気を醸し出したい気持ちがあるんです。なんとなく将棋って地味なイメージもあると思うので、そうではない雰囲気の人がいてもいいのではないかなと。そうすることで、将棋に興味を持っていただくハードルが少しでも低くなればいいですよね。

――素敵です。将棋と離れたところでは、どんなふうに歳を重ねていきたいですか?

そこまで考えたことはないですが、早く老け込みたくないというか、元気でいたいですね。お世辞でも「若く見える」とか言われるとうれしいです(笑)。

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――竜王戦の時、東京遠征中だった高田明浩四段が松尾八段の対局を熱心に見守り、「松尾先生のカッコよさはズルい」と愉快にひがんでいたとこぼれ話で拝見しました。

ええっ、そんなこと言ってくれていたんですか!うれしいな。彼が岐阜出身で、私は愛知出身なので、少し地元の話をしましたよ。

――地元・愛知県日進市は、松尾八段にとってどんな場所ですか?

名古屋駅から自分の家まで1時間くらいなのですが、自然が豊かな場所ですね。田畑が広がっていて、川沿いの道に牛舎があったり。たまに実家に帰ると、心が落ち着きます。

――お父様は物理学の教授だと伺いました。

そうです。名古屋大学で物理学の教授をしている父、ムードメーカー的な存在の母、姉という家族でした。子どもの頃、父にどういう研究をしているか聞いたのですが難しくて(笑)。ただ、そんなに口数は多くないですが、何事も順序だてて論理的に話すところは私も影響を受けているように思います。一番最初に将棋を教えてくれたのも父でした。

――棋士人生で、ご家族からの支えはどんなものがありましたか?

私は16歳で高校を中退して東京で一人暮らしを始めましたが、当時、両親には高校は卒業してほしいと言われていたんです。ただ、話をしたり、私の姿勢を見ていてでしょうか、「息子がやりたいのであれば応援する」と全面的にバックアップして送り出してくれたのはありがたかったです。棋士になってからは、元気でやってくれればと見守ってくれていますね。

――東中野にあるお好み焼き店『侍゛(ざむらい)』が主催する将棋イベントでは、決勝戦で和服になられていましたね。黄色い声援が聞こえました。

もともと好きなお店なので、自分は何ができるかなと考えていて。ほかの棋士、たとえば木村さん(木村一基九段)ですとかはサービス精神旺盛で解説もお上手ですが、自分はまだそこまで余裕がないので...無理なくできることを、自然な感じにさせてもらっています。本当はもう少しパフォーマンスの幅を広げられたらなとも思うのですが、これからですね。

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――人見知りというお話でしたが、イベントなどではスイッチを切り替えているんですか?

昔は気合を入れなくちゃなどと、大勢の方の前で挨拶をするだけでもとても緊張していました。今も緊張しないことはないですが、だいぶ慣れてきたかなと思います。

――第5回ABEMAトーナメントでは、佐藤康光会長と、山崎隆之八段からドラフトでご指名が入りました!

指名していただけるとは思っていなかったので、びっくりしましたね。山崎さんからは、事前に「指名しようと思う」とお話をいただいていたんですが、その時までそんなことないだろうと思っていましたので。佐藤さんからご指名いただいたのは意外でした、個人的な交流もあまりないので。自分的には今回のドラフト会議では今まで選ばれていなかった人も選ぼうとしている人が多いのかなという印象ですが、どんな理由であれ、顔を浮かべていただいたのは単純にありがたいです。

――チーム山崎は、阿久津先生と3名で厄年同世代で。どのような雰囲気ですか?

山崎さんとは関西と関東で離れていて、そこまで話す機会はなかったんです。でも、年が近いので楽しいですよ。そういう意味でも貴重な機会です。

――ここまでお話を伺い、松尾八段、すごくお言葉を選びながらお話ししてくださっている印象があります。何か意識されていることがあるのでしょうか。

あぁ......自分の発言が誰かを傷つけてしまうことがないか、不快な思いをさせてしまうことがないかは、多少は念頭においてお話ししているつもりです。すごく難しいことだと思いますが、意識するとしないとでは違うと思うので。これからも気をつけていきたいところです。

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10問アンケート

インタビューで聞ききれなかった10の質問を、松尾歩八段に伺いました。

Q1
お名前の由来は?
松尾
「一歩一歩着実に歩んでいくように」という意味合いと、父の名前が「進」なので、ふたり合わせて「進歩」という字になるようにと聞きました。
Q2
お好きなお店のお好きなメニューは?
松尾
将棋ファンの方にはお馴染み『ほそ島や』さんのカレーですかね。あとは、原宿にある『SHANTi』というお店のスープカレーです。将棋会館からも近いですよ。
Q3
お好きな俳優さんは?
松尾
あまり考えたことなかったですけど、舘ひろしさん、豊川悦司さんが好きでしたね。ドラマでかっこいいなと思った記憶があります。
Q4
棋士になっていなかったら何になっていたと思いますか?
松尾
想像がつかないですね。活動的なタイプではないので、営業職よりもデスクワークなど事務系のお仕事でしょうか。
Q5
学校の勉強では、何の科目が得意でしたか?
松尾
国語だったと思います。数学、体育、音楽はダメでした。全般的にあまり得意ではなかったです。
Q6
身につけたいスキルは?
松尾
船江さん(船江恒平六段)が公認会計士の資格を取得されましたね。とても努力されたと思いますし、自分は数字に弱いからハードルが高いのですが、そういう専門的な資格には憧れます。
Q7
いつか会ってみたい人、尊敬している人は?
松尾
あまりいないかもしれないです。有名な方をすごいなと思っても、近い人と話すことで満たされているんだと思います。
Q8
行ってみたい場所はありますか?
松尾
沖縄と屋久島ですね。まだ行ったことがないんです。
Q9
10年後にどんな棋士になっていたいですか?
松尾
難しいと思いますが、今よりは強くなりたいです。そして、そう思う感覚を失いたくないですね。せっかく好きで始めた将棋ですし、うまくいかない、しんどい時にも腐らずに。
Q10
ファンの方へメッセージをお願いします。
松尾
いろいろな方に将棋を観ていただく機会も増えて、ありがたいと思います。将棋を指す方、観るのが好きな方、どんなかたちでもいいので、今後も興味を持ち続けてもらえたらうれしいです。そして欲を言えば、何かのきっかけで指すことも始めて、楽しむ幅を広げていただけたらと自分は思います。今日は仕事でこんな機会をいただけて光栄です。自分も将棋をもっと頑張りますので、今後もよろしくお願いします。

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写真:阿部吉泰

八段 松尾歩

松尾歩八段

1980年愛知県出身。所司和晴七段門下。1994年6級で奨励会入会。1999年、 第24回三段リーグに参加し、14勝4敗の1位で四段昇段。三段リーグ一期抜けという成績を収めた。2001年度、第32回新人王戦で優勝。将棋大賞は、新人賞、升田幸三賞名局賞特別賞を受賞。 低く優しい美声から、将棋ファンに「セクシー」と呼ばれる。趣味はお酒、タバコ、読書。


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ローソン×日本将棋連盟 コラム

藤田華子

ライター藤田華子

音楽雑誌の編集者を経て、現在は企業のコンテンツ制作を手掛けています。SDGsやライフスタイルについての連載も執筆。趣味は将棋(将棋ペンクラブのお手伝い)、お風呂(温泉ソムリエです)、読書。観る将・読む将として、将棋の魅力をお伝えしていきます!

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