中飛車のスペシャリスト戸辺誠七段のこだわりがたっぷり詰まった「戸辺流 こだわりのゴキゲン中飛車」をご紹介【今月の新刊ちょい読み】

中飛車のスペシャリスト戸辺誠七段のこだわりがたっぷり詰まった「戸辺流 こだわりのゴキゲン中飛車」をご紹介【今月の新刊ちょい読み】

ライター: 将棋情報局(マイナビ出版)  更新: 2019年01月24日

本記事では、マイナビ出版から1月30日に発売される「戸辺流 こだわりのゴキゲン中飛車」(戸辺誠著)の内容をちょい見せ!

現在、振り飛車の主力戦法となっている中飛車。

本書はその中飛車のスペシャリスト戸辺誠七段が中飛車VS居飛車の最新形を詳細に解説した「こだわり」たっぷりの一冊です。

ここでは、本書の中からゴキゲン中飛車VS超速☗3七銀戦法で頻出する形から先手が☗4五桂と跳ねてきたときの指し方を紹介します。
※この記事は「戸辺流 こだわりのゴキゲン中飛車」の一部をウェブ用に編集したものです。全文は本書でお読みください。

戸辺流 こだわりのゴキゲン中飛車

◇☖4二角が正解

☗4五桂☖4二角(第1図)☗5五銀左☖同 銀☗同 銀(第2図)

【第1図は☖4二角まで】

5五の地点から角の利きがそれてしまうが、後手は☖4二角とこちら側に引くのが正解。先手は桂を取られないようにしながら☗5五銀左と自然に進軍してくる。

【第2図は☗5五同銀まで】

最後の☗5五同銀で☗5五同角は☖同飛☗同銀☖3七角(参考図1)が飛車銀両取りになる。先手の飛車が2八の場合は☖3七角が炸裂するため角では取れない。

【参考図1は☖3七角まで】

☗5五同銀の局面は中央に銀を威張られてしまってつまらないように見えるが、ここで後手から待望の一手がある。

◇左桂をさばく

第2図以下の指し手

☖3三桂 ☗4六歩 ☖6五銀 (第3図)

【第3図は☖6五銀まで】

☖3三桂が振り飛車党ならノータイムで指したい気持ちの良いさばき。「左桂は振り飛車の命」という格言があるくらい、2一桂がさばけるかどうかが大きいのだ。

☗4六歩で☗3三同桂成なら☖同角(参考図2)で後手の調子が良く、以下☗6六銀なら☖1五角と飛び出して薄くなった3七の地点を狙って後手が勝ちやすい将棋となる。

【参考図2は☖3三同角まで】

第3図の☖6五銀も覚えておいてほしい使い方で玉頭方面を狙って、いわゆるもたれておく指し方である。

◇大きい☖7六銀

第3図以下の指し手

☗3五歩 ☖7六銀(第4図)

【第4図は☖7六銀まで】

7六の地点が受けにくい先手は☗3五歩と手筋の攻めをしてくる。対して☖同歩は☗3八飛☖4五桂☗3五飛(参考図3)で後手の雰囲気が悪い。飛車の縦のラインがスッと通り、☖3三歩と受けなくてはいけない形は駒の勢いがなくなってしまうので、なるべく避けなくてはいけない。

【参考図3は☗3五飛まで】

☗3五歩は振り飛車から見て玉から遠いところなので、この場合は☖7六銀と玉頭にプレッシャーをかける手を優先する。先手から見るととても嫌な形だ。

◇必殺の☖7七桂

第4図以下の指し手①

☗3四歩 ☖4五桂 ☗同 歩 ☖7七桂(第5図)

【第5図は☖7七桂まで】

☗3四歩は結論から言うと危ない手。後手から局面を優勢にする必殺技がある。桂を取って☖7七桂がこの場合の厳しい攻め方で、桂の犠打で角のラインを遮断してしまおうという大技だ。結果2図から☗7七同桂ならもちろん☖5五飛で後手優勢である。

☖7六銀と出た場合のパターンとしては☖7五桂と足し算を狙うのが普通だが、先手に桂があると☗7九桂で次がない。この辺りは臨機応変に判断して桂の使い方を変えてほしい。

おわりに

いかがだったでしょうか。戸辺七段のこだわりがたっぷりと詰め込まれた「戸辺流 こだわりのゴキゲン中飛車」ぜひ一度読んでみてくださいね。

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