将棋コラム

2局ごとに持ち時間を変わる?新タイトル戦「叡王戦」の魅力とは

2局ごとに持ち時間を変わる?新タイトル戦「叡王戦」の魅力とは

更新: 2017年10月10日

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2017年5月20日、将棋界にとって大きな出来事があった。叡王戦が第3期からタイトル戦に昇格することが発表されたのだ。

タイトル戦は、前回の優勝者(タイトル保持者)以外の棋士で挑戦者を決め、タイトル保持者と挑戦者が番勝負を戦う点に特徴がある。

叡王戦のタイトル戦昇格により、これまでの竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖という七冠に「叡王」が加わり、今後は八大タイトルとして争われることになる。

七大タイトル戦の歴史

将棋界のタイトル戦は初めから複数あったわけではない。名人位が終身制から実力制に変わり、1935年に始まった名人戦が初のタイトル戦となった。

1950年代に九段戦と王将戦、1960年代に王位戦と棋聖戦が加わる。1975年には棋王戦、1983年には王座戦がそれぞれタイトル戦に昇格。九段戦は1962年に十段戦、1987年に竜王戦に発展し、冒頭に記した七大タイトル戦の仕組みができた。タイトル戦の数が増えたのは、1983年以来、34年ぶりになる。

叡王戦の仕組み

叡王戦は、棋士とコンピュータが戦う「第1期電王戦」を行うに当たって2015年に創設された棋戦。決勝進出者が三番勝負で優勝を争い、第1期は山崎隆之八段、第2期は佐藤天彦名人が優勝。電王戦二番勝負でコンピュータと戦った。

予選は持ち時間1時間の早指し戦。段位別に行われる点が大きな特徴だ。九段5名、八段3名、七段2名、六段2名、五段2名、四段1名の計15名が本戦に進出する。段位別予選は、天王戦(現在は棋王戦に統合)で初めて採用された形式。ちなみに、天王戦では各段位に2名ずつ本戦進出枠が割り振られていた。

本戦は前期までの1時間から、3時間へと持ち時間が増えることが大きな変更点。第3期は決勝進出者2名が七番勝負でタイトルを争うことになる。

注目は七番勝負の持ち時間で、2局ごとに持ち時間を変える制度になっている。第1局と第2局、第3局と第4局、第5局と第6局という3つの区切りに対して、1時間、3時間、5時間という3種類の持ち時間を割り当てる。第7局は6時間で固定。1時間の早指しでとっておきの秘策を持ち出すなど、これまでにない戦略が生まれそうだ。

臨場感あふれる中継

叡王戦の魅力は、なんといっても臨場感あふれる中継。予選から多くの対局がニコニコ生放送で中継され、棋士の解説とともに楽しむことができる。真剣勝負に臨む棋士の迫力ある姿、対局の緊張感を堪能していただきたい。

松本哲平

ライター松本哲平

2009年、フリーの記者として活動を始める。日本将棋連盟の中継スタッフとして働き、名人戦・順位戦、叡王戦、朝日杯将棋オープン戦、NHK杯戦、女流名人戦で観戦記を執筆。連盟フットサル部では開始5分で息が上がる。

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