【PR:ローソン×冨田誠也四段】-自分にしか、吹かせられない風がある。充実の学生時代が形づくったいま-冨田誠也四段の素顔

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ライター: 藤田華子  更新: 2022年11月02日

スイーツを口にする時間は、ほっとひといき、素の自分に戻るとき。今回はローソンの「生カスタードシュークリーム」を食べながら、冨田誠也四段の素顔に迫ります。

気持ちよく吹く風のように、エネルギッシュな26歳・冨田誠也四段。小中と体育祭で応援団長を務め、大学では人気の経営ゼミで将棋界について考えを深める――そんな溌剌とした印象のなかに、時おり見せる繊細な表情が人間らしい。17歳で三段リーグに入り、20歳までにプロになれると思っていたけれど、道は厳しく一時は退会も考えていたそう。そんなとき、再び前を向かせてくれたのは、親友の励まし、地元への想い、そしてある一冊の古本との出会いでした。
「運がいいんですよ」と笑うけれど、運は努力のご褒美。これまで見聞きした世界を通して、将棋界に風を吹かせます。熱々のサウナ室でととのってからのインタビューでは、歩みや、大切な思い出を包み隠さず語ってくださいました。

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小中時代は応援団の団長。大学ではマーケティングを研究。青春時代を振り返って

――本日は、サウナでととのってからのインタビューです!

後輩が「サウナスパ検定」を持っているくらいサウナ好きで、評判の温浴施設を目当てに遠征したりしているうちに自分もハマりました。でも最近は、ひとりで行くほうがいいなと(笑)。今日お邪魔した「ソロサウナtune」さん、個室サウナがすごく良かったです。誰かと行くのも楽しいですが、自分の世界に没入したいので。

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――没入というと、サウナではどんなことを考えられるんですか?

昔はサウナで次の将棋の作戦を立てていたんですよ。対局相手の情報をまったくインプットしていない状態でサウナに行って、どう戦おうかなって考えて。それで、家に帰って改めて作戦を練っていく。でも最近はそうではなく、リラックスのために行きますね。あんまり将棋のことは考えないように。息抜きみたいな感じです。

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――オフの時間なんですね。学生時代、体育祭では応援団の団長をやっていらっしゃったとか?

小~中学校で、団長をしていました。小学校はそんなに本格的ではなくて、女装してミニコントをやったり(笑)。中学ではガチだったので、夏休みもずっと学校に通って、どういう応援プログラムにするかをみんなで考えていました。

――過酷なイメージがありますが、もともと人前に出たりするのがお得意だったんですか?

ぜんぜんです。中学の時は生徒会もやっていたので、スピーチをする機会があって。僕、練習をして、一言一句原稿通りに話したいタイプなんです。ところがある日失敗して、緊張のあまり貧血で倒れてしまって...。それから人前で話すときに、足が震えるようになってしまいました。だいぶ良くなったんですけど、実はいまも将棋連盟の総会の挨拶とか、かしこまった場では震えることがあります。何とか克服したいと思って、応援団の団長をやっていました。

――大きな挑戦ですね。

自分と向き合うために始めたのですが、熱量の高い子もいれば、逆についてきてくれない子もいて、まとめることの難しさを感じました。「もうええわ」ってなりかけるんですけど、友だちに「キレたら終わっちゃうよ」と言われて姿勢が変わりましたね。応援団の部、応援旗、総合競技の三冠を目指していたんですけど、学校側が配慮して、三冠を達成する団を作らないようにしていたんですよ。問題だと思って生徒会で議題に挙げたんですが、どうにもならなくて。印象深く、覚えています。

――熱い青春時代でしたね。

学校生活がすごく楽しかったので、学校の先生になりたかったくらいなんですよ。『ROOKIES』の川藤先生みたいに熱血教師になっていたと思います(笑)。社会の先生が自主性を求める方で、基本的に教科書や辞典に載っているレベルの内容を宿題でまとめるだけでは点数が低く、自分なりの考察や、興味がわいたことをどんどん深ぼっていく方針でした。みんなで競い合って、自分なりの世界を深めていって。その経験が楽しくって、自分もそういう機会を作れたらと思って。

