大学院を卒業したばかりのカロリーナ・ステチェンスカ女流1級、等身大な悩みとこれからの目標とは【女流棋士とデザート】

大学院を卒業したばかりのカロリーナ・ステチェンスカ女流1級、等身大な悩みとこれからの目標とは【女流棋士とデザート】

ライター: マツオカミキ  更新: 2018年09月18日

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ローソンのデザートを食べながら、和やかな雰囲気で女流棋士にインタビューするこのシリーズ。今回はカロリーナ・ステチェンスカ女流1級に、9月18日発売の「さつまいものモンブラン」を食べていただきました。母国・ポーランドと日本の似ているポイントや、女流棋士仲間と共に始めたボクシングの話、これから女流棋士としてどうなっていきたいかなどをお聞きしました!

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ポーランドのお菓子は、女流棋士仲間がびっくりするほど甘い?

――今回食べていただくデザートは、9月18日発売のローソンの新商品「さつまいものモンブラン」です。

「さつまいも」って、何ですか? フルーツ? ポーランドには、ないかもしれません‥‥。

――ポテトの一種です。焼き芋に使われているのが「さつまいも」ですが、見たことありますか?

焼き芋、食べたことあります! あれが「さつまいも」かぁ。ポーランドではケーキにポテトが入るという発想がないので、おもしろいです。いただきます。

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あ、おいしい~。日本語でどうやって味を表現すればいいのかわからないけど、甘さが控えめで日本らしい味ですね。今度、自分でも買って食べようかな。

――デザートは、どんなものがお好きですか?

チョコレートが好きで、対局や勉強が終わってからリラックスするために毎日食べています。ポーランドのお菓子はとても甘いので、時々ポーランドのチョコレートを女流棋士仲間に食べてもらうと、みんな「甘すぎる!」ってびっくりしますね(笑)。

――そんなに甘いんですね!

ものすごく甘いです。例えば、有名なポーランドのお菓子「クルフカ(Krówka)」って、知ってますか? キャラメルキャンディみたいなお菓子なんですが、日本人が想像するよりも甘さが濃くて驚くと思うので、機会があれば食べてみてください!

日本語がわからなくても「将棋を指せば通じ合える」

――日本とポーランド、食べ物など違いも多いと思いますが、一方で「似ているな」と思うところはありますか?

「精神が似ている」と、聞いたことがあります。日本人の侍の精神と、ポーランドの騎士の精神は似ているらしいです。あと、「仕事が終わったらお酒を飲む」みたいな、人間としての共通点はあるのかもしれませんね。私は飲まないんですが(笑)。でも、圧倒的に違いを感じることの方が多いですけどね。言葉も、文化も。

――21歳の時に北尾まどか女流二段に声をかけられて日本に来られましたが、言葉がわからない中で日本に来るのは勇気がいったのでは?

そうですね。でも、お父さんが「好きなことをやりなさい」と背中を押してくれましたし、「こんなチャンスはない!」と自分もワクワクしていました。

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その後、初めて日本に来て、街を歩いて「銀行」を見かけた時に「あ、銀だ!」と漢字がわかった瞬間は嬉しかったです! 将棋の漢字だけは読めたので(笑)。とはいえ、日本語はまったくわからず、北尾女流二段とは英語やジェスチャーでのコミュニケーションだったけど、将棋を指せば通じ合えるから大丈夫だと感じていました。

将棋・囲碁・チェス‥‥いろいろやった中で将棋を選んだ理由

――プライベートについてもお聞きしたいのですが、最近ボクシングを始められたそうですね。

そうなんです。2カ月前ぐらいだったかな、相川春香女流初段と一緒に始めました。

――どうして始めようと思ったんですか?

谷口由紀女流二段や、高浜愛子女流2級など、ボクシングジムに通っている女流棋士が何人かいて、「やってみたいな」とは思っていたんです。それで、相川女流初段と一緒に見学に行ったのがきっかけで、通い始めました。最近「はじめの一歩」というマンガにハマっていて、昨日も買ったばかりなんですが、ボクシングを始めたおかげで前よりもおもしろく読めるようになりました。

ちなみに、もともとポーランドにいた頃も、柔道や柔術をやっていたので、身体を動かすのは好きなんですよ。柔道をやっていたのは中学生ぐらいの頃で、柔術は大学生の頃かな。

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――中学生の頃には、既に日本文化に触れていたんですね! 将棋は、何歳ごろに出会ったんですか?

