活躍する姉への想いと、葛藤する妹への想い―里見女流姉妹インタビュー前編【女流棋士とデザート】

活躍する姉への想いと、葛藤する妹への想い―里見女流姉妹インタビュー前編【女流棋士とデザート】

ライター: マツオカミキ  更新: 2018年10月17日

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ローソンのデザートを食べながら、和やかな雰囲気で女流棋士にお話を聞くこのシリーズ。今回は里見香奈女流四冠里見咲紀女流初段の姉妹インタビュー前編をお送りします。お姉さんの活躍をどう感じているのか、妹が女流棋士になった時にどう思ったのかなど、お互いについて感じていることをお話しいただきました!

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兄姉の姿を見て、将棋の世界へ

――今回食べていただくデザートは「もちぷよ」です。もちもち生地が女性に人気のデザートなので、ぜひ召し上がってください。

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香奈 いただきます!

咲紀 もちもちで、不思議な食感ですねー! 中のクリームも濃厚で、おいしいです。

香奈 うん、おいしい。甘いもの好きだから嬉しいな。

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――対局中も、甘いものを食べたりしますか?

香奈 対局中は、ナッツが入ってるチョコレートとか、飴とか、簡単に食べられるものが多いですね。

咲紀 私は、対局中は栄養ドリンクだけですね‥‥。でも、デザートは大好きなんですよ。ほら、糖分って脳にいいって言うじゃないですか。それを理由に、毎日食べてます(笑)。

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――お二人が将棋を始めたのは、どういうきっかけでしたか?

香奈 父親が将棋好きで、兄に教えているのを見て覚えました。その後、兄と一緒に近くの将棋道場に通い始めて、次第に自分もハマっていきました。

咲紀 私は、兄と姉を道場へ送り迎えするのについて行くうちに、いつの間にか自分も通い始めるようになりました。私が将棋を覚えて1年ぐらい経った頃には、もう姉がプロ入りを決めてましたね。

香奈 12歳で女流棋士になったから、それぐらいだったかもね。

――お二人をはじめ、お兄さんやお父様も将棋をやっているということで、家族でも対局することもありますか?

香奈 昔は、ありましたね。里見家将棋大会!

咲紀 負けた人は罰ゲームとして、皿洗いをやってたよね。

香奈 そうそう。でも私が小学校高学年になる頃には、父がお皿を洗うことが多くなって、罰ゲームは廃止されたんですけどね(笑)。

「どうして頑張っているのに勝てないんだろう」妹の葛藤、姉の想い

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――将棋を始めたばかりの里見咲紀女流初段は、女流棋士として有名になっていくお姉さんのことを、当時どのように見ていましたか?

咲紀 まだ女流棋士についてよくわかっていなかったので、単純に姉がテレビに映っているのを見てすごいなって思ってました。ただ、次第に学校の友達から「お姉さんのこと、知ってるよ」と言われるようになって、「そんなに有名人になったんだな」とびっくりしましたね(笑)。高校生になって自分も研修会に入り、大会に出るようになったら、「あの里見香奈の妹だ」と審判の棋士の先生方から注目されているように感じて、少し意識するようになりました。

――お姉さんの姿を見ていたら「大変な世界だな」と思いそうですが、それでも自分も女流棋士になりたい、と思ったのはどうしてでしょうか?

咲紀 うーん、当時の私は考えが甘くて、あまり大変な世界だとは思っていなかったんです。おそらく、姉がどんどん活躍していく姿を見ていたこともあって、「自分もすぐに活躍できるだろう」と過信していました。

咲紀 だから、研修会に入ってすぐに挫折してしまって‥‥。当時は「どうしてこんなに頑張っているのに勝てないんだろう」と思っていました。今考えれば、全然努力が足りていなかっただけなんですけど。

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――それで、一度研修会を休会したんですよね。その時は、お姉さんも相談に乗ってあげたり?

香奈 いえ、私はもう実家から離れてしまっていたので、両親や兄が支えてくれたみたいです。ただ、私自身は「やめるのもいいんじゃないかな」と思っていました。将棋だけに縛られることはないかなって。

咲紀 それで将棋から離れて他の進路を考えてみたんですけど、やっぱり私は将棋の道に進みたいなと思って、研修会に復帰しました。

香奈 また頑張ろうかなって思えたんだよね。いろいろ悩んだ上で決めたことなら、その選択がいいんじゃないかなと思っていました。

――再び研修会で頑張り始めた妹さんが、ついに女流棋士になった時、どう感じましたか?

香奈 周りの方にもすごく不思議がられたんですけど、「嬉しい」という感情はあまりなかったんですよね‥‥(笑)。どちらかというと、ホッとした感じで。これからさらに大変になるけど、頑張ってほしいっていう気持ちでしたね。

里見香奈女流四冠、実は天然? 妹だからこそ知る一面

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――里見咲紀女流初段は、お姉さんが女流棋士として挑戦し続ける姿を、どういう風に見ていますか?

咲紀 自分の姉ながら、すごい努力家だなと思っています。やはり将棋界ではトップ女流棋士ですし、尊敬する部分も多いです。ただ、女流棋士ではなく「姉」として見ると、天然で抜けてるところが多いので、年上のお姉さんっていう感じではないですね(笑)。

――そうなんですね! どういうところで、抜けてるなぁって感じるんですか?

咲紀 例えば、一緒に電車に乗っていた時に、姉が大きな口を開けて寝ていたことがあって‥‥。もうタイトルも獲って有名になっていた時だったのに(笑)。

香奈 しかも、通路側に身を乗り出して、熟睡してたんだよね‥‥(笑)。

咲紀 そう。それで、私は「あ、この間抜けな顔は誰かに見られたらまずい」と思って、とっさに自分が着ていた上着を、姉の顔にバサッと被せました(笑)。そういうところ、抜けてるなぁって思いますね。

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香奈 抜けてるかなぁ‥‥(笑)。

咲紀 でも、そういう気取らない感じのおかげで、私にとっては何でも話しやすい存在です!

まとめ

姉妹だからこそ、お互いをさりげなく気にかけ合っているのがエピソードの端々から感じられる里見姉妹。お互いについて話すのは少し照れくさそうでしたが、仲の良さも伝わってきて、改めて「姉妹っていいな」と思わされたインタビューでした。11月に掲載される姉妹インタビュー後編では、2人で一緒に将棋教室を開いた時の話などをお聞きしています。来月もお見逃しなく。

「もちぷよ」を差し入れてくれたローソンクルーのあきこちゃんには、里見香奈女流四冠より、こんなメッセージをいただきましたよ。

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10月おすすめデザート

里見姉妹が食べていた「もちぷよ」は、濃厚なミルククリームが入っている「もちもち食感」のデザートです♪

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取材協力里見香奈女流四冠

1992年3月2日生まれ。島根県出雲市出身。森けい二九段門下。 女流王座・女流名人・女流王将・倉敷藤花の四冠を保持している。 タイトル戦登場数は36回、獲得は女王1期、女流王座3期、女流名人9期、 女流王位4期、女流王将6期、倉敷藤花8期の合計31期。

取材協力里見咲紀女流初段

1996年4月28日生まれ。島根県出雲市出身。森けい二九段門下。 2016年4月27日、女流2級。2017年4月1日、女流初段に昇段。 里見香奈女流四冠の妹。

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ローソン×日本将棋連盟 コラム

マツオカミキ

ライターマツオカミキ

2014年からライターとして活動する平成元年生まれ。28歳にして初めて将棋に触れました。将棋を学びながら、初心者目線で楽しさをお伝えします!普段は観光地や企業、お店を取材して記事を執筆中。

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