正しい呼吸で将棋が強くなる?集中力とヒラメキが身につくあいうべ体操とは

正しい呼吸で将棋が強くなる?集中力とヒラメキが身につくあいうべ体操とは

ライター: 高山こうすけ  更新: 2017年06月05日

以前、将棋の対局中、大事な一手を指す前にあくびをする棋士がいたという話を聞いた。
「なんだか緊張感に欠けるなぁ」と思っていたら、「実はそんなこともありません。意識的なのか、無意識なのかは分かりませんが、対局中にあくびをすることで脳をクールダウンさせて、明晰にする効果があります」と福岡県福岡市にある『みらいクリニック』の今井一彰院長。あくびをすることで、リラックスしたり、脳を活性化したりする効果が期待できる!?これは面白い。さらに話をうかがったところ、正しい呼吸方法を習得すれば集中力アップはもちろん、健康管理につながるというのだ。

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『みらいクリニック』今井一彰院長

「あくびとは異なりますが、通常の呼吸を口でする人がいます。実は誤った習慣なのです。本来、口は飲食などを介し、栄養を摂り入れるためにあるもの。呼吸をするための器官ではないのです。日常的に口呼吸をしてしまうと、口腔内に雑菌が繁殖しやすくなり、それによって免疫異常を引き起こしてしまう。例えば口臭の原因もそのひとつです」と今井先生。その点、鼻は鼻毛などがあり、広げると新聞紙一枚ほどになると言われる鼻腔と呼ばれる部分でホコリや菌が体内に入ることを防いでくれる。

正しい呼吸は鼻でするもの。そして正しい呼吸法をマスターすれば口内は清潔に保たれ、これが健康維持に繋がるのだ。

実はきちんと鼻呼吸をしている人は、日本人の6割程度といったことも言われている。「それでは、みなさん今から鼻呼吸をしましょう!」なんて言ったところで、人は長年の習慣を簡単に直すことはなかなかできない。何かいい方法はないだろうか?

「もちろん、ありますよ。『あいうべ体操』で正しい呼吸は簡単に身につきます

「あいうべ体操」とは、「あー」「いー」「うー」「べー」という動きを1セットとして、毎日30セットを目標に繰り返すだけ。約2分程度で口周りと舌の筋肉を鍛えられる簡単な運動だ。本来、舌の適正な位置は、口を閉じた時に上あごに付いた状態が良い。この体操を毎日行うことで、自然と舌を正しい位置でキープし、口を閉じた状態になり、鼻呼吸へと改善できるという(イラスト参照)。

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「あいうべ体操」のやり型

実は今井先生はかねてから正しい呼吸法を身につけるために方法をねっていたという。これまでは器具などを使う方法はあったが、手軽とはいえない。先生が目指したのは老若男女、だれでも手軽にできる方法だった。そこで試行錯誤の上、約15年前に生み出したのが「あいうべ体操」だったのだ。

この体操にはアレルギー性疾患、膠原病、うつ病、腸疾患、歯科口腔などさまざまな症状に効果があることも分かっている。幼稚園や小学校など教育現場でも取り入れているらしい。そして、嬉しい事に将棋にも効果がありそうだ。

「対局前に準備運動として行うことで口内に唾液を多く分泌し、リラックスする効果を得られて、集中力を高めることもできる。対局中にすれば、前頭葉をクールダウンさせ、脳を明晰にする効果も望めます」

対局に欠かせない「集中力」「ひらめき」。この2つを新たな武器にするためにも生活習慣に「あいうべ体操」を取り入れてみてはいかがだろうか。

高山こうすけ

ライター高山こうすけ

大の本好きが高じて、アウトドア雑誌からやビジネス情報誌、女性ファッション誌などで執筆中のライター。好奇心を抱くことはライターの基本と、取材・執筆のテーマは日本古来の伝統文化から、AIといった最先端技術まで幅広くカバー。将棋については小学校低学年に父から習い、学校の将棋クラブに在籍経験あり。対局歴は豊富ながら腕前は、からきし弱い。

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