――その後、立命館大学でマーケティングを専攻されるんですね。

本当はプロになる自信があったので高校には行かないつもりだったんですけど、母親に「人生経験のために高校には行ってほしい」と言われ、進学しました。自分のまわりにはヤンチャな子が多くて、高校時代も楽しかったのでそのまま大学に行こうと思って。将棋界の経営面で何かできたらと、立命館大学の経営学部に入りました。

ローソン✕冨田04

――大学でも有名なゼミに所属していたとか。

高校時代の先生に「行くなら、自分が成長できる環境に行け」と言われたんです。頑張って食らいついていくくらいの環境の方が、成長できるからという意味です。その言葉を思い出して、一番倍率の高い依田祐一先生のゼミに応募しました。テーマは"顧客価値を創造するビジネスシステム"。20人の枠に、100人くらい希望者が集まるんです。

――すごい人気ゼミですね!

幸い拾っていただくことができたんですけど、本当に大変で!他のゼミは1週間1コマ90分で単位がもらえるところ依田ゼミは1週間で、少なくとも90分の授業を2コマ受けないと単位をもらえないんです。発表も、質問も、本気で取り組まないといけない。図書館の勉強部屋は常にゼミのメンバーが借りていました。みんな、生活の中心がゼミみたいな感じで。

――大充実ですね。大変だったからこそ、得たものも大きかったのではないでしょうか。

依田ゼミに入ったことは、立命館に入って一番よかったことです。僕は将棋界のことしか知らなかったので、商社や製薬など、他の業界を知ることができてとても勉強になりました。

冨田四段は、どんな研究を?

僕はYouTubeとニコニコ動画の、媒体の違いやビジネスモデルの違いを調べました。YouTubeは、オフィシャルな文章がすべて英語で苦労しました(笑)。卒論は、AIと将棋についてです。当時Ponanzaが登場しプロ棋士に勝った時期。電王戦のことを"エスノグラフィー"というアプローチで調べました。簡単に言うと、民族に入り込んでそこで一緒に生活をしながらレポートをする手法なんですが、その将棋版をやったんです。自分が将棋界にいて、AIとプロ棋士がどういう変遷を遂げてきたかを調べていきました。プロ棋士たちの意見も聞きましたしたが、先生に言われたのは「冨田誠也が、将棋界をどう見ているのかが大切だ」と。深く自分と将棋を掘り下げるきっかけになったのはもちろん、他の子から得られた価値観や、視野が広がったことは今将棋と向き合ううえでも活きていると思います。ゼミで学んだことは、本当に大きいです。

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諦めかけたプロ入り。「将棋が好き」と思い出させてくれた親友からの電話

――奨励会在籍13年。うち三段リーグ7年半。奨励会三段リーグに初参加したのは2013年で17歳、四段昇段時は最古参の三段でした。24歳でプロになられるまでは大変な時間だったと思いますが、四段昇段の挨拶では「最後の半年が一番楽しかった」とコメントされています。

最後の半年は、プロ入りを諦めていたので出てきた言葉ですね。「ここでダメだったら諦めよう」と思った時期があったんですけど、前半戦が終わった段階で1勝7敗。辞めるに辞められなくなりました。その頃、親友から飲みに行こうと誘いがあったんですけど、奨励会が2日後に迫っていたので「将棋をしないといけないから」って断ったんです。そしたら、「"しないといけない"って、義務感でやっているのか?」と言われ、涙がこぼれてきて。彼は起業していることもあり、「この先将棋でうまくいかなくても、自分が面倒を見るから」とまで言ってくれました。そこで、頑張ろうと決心がついたんです。

――ご友人の力強いお言葉、励みになりましたね。

励みになったのは、あともうひとつ。僕は大阪や滋賀で子どもたちに将棋を教えていましたが、地元の兵庫県では教えたことがなくて。小学生の頃、将棋クラブで将棋を習ってプロを目指すきっかけになったのに、何も地元に恩返しができていない状況にも不甲斐なさを感じていたんです。それを思って、最後の半年は「仮にプロになれなかったとしても、三段という肩書きがあるだけでも恩返しはできる」と思ったら、伸び伸び過ごせました。
結局、将棋以上に好きなものが見つからなかったんですよね。プロになるためにやっているのではなく、好きでやっている。初心に戻ることができました。

