「誰でも楽しむことができる将棋が好き」加藤結李愛女流初段が語る将棋の魅力とこれからの夢【女流棋士とデザート】

「誰でも楽しむことができる将棋が好き」加藤結李愛女流初段が語る将棋の魅力とこれからの夢【女流棋士とデザート】

ライター: マツオカミキ  更新: 2019年10月18日

女流棋士とデザート

ローソンのデザートを食べながら、和やかな雰囲気で女流棋士にお話を聞くこのシリーズ。今やローソンデザートの顔とも言えるバスク風チーズケーキ「BASCHEE(バスチー)」を、加藤結李愛女流初段に食べていただきながらのインタビューです。将棋に集中すべく通信制高校に転入した話や、足の治療のため支援学校に通った時に実感した将棋の魅力など、等身大の悩みや想いをまっすぐにお話いただきました!

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将棋にもっと集中するために通信制高校へ転入

――ローソンの「BASCHEE(バスチー)」、食べたことはありますか?

何回もあります。家族が買ってきてくれたり、逆に私が買って帰ったりして。チーズケーキが好きなのですが、バスチーはとても濃厚でおいしいですよね。あと、表面と下にある焦がしカラメルが好きです。

――良かったです! では、食べていただきながらお話できればと思います。

いただきます、嬉しいな。

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――チーズケーキ以外に、好きなデザートはありますか?

チョコレートが好きです。‥‥普通ですみません(笑)。

――特にお気に入りのチョコレートとか、ありますか?

「コーヒービート」っていうチョコレートが好きで、よく買ってカバンに忍ばせてます。

――学校帰りに買ったり?

あ、実は高校2年生になった今年の4月から、通信制高校に転入したんです。

――そうだったのですね、知らなかった‥‥!

お話するのは今日がはじめてです。高校に1年間通ってみて、やっぱり将棋の時間をもっと増やしたいと思ったことが転入の最も大きな理由です。通っていた頃は、放課後はもうクタクタで将棋に集中できなかったり、対局で授業を休まないといけないこともあったりして、通信制の方が自分に合っているんじゃないかな、と。かなり悩みましたが、将棋に集中するためにも今の道を選びました。

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――通信制高校に転入してから、時間の使い方は変わりましたか?

学校の勉強があること自体は変わりませんが、今の方が予定も立てやすくなりました。ただし、ずっと家にいるので生活が不規則になってしまうこともあって‥‥。午前中に学校の勉強をして、午後は将棋の研究というスケジュールが多いのですが、昼間の休憩時間を長く取りすぎるのが課題です。しっかり自己管理ができるようにならないと、ですね。

「年齢にかかわらず楽しめる」将棋の魅力を実感した瞬間

――もともと将棋を始めたきっかけは、お兄さんの影響なんですよね。

はい。小学2年生の時に、兄が将棋大会に参加して「将棋の駒形消しゴム」をもらったことを自慢されて、「私も欲しい」と思ったのがきっかけでした。そこからルールを教えてもらって、私も大会に出て、消しゴムをもらいました。

――それほど、消しゴムが欲しかったんですね。

かっこいいなと思って(笑)。兄に「それちょうだい」と言ったのですが、「自分で大会に出てもらわないと意味ないよ」って言われてしまいました。もしそこで消しゴムを兄からもらっていたら将棋を始めていなかったと思うので、今では感謝しています。

――その後も将棋を続ける中で、女流棋士を目指し始めたのはいつ頃でしたか?

中学1年生の時です。中学選抜という大会で全国の女の子達の強さに圧倒されて、もっと強くなりたいと思いました。ただ、中学生の頃はなかなか思うように昇級できず、辛くて泣いてばかりでした。特に中学3年生の時には、あと1回勝てば女流棋士の資格を得られる場面が6回もあったのですが、6回すべて負けてしまったことが辛すぎて‥‥。それで、中学3年の6月から3カ月間、研修会をお休みしました。

――その間は、将棋から離れていたのですか?

完全に離れたわけではありませんでしたが、将棋に触れる回数はかなり減っていたと思います。大会に出たりもしていたんですが、それも全部負けました‥‥。今考えると、「絶対中学生のうちに昇級する!」という気持ちに囚われすぎていた気がします。

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――お休みする期間は、3カ月と決めていたのでしょうか。

いえ、本当は1年間のつもりだったんです。

――復帰が早まったのは、なぜでしょう?

