将棋コラム

タイトル戦で使われる「将棋用語8選」あなたはいくつわかりますか?

タイトル戦で使われる「将棋用語8選」あなたはいくつわかりますか?

更新: 2017年02月18日

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注目される将棋対局と言えば、何といっても七大タイトル戦でしょう。タイトルホルダーと挑戦者の戦いは、和服姿に身を包み、長い時間をかけての盤を挟んでの戦いとなり、見ている人たちを魅了します。今回のコラムでは、そんなタイトル戦でよく耳にする将棋用語を紹介していきます。

タイトル戦をより楽しむための将棋用語

将棋で最も注目される大一番は、七大タイトル戦の番勝負です。将棋連盟の中継アプリや動画配信サービスでの中継や、Twitter解説を行うなど、多くの媒体で将棋が配信されていきます。このコラムでは、タイトル戦でよく耳にする将棋用語を説明します。

1) 番勝負

同じ相手と複数回対局をして、勝ち数が多い方を勝者とする勝負のことを番勝負といいます。厳しい予選を勝ち抜いて初めてタイトルへの挑戦者となり、タイトルホルダーと番勝負を戦うことができます。タイトル戦によって番勝負の局数は異なります。五番勝負は王座戦・棋王戦・棋聖戦で、七番勝負は竜王戦・名人戦・王位戦・王将戦です。

2) 立会人

タイトル戦の進行を仕切り、問題が生じた場合の仲裁・裁定を行うなど、対局が問題なく行われるように見届ける人のことを立会人といいます。タイトル戦では、正立会人1名と副立会人1名以上の複数名の体制を取ることもあります。

対局の開始と終局と感想戦の際には対局室で立ち会いますが、それ以外のときは対局室にはおらず、別室で対局の状況を把握していることが多いです。

3) 検分

対局者が立会人とともにタイトル戦の対局会場の環境を確認する作業のことを検分といいます。対局で使用する盤・駒・駒台の確認や、会場の室温・照明の具合や、将棋盤の位置、立会人・記録係が着席するテーブルの配置の調整などを行います。タイトル戦の前日に行うことが慣例となっています。

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(第66期王将戦 第1局 検分の様子)

4) 前夜祭

タイトル戦は全国の旅館・ホテルなどで対局を行いますが、対局前日の夜に前夜祭イベントを行うことが多いです。タイトルホルダーと挑戦者をはじめ、ゲスト棋士も大勢集まります。主催者や連盟代表、両対局者によるあいさつや、ゲスト棋士によるトークショーなど、盛りだくさんの内容です。前夜祭の内容や楽しみ方について、より詳しく知りたい方は、知らないあなたは損してる? 将棋ファンが前夜祭にハマる理由のコラムもご覧ください。

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(第66期王将戦 第1局の前夜祭の様子)

5) 封じ手

日をまたいで対局を行うときに、その日の最後の一手を紙に記入して、封筒に入れて封をすることを封じ手といいます。翌日の対局再開時に封じ手を開封し、記入しておいた手を指すことで対局を続行します。こうすることで、持ち時間の不公平をなくしています。

封じ手には、棋戦名と対局会場を記載し、両対局者の署名と立会人の署名がなされます。同じものを2通作成し、立会人と対局会場がそれぞれ1通ずつ保管します。

竜王戦・名人戦・王位戦・王将戦の2日制のタイトル戦では、1日目の最終手を封じ手とし、2日目は封じ手から再開となります。封じ手を行う時間はあらかじめ決められており、その時刻に手番を持っている側が次の一手を封じます。ただし、その時刻がきても指し手を考え続けることは認められています。封じ手の時刻が迫ってくると、どちらが封じるかの時間の駆け引きが見られたり、解説の中でも封じ手の候補を予想したりと、2日制タイトル戦の醍醐味ともいえるでしょう。

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(第66期王将戦 第1局より)

6) 大盤解説会

対局の指し手を解説する会のことで、遠くからでも見えるように大きな盤・駒を用いて行います。解説をプロ棋士、聞き手を女流棋士が担当することが多いです。

タイトル戦の行われているホテル・旅館などの会場で開催される「現地大盤解説会」もあります。現地の大盤解説会には、終局直後の対局者が足を運んでくれることも多く、両対局者がポイントを振り返ったり、感想戦を行ったりする場合もあります。

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(第66期王将戦 第1局より)

7) 就位式

番勝負が決着して、タイトル奪取、あるいはタイトル防衛が決まったのちに行われる式典が、就位式です。就位式はタイトル戦の後日に改めて開催され、主催者や連盟代表によるあいさつや、タイトルホルダーへの記念品授与、タイトルホルダーからの謝辞など、前夜祭に負けず盛りだくさんの内容です。

8) 永世称号

同一タイトルを既定の期数獲得した棋士に与えられる称号です。それぞれのタイトルによって、永世称号獲得に必要な条件は異なります。永世称号は原則引退後に名乗ることができます。永世名人は、資格を得た順に番号が付き「〇〇世名人」と呼ばれます。下表に永世称号の条件と該当者を記載します。

                                                                                                                   
タイトル永世称号条件該当者備考
竜王永世竜王連続5期または通算7期渡辺明
名人永世名人通算5期木村義雄十四世名人
大山康晴十五世名人
中原誠十六世名人
谷川浩司十七世名人
森内俊之十八世名人
羽生善治十九世名人
王位永世王位連続5期または通算10期大山康晴
中原誠
羽生善治
王座名誉王座連続5期または通算10期中原誠
羽生善治
棋王永世棋王連続5期羽生善治
王将永世王将通算10期大山康晴
羽生善治
棋聖永世棋聖通算5期大山康晴
中原誠
米長邦雄
羽生善治
佐藤康光

七大タイトル戦をこれまで以上に楽しんでみよう

タイトル戦でよく耳にする用語を8つご紹介しました。検分や封じ手など、普通の対局には見られない、タイトル戦独自の用語もありますので、この機会に覚えてしまいましょう。用語を覚えることで、アプリなどでのタイトル戦観戦がより楽しいものになっていきます。タイトル戦の楽しみをさらに深めるために、実際にタイトル戦の前夜祭や大盤解説を見に行くなどしてみてはいかがでしょうか。これまで以上にタイトル戦の観戦が面白くなりますよ!

佐藤友康

ライター佐藤友康

3歳から将棋に触れ、将棋とともに幼少期を過ごすものの、途中、長い長いブランクを経て、27歳で将棋復活。 2015年4月より、池袋で20代・30代に向けた将棋普及活動『将Give』を主催・運営する。 将棋の楽しさ・面白さ・奥深さに深く感動し、将棋普及と将棋を通じた社会貢献・人間的な成長の応援を使命とする。

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