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――『夢をかなえるゾウ』シリーズがお好きというのも、今のお話に通じるところがある気がします。

たまたま、古本屋で手にしたんです。偉人の具体例から導き出される「成功習慣」を集めた一冊ですね。僕、毎日本からひとつの課題をノートに書き出して実践するようにしていました。例えば「求人情報誌を見る」という課題。まだプロになる前、半分諦めていた頃に一番刺さったテーマですし、喜んで実践した記憶があります。23歳からプロになる24歳までは、職業診断みたいなものもやりました。終えたら、ラクになりましたね。こんなにたくさんの仕事があるんだからって。不思議なタイミングでこの本と出会えて、それから全シリーズ読んでいます。読むタイミングによって、感じることが違いますね。

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――棋士になって2年。ABEMAトーナメントにも出場され、ご活躍されていました。

エントリー予選を勝ち抜けたのは運が良かったですし、チームとしては他の2人に助けていただきました。自分はネガティブなことを発言をしてポジティブに変換するタイプなんですが、メンバーは色々とポジティブな発言をしてくださって、自信になりました。応援団の経験もあるので、チームの雰囲気を明るくすることを心がけました。あと、いまは月に一度は地元で将棋教室をやっているんですけど、「チームのTシャツを着て応援してます!」という生徒さんもいらして嬉しかったですね。

――ふだん、棋士の先生ではどなたと一緒にいることが多いですか?

関西だと、同門の池永(池永天志五段)ですかね。池永とは無限に話してます。対局のあととか会うことがあると9割がた一緒にご飯に行きますし、旅行にも出かけたりしました。一門は仲が良いですよ。メッセージアプリの一斉送信で、師匠(小林健二九段)から「美味しいもの食べてます」とか、「旅行してます」とか連絡がありますが、弟子たちは心のなかで「いいね」をして返信はしないことが多いです(笑)。

――師匠との会話で心に残っているものはありますか?

昇段したときのことですね。三段リーグの2日前に、自分が「奨励会は、2日前が一番辛い」と話していたのを覚えてくださっていて、朝ショートメールをくださったんです。「絶対プロになれるから自分を信じて頑張ってください」と。自然と涙を流しました。小林門下で良かったと思いましたね。後押しをしてくれるようなやり取りで。特にプロになる前の最後の半年は、本当に色々と助けてくださいました。

3ヶ月ぶりのスイーツ解禁!「生カスタードシュークリーム」

――では、お話も進んだところでおやつタイムに入ります。今日はローソンの「生カスタードシュークリーム」をお召し上がりいただきました。

美味しいです!

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――秒で完食されていましたね...!

もうちょっと味わって食べればよかったかもしれませんが、シュークリームは新鮮さが大事だと思うのでバッと食べましたよ!久しぶりだったからか、いつもより甘く感じました。コーヒーとも合います。

――甘いものを控えていらしたんですか?

実はこの撮影に向け、少し体を絞りまして。ABEMAトーナメントに出た時にあまりにも太っていて「これはやばい!」とジムに通うことにしたんです。家族が食べていても、自分は甘いものを我慢したりして。3ヶ月で4kgほど痩せました。

――そんな努力の末に今日を迎えてくださったとは!ありがとうございます。

だから、シュークリーム本当に楽しみだったんですよ!実は「どらもっち」をよく食べるんですけど、シュークリームはスイーツの中で一番好きなので選びました。すごく美味しかったです。

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――トレーニングは大変でしたか?

こんなに運動が好きだとは思わなかったってくらい楽しくて。学生時代は将棋優先で運動部に所属できなかったので、初めてがっつりトレーニングをしました。まだ筋肉がついていないんで、これからも続けたいです。あ、ローソンさんの「からあげクン」もたんぱく質豊富なんですよね?こんどジムの後にいただきます!

10問アンケート

インタビューで聞ききれなかった10の質問を、冨田誠也四段に伺いました。

Q1
お名前の由来を教えてください。
冨田
「誠」という字は誠実に育ってほしいという意味で、「也」は母親の名前に使われていることからです。名字は父親の家のものだったので、母親の名前からもということで。
Q2
お好きな店のお好きな一品を教えてください。
冨田
焼肉がすごく好きで、関西将棋会館の隣にある「Mの焼肉 福島本店」が気に入ってます。奨励会で昇段したとき、菅井先生(菅井竜也八段)がお祝いにと連れて行ってくれたのが思い出に残っています。そこから何度か菅井先生とそのお店に行きました。また関東では「らぁ麺はやし田 武蔵小杉店」が好きです。味ももちろん好きですが、大学時代の将棋部の友人が働いているので会うのを目的に行ったりしています。明日も行く予定です。

ローソン✕冨田10

Q3
お好きなお酒は?
冨田
ハイボールですね。銘柄は何でも好きなんですが、白州とか碧Aoのハイボールも好きです。これは完全に都成先生(都成竜馬七段)の影響だと思います。奨励会時代よく飲みに連れて行ってもらい、先輩と同じものを頼むことが多かったので。
Q4
お好きな音楽は?
冨田
勇気や元気をもらえる応援ソングを聴きますね。最近だとCreepy Nutsの"かつて天才だった俺たちへ"が好きです。あとはベリーグッドマンの"ライオン"という曲も。対局前に聴いて自分を奮い立たせています。
Q5
お一人の時間に漫画を読まれるということですが、お好きな作品は?
冨田
『キングダム』ですね。プロになったら大人買いしようと思っていたのですが、叶えましたよ。何回も読み返しています。
Q6
身につけたいスキルはありますか?
冨田
何かの資格ですね。社会科の教員免許を取りたかったなと後悔しています。クラスを受け持ってみたくて。

ローソン✕冨田11

Q7
会ってみたい方はいますか?
冨田
けっこう昔から言ってるんですが、俳優の有村架純さんです。実は誕生日も同じで。NHKのドラマに出演されていたときに、「プロになってNHK杯に出れば会えるかな」というよこしまな気持ちを抱いていました。もちろんそのモチベーションだけではプロになるには至らなかったですね(笑)。あと、尊敬しているのは羽生結弦さん。歳も一つしか変わらなくて。言い表せないくらいすごいなと思います。
Q8
いつか行ってみたい場所はありますか?
冨田
47都道府県、すべてを旅行するのが夢ですね。世界一周もしたいです。
Q9
四段になられたときに「普及と将棋両方で将棋界に貢献したい」とおっしゃっていましたが、10年後にはどんな棋士になっていたいですか?
冨田
トップを目指し、タイトルを獲得したいです。あと、将棋が強くて他のことをやってるのってすごく格好良いなと思うので、実績を残したうえで、新しい道を切り拓くのも夢ですね。大学で経営を学び、そこで得た繋がりを持って、自分にしかできないことがあると思います。棋士って色々な側面があって、良い棋譜を残すことも、他の業界とのパイプを持って色々することも、仕事のうち。将棋を広げたい気持ちも強くあるので、新しい挑戦をして「こういう棋士がいてもいいんだ」という存在になりたいです。ゆくゆくは"プロ棋士"という肩書きが、何かの肩書きの後に来るのも面白いかなと思います。

ローソン✕冨田12

Q10
ファンの方にメッセージをお願いします。
冨田
いつも応援していただきありがとうございます。プロになってから、まだ目に見えるような実績を残せていないのですが、近いうちに何かで優勝したり、実績を作れるように頑張ります。

写真:阿部吉泰

四段 冨田誠也

冨田誠也四段

1996年2月13日生まれ。兵庫県三田市出身。小林健二九段門下。2007年9月に奨励会へ入会。2013年4月より三段リーグに参加。2020年10月、四段昇段。立命大経営学部では、マーケティングを専攻。得意戦法は四間飛車。サウナ好き。好きな本は『夢をかなえるゾウ』。

ローソン×日本将棋連盟 コラム

藤田華子

ライター藤田華子

音楽雑誌の編集者を経て、現在は企業のコンテンツ制作を手掛けています。SDGsやライフスタイルについての連載も執筆。趣味は将棋(将棋ペンクラブのお手伝い)、お風呂(温泉ソムリエです)、読書。観る将・読む将として、将棋の魅力をお伝えしていきます!

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