
【王位戦七番勝負第5局ダイジェスト】豊島将之王位VS木村一基九段、王手をかけるのはどちらか?
ライター: 更新: 2019年08月30日
豊島将之王位、木村一基九段ともに2勝2敗で迎えた第60期王位戦七番勝負第5局が8月27・28日に徳島県徳島市「渭水苑」で行われました。
3勝目をあげて王手をかけるのはどちらか、注目の一戦をダイジェストで振り返ります。
(参考:王位戦中継ブログ)
対局開始、戦型は角換わり
定刻9時に対局が始まりました。先手番は豊島王位。戦型は今シリーズ初めての角換わりになりました。
【図は19手目▲4六歩まで】
対局開始
豊島王位
木村九段
攻める豊島、受ける木村
一日目午後の局面。豊島王位は3筋、4筋、7筋と続けて歩を突き捨て、4筋で取り返した1歩を▲7四歩と打ちました。先手は次の狙いは▲7三歩成のと金攻め。豊島王位の攻めを、木村九段が受ける展開となります。
【図は65手目▲7四歩まで】
長考の末、豊島王位が封じ手
かなりの手数が進んだ18時を過ぎ、豊島王位が56分考えて83手目を封じました。消費時間は▲豊島王位2時間54分、△木村九段4時間26分です。
【図は82手目△4六桂まで】
封じ手を立会人の谷川浩司九段に渡す豊島王位
二日目、豊島王位が過激な順に踏み込む
封じ手の▲2四歩から二日目が始まり、対局が再開しました。
図は▲7二歩成の局面。豊島王位は銀取りを放置し、より過激な順に踏み込みました。
【図は91手目▲7二歩成まで】
後手の重い飛車先
木村九段は5筋に銀を重ね打ち、先手の馬を押し返しましたが、△3八桂成に▲3四歩のクサビが大きな一手。△4四銀上で後手の飛車先は重くなりました。
【図は104手目△4四銀上まで】
端攻めから豊島王位がリードか
豊島王位は109手目▲1五歩と端攻めに出ました。図は▲1五歩から△同歩▲同香△同香▲1四金△1一香▲2三歩と進んだ局面。「後手の受けが難しそう」との見方です。
【図は115手目▲2三歩まで】
木村九段、苦しくなったか
豊島王位が第5局を制す
【図は131手目▲6一飛まで】
131手で豊島王位の勝ちとなりました。終局時間は17時16分で、消費時間は▲豊島6時間52分、△木村7時間14分。勝った豊島王位はシリーズ成績を3勝2敗として、初防衛まであと1勝としました。
終局直後の様子
豊島王位への終局後インタビュー
― 一局を振り返っていかがですか?
序盤は前例のある将棋で、封じ手のあたりは難しくて分からないままでした。
― 二日目の進行についてはどうでしょう?
途中でもう少し、いい順があったかもしれないですが、▲6八金(107手目)と上がるようでは1手渡す感じになるので、おかしい気もしていました。
― 勝ちを意識したのはどのあたりですか?
▲4四銀(123手目)と取ったところでよくなったかなと思いました。
防衛まであと1勝となった
一方、木村九段は「やってみたかった作戦なのですが、空振ってしまった感じがしますね。結局、角とか桂が残ってしまったので、失敗したような気もします。苦しい時間が多かったように思います。」と話しました。
第6局は9月9、10日(月、火)に神奈川県秦野市「元湯 陣屋」で行われます。
今回の将棋飯まとめ
【一日目】
午前のおやつ
豊島王位:フルーツの盛り合わせ
木村九段:和菓子とホットコーヒー
昼食
豊島王位:鉄火丼とサラダ
木村九段:親子丼
午後のおやつ
豊島王位は和菓子と抹茶、木村九段は和菓子とアイスコーヒーをオーダーしました。
【二日目】
午前のおやつ
豊島王位:フルーツの盛り合わせ
木村九段:和菓子とホットコーヒー
昼食
豊島王位は親子丼とサラダ、木村九段は鉄火丼をオーダーしました。
午後のおやつ
木村九段:和菓子とアイスコーヒー
豊島王位は和菓子と抹茶をオーダーしました。