将棋を知ったのは、16歳の時にマンガの「NARUTO-ナルト-」を読んで知ったのがきっかけです。そう考えると、日本文化に触れたのは柔道の方が先ですね! あ、でも柔道よりも前に「ポケモン」のゲームを小学生ぐらいからやっていたから、そっちの方が先かな(笑)。

――最初の日本文化は「ポケモン」だったんですね! ゲームが、お好きなんですか?

そうですね、コンピューターゲームもたくさんやっていたし、もともとチェスもやっていました。チェスは大会にも出たことがあるんですよ。小学生ぐらいの頃だったかなぁ‥‥。ひどい負け方をして、泣いて帰って。その時に、チェスを極めるのはあきらめました。まあ、そのおかげでチェスをやめて将棋を始めたので、良かったと思います(笑)。将棋を始めた頃には、囲碁も結構やっていましたね。

――囲碁やチェスもやった中で将棋を極める選択をするわけですが、将棋のどういうところに魅力を感じたんでしょう。

将棋って、駒によって個性がありますよね。チェスとはちょっと似ているけど、将棋は取った駒を使えるから、戦い方がたくさんあっておもしろいです。どう戦うかを考えるのが好きなので、ハマったんだと思います。

「私はまだまだこれから!」自分を信じて、コツコツと。

――女流棋士としての、これからの目標を教えてください。

とにかく、強くなりたい。女流棋士として強くなって、いつかタイトルを取りたいです。あとは、国際普及。今海外向けの雑誌「インターナショナル将棋マガジン」の編集長をやっているので、そこで将棋のおもしろさを発信していきたいと思います。

――ポーランドでは、以前に比べて将棋は普及してきていますか?

そうでうすね。私が将棋を始めたころに参加した現地のトーナメントには、大人と子ども合わせて5人くらいしかいませんでしたが、最近は120人以上参加していたり。将棋を指している子どもの数で言えば、ポーランドはヨーロッパの中でも多い方だと思います。でも、もっと普及できると思うし、そういう活動は私だからこそできることだと思っています。

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それと、人間としても、もっと成長したいです。今、まさに「どういう人になりたいか」を考えている時期で、まだ頭が整理できていないんですけど‥‥。いろいろ勉強して、もっと大人にならなきゃ、と思っています。今年の3月に大学院を卒業してから東京に引っ越したんですが、それまでは寮生活だったので、余計にそう思うのかも。

――大学院も卒業して、引っ越しで生活環境も変わって、いろいろと考える時期なのですね。

それに最近、将棋の調子も良くなくて‥‥(苦笑)。でも、自分のこれからに期待しています。毎日コツコツと勉強していれば、絶対状況は良くなると信じています。将棋の調子も人生も、「まだまだこれから!」という感じです!

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おわりに

日本語でどう表現したら自分の気持ちを伝えられるか、言葉を丁寧に選びながらお話されている姿が印象的だったカロリーナ女流1級。インタビュー中は話すのに集中してなかなか「さつまいものモンブラン」が食べられなかったようで、インタビュー後に頬張って完食されていました! 「さつまいものモンブラン」を差し入れてくれたローソンクルーのあきこちゃんには、こんなメッセージをいただきましたよ。

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9月おすすめデザート

カロリーナ女流1級が食べていた「さつまいものモンブラン」は、クリームだけでなくケーキ生地やムースにさつまいもを使用し、さらに中にもカットされたさつまいもが入っている、贅沢で秋らしいデザートです♪

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取材協力カロリーナ・ステチェンスカ女流1級

1991年6月17日生まれ。ワルシャワ(ポーランド)出身。片上大輔七段門下。 大好きなまんが「NARUTO-ナルト-」で、忍者が将棋を指している場面を読んで、将棋への興味を覚える。 2017年2月20日、史上初の外国人女流棋士となる。同年4月、女流1級に昇級。

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ローソン×日本将棋連盟 コラム

マツオカミキ

ライターマツオカミキ

2014年からライターとして活動する平成元年生まれ。28歳にして初めて将