師匠の石田和雄九段に「いつから復帰するの?」と聞かれて、とっさに「すぐ復帰します!」と答えてしまって(笑)。

――えー!(笑)

師匠が「早く復帰してほしいな」という雰囲気で声をかけてくださったので、無意識にそう答えちゃってました(笑)。それが中学3年の8月のことで、翌月から復帰しました。

――でも、その後すぐに女流棋士となる資格を得ましたよね。

はい。それまでは「中学生のうちに女流棋士に」という気持ちが強すぎましたが、その目標を「高校生のうちに」と再設定したことで、少しだけ気持ちに余裕ができたのだと思います。

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――将棋から離れた期間がありながらも、これまでずっと将棋をやめずに続けてこられた理由って、どんなことでしょうか?

やはり、将棋が楽しいからですね。相手の指し手を読んだり、対局に向けて試行錯誤したりするのも、難しいけど楽しいです。それと、将棋は誰でも楽しめるものなので、そこも魅力だと思っています。

――誰でも楽しめる、というと?

私、生まれつき足が弱く、女流棋士の資格を得てから半年間足の治療で将棋ができなかった時期があって。その期間に2カ月ほど支援学校に通っていたのですが、そこには長期入院している子がたくさんいました。でも、その子たちとも将棋を指して楽しむことができて、改めて「将棋は年齢にかかわらず楽しめるものなんだな」と実感して、将棋がますます好きになったんです。

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憧れの鈴木環那女流二段からの言葉は、印刷してお守りに

――目指している女流棋士像はありますか?

鈴木環那女流二段に憧れています。私が将棋を始めた頃から、復興イベントで何度も東北に足を運んでくださっていて、その頃からお世話になっています。いつも笑顔で、相談に乗ってもらったりアドバイスをくださったり本当に優しくて。将棋面でも精神面でも、鈴木環那女流二段のようになりたいです。

――子どもの頃から憧れの存在なんですね。

はい。鈴木環那女流二段から頂いた言葉を印刷して持ち歩くぐらい大好きで‥‥。

――印刷ですか! どんな言葉を?

今までもらった中で大切にしたい言葉、勇気をもらえる言葉をコピーして、お守りにしています。

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――鈴木環那女流二段とは、頻繁に会ったりされるんですか?

いえ、頻繁ではないのですが、何かあった時に相談させてもらっています。例えば、足が弱いので今後テーブル対局をさせてもらうことになりまして、この件についても相談に乗っていただいて。申請をするにあたってとても悩みましたし、勇気が要ったのですが、鈴木環那女流二段以外にも多くの棋士や女流棋士の先輩方、将棋連盟の職員の方々に後押ししていただきました。たくさんの人に支えてもらっていると実感しています。

――最後に、これからの目標を教えてください。

これから高校を卒業するまでの1年半は、自分にとってとても大事な時期だと思っています。だからこそ、この1年半で強くなりたい。今はまだ実力不足ですが、将来的にはタイトルを取れるような女流棋士になりたいです。今は強くなるために、できることをコツコツと積み重ねていきます。もっと強くなりたい一心で、これからも進んでいきたいと思います。

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まとめ

悩んできたことや、考えてきたことをまっすぐに話してくださった加藤女流初段。最近ハマっているのは姪っ子さんの動画や写真を見ることだそうで(この年で叔母さん‥‥!)、姪っ子さんの話をする時は、将棋の話をするキリっとした表情から一転、口元が緩んで幸せそうにお話されていました。 そして、「BASCHEE(バスチー)」を差し入れてくれたローソンクルーのあきこちゃんには、素敵なメッセージをいただきましたよ。

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取材協力加藤結李愛女流初段

2003年2月15日生まれ。宮城県仙台市出身。石田和雄九段門下。 2018年7月7日、女流2級。2019年8月25日、女流初段に昇段。

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マツオカミキ

ライターマツオカミキ

2014年からライターとして活動する平成元年生まれ。28歳にして初めて将棋に触れました。将棋を学びながら、初心者目線で楽しさをお伝えします!普段は観光地や企業、お店を取材して記事を執筆中。

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