取材協力塚田恵梨花女流1級

「つい最近まで反抗期だったんです」将棋一家の塚田恵梨花女流1級に聞く、両親への想い
ライター: マツオカミキ 更新: 2018年12月12日
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ローソンのデザートを食べながら、和やかな雰囲気で女流棋士にお話を聞くこのシリーズ。今回は塚田恵梨花女流1級のインタビューをお送りします。父である塚田泰明九段の対局を初めて観た時の想いや、挫折した時に母・高群佐知子女流四段からかけられた言葉などについて、お話しいただきました!
子どもの頃から負けず嫌い「将棋も陸上も、負けたくなかった」
――今回のデザートは、10月にリニューアルした「プレミアムロールケーキ」です。
うわぁ、おいしそう。ローソンのUchi Café、すごく好きなので嬉しいなぁ。いただきます!
――今回のリニューアルでは、クリームのミルク感が増したんですよ。
本当ですね! 一口食べただけで、濃厚さがわかります。ミルク感たっぷりだけど、ペロっと食べられちゃうんですよね。
――塚田女流1級はケーキをよく食べている印象がありますが、甘いものお好きですか?
ケーキ、好きです。特にタルトケーキが好きでよく食べるんですが、あんまり食べ過ぎるとカロリーが‥‥。と言いつつも、食べている時はそんなこと忘れてますけどね(笑)。
――(笑)。でもその分、運動も結構されていると聞きました。
はい、今年からボクシングを習い始めて、週1~2回ほど通っています。以前はフィットネスジムに通っていたんですけど、一人で筋トレするのに飽きてしまって。
――将棋連盟のフットサルにも参加しているんですよね。中学の頃も、陸上部に入っていたとか。勝手なイメージで恐縮ですが、あまりスポーツのイメージがなかったので、少し意外でした。
よく言われます。「吹奏楽部のイメージだった」とか(笑)。今はそうでもないですが、当時は肌も真っ黒だったんですよ。都大会に出させてもらったり、とても楽しかったです。ただ、陸上部に所属していたのは中学1年生の時だけでした。その後、研修会に入ったので両立が難しくなってしまって‥‥。
陸上も、将棋も、やるからには負けたくないんです。子どもの頃から負けず嫌いで、鬼ごっこやドッジボールなどの遊びでも「絶対に負けたくない」と思うタイプでした。だから、将棋でも負けたくない。両立しながら上を目指せるほど器用ではないので、将棋に集中しようと決めました。
盤に向かう父の姿は、今でも鮮明に覚えている
――小学1年生で将棋を始めた後、本気でハマるようになったのも、対局で負けた時の悔しさがきっかけだそうですね。
はい。小学1年生の時に母(高群女流四段)からルールを教わりましたが、本気で取り組み始めたのは小学4年生の時です。初めて参加した「駒姫名人戦」の初戦で、同い年の竹俣紅女流初段にボロボロに負けたのがきっかけでした。
結果的にベスト8に残ったのですが、勝った記憶がまったくないぐらいに、負けた悔しさが大きかったです。そこで、「もう負けたくない、将棋をもっと頑張りたい」と思うようになりました。
――先ほど中学1年生の時に研修会に入ったとおっしゃっていましたが、プロを目指そうと決めたのは、いつ頃でしたか?
うーん、自分でもいつプロになりたいと思い始めたのか、覚えていないんです。自然な流れで教室に通い始めて、研修会に入ったので。
――ご両親がプロになるのを勧めたことは?
一切なかったですね。ルールを教えてくれたり、大会に連れて行ってくれたりはしましたが、それだけで。逆に、親に「プロを目指しなさい」と言われていたら、反発して将棋をやらなかったかもしれません(笑)。
――子どもの頃に、ご両親の対局などを観る機会はありましたか?
ありました。小学5年生の頃に達人戦の決勝まで父が残ったので、公開対局を観に行きました。
――小学5年生というと既に将棋に打ち込んでいる時期かと思いますが、塚田九段が対局している姿を観て、何か感じましたか?
「頑張ってるな」とは思っていましたが、それよりも、優勝賞品がパソコンだったので「勝ったらパソコンがもらえる!」とワクワクしていました(笑)。
ただ、父が盤に向かう姿や、モニターに映った局面は、今も覚えています。当時の私にとって、とても印象的なシーンでした。
「やめてもいいんだよ」と母の言葉があったから、挫折しても踏ん張れた
――これまでに「将棋をやめたい」と思うことや、挫折してしまったことはありませんでしたか?
やめたいと思ったことはないですが、挫折した経験はあります。研修会に入ったあと、全然勝てなかったせいでクラスが落ちてしまったことがあって。その状況が1年半ぐらい続いたので、その時は心が折れそうになりました。
当時、母に相談したら「いつでもやめていいんだよ」と言われて。でも、そんなこと言われてやめるの、悔しいじゃないですか。それで、「やめたくない、頑張りたい」と思えたんです。
――「頑張って」ではなく「やめてもいいんだよ」と言われたことが、負けず嫌いな塚田女流1級のモチベーションを上げてくれたんですね!
そうですね。あの母の励ましは、大きかったと思います。その後、勉強方法を変えるなど試行錯誤して、なんとかクラスを上げることができました。
――両親共にプロであることで、特有のプレッシャーがかかったり、反抗したくなったりしそうな気もします。そういうことは、あまりなかったですか?
いえ、つい最近まで反抗期でしたよ!(笑)
――つい最近まで、ですか!
はい。家にいる時は、父に何か言われたら言い返してしまうなんてことも、しょっちゅうでした(笑)。もちろん将棋に関しては師匠なので、そこは師弟関係として切り替えるようにしているつもりですが‥‥。
――師匠である父・塚田九段と一緒にお仕事されることもありますが、そういう時は気恥ずかしかったりしないんですか?
気恥ずかしさは、あまりないですね。共演させてもらえる時は、「どちらも呼んでいただけてありがたいな」と思っています。ただ、一緒だと素が出てしまうので、家のリビングでの会話みたいにならないように気をつけたいです‥‥(笑)。
――最後に、これから目指すものや、今後実現したいことを教えてください。
まずは、女流初段を目指すことです。ゆくゆくはタイトル戦にも出れるように、頑張りたいと思います。将棋以外の面では、社会人としての教養も身に付けたいです。最近は生放送でいただいたメールを読む機会もあるのですが、難しい漢字が読めなくて悔しい思いをすることがあって‥‥(笑)。20歳になったので、一人の大人として、人間的にも成長していきたいです。
まとめ
家族のことを笑顔でお話してくださった塚田女流1級。「家では三人で将棋の話をすることもあります。でも食事中に話すと、ただでさえ食べるのが遅い父が、将棋の話に集中してしまってご飯が進まないので、母に怒られちゃうんですけどね(笑)」と塚田家のほっこりエピソードも。「プレミアムロールケーキ」を差し入れてくれたローソンクルーのあきこちゃんには、こんなメッセージをいただきましたよ。
12月おすすめデザート
クリームをリニューアルした「プレミアムロールケーキ」は、ミルク感が増しながらもスッキリとした味わいに。ペロリと食べ終わってしまうおいしさです♪

ローソン×日本将棋連盟 コラム

ライターマツオカミキ