竜王戦や棋王戦挑決トーナメントで快進撃。広瀬八段の対局を振り返る【注目対局プレイバック 2018年11月下旬】

竜王戦や棋王戦挑決トーナメントで快進撃。広瀬八段の対局を振り返る【注目対局プレイバック 2018年11月下旬】

ライター: 渡部壮大  更新: 2018年12月19日

注目対局プレイバック

【第1図 第31期竜王戦七番勝負第4局】

第1図は第31期竜王戦七番勝負第4局(▲広瀬章人八段△羽生善治竜王)。後手が優勢ではありますが、まだ先の長い局面です。実戦は△8七歩成▲同玉△6九角▲7八歩△8五飛▲8六桂と進行しましたが、「中段玉寄せにくし」となり先手が逆転勝ちを収めました。これで七番勝負は2勝2敗となり、あらためての三番勝負です。

【第2図 第8期リコー杯女流王座戦五番勝負第3局】

 

第2図は第8期リコー杯女流王座戦五番勝負第3局(▲清水市代女流六段△里見香奈女流王座)。局面は後手勝勢で、ここで△5三角が「遊び駒は活用せよ」の決め手になりました。使えていない角をさばきながら、相手の守りの要となっている馬を攻め、また自玉の壁も解消しており、非常に価値の高い一手です。里見女流王座が3連勝で防衛を決めました。

【第3図 第26期大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負第2局】

第3図は第26期大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負第2局(▲谷口由紀女流二段△里見香奈倉敷藤花)。局面は後手勝勢で、先手玉を逃がさなければ勝ちになります。実戦は△4九銀▲3七玉△4八馬▲同玉△3八金まで後手の勝ち。以下は▲5九玉に△6七歩で寄り筋です。先手は上部脱出を最後の望みにしていますが、「玉は下段に落とせ」と基本の寄せで大丈夫です。下段に落として上から押さえるのが、紛れの少ない寄せ方になります。

【第4図 第39回将棋日本シリーズ決勝】

第4図は第39回将棋日本シリーズ決勝(▲菅井竜也七段△渡辺明棋王)。△3七歩のたたきで桂を跳ねさせ、先手の穴熊を弱体化させましたが金銀4枚の堅陣です。急所をつく攻めはどこでしょうか。

実戦は△3五桂が「桂は控えて打て」の力を溜める好打。次に△3七桂成~△2七桂打や△2七歩などの攻めを見ています。穴熊の空間に打ち込む攻めで、堅陣を切り崩した渡辺棋王が競り勝って優勝を飾っています。

【第5図 第68期王将戦挑戦者決定リーグ】

第5図は第68期王将戦挑戦者決定リーグ(▲佐藤天彦名人△糸谷哲郎八段)。次に▲5八玉のような手を許すと大変ですが、△3七角成▲同金△4八金が「玉は包むように寄せよ」の挟撃形。次に△7七桂▲同金△5八金打からの詰めろで先手玉は受けが難しく、投了となりました。

【第6図 第44期棋王戦挑戦者決定トーナメント】

第6図は第44期棋王戦挑戦者決定トーナメント(▲広瀬章人八段△佐藤天彦名人)。先手玉は△7九銀以下の詰めろ、後手玉は詰みませんが用意の決め手があります。図で▲8五桂左が退路を広げた詰めろ逃れの詰めろ。△9六歩に▲8四香△同金▲7二金で後手の投了となりました。このように終盤で一手以上の価値がある手を指せれば、速度を逆転させることができます。

渡部壮大

ライター渡部壮大

高校生でネット将棋にハマって以来、趣味も仕事も将棋な人。
将棋の月刊誌、週刊紙、書籍などの編集部に在籍経験あり。
アマチュア大会の最高成績は全国ベスト16だが、もう少し上に行けないかと日々努力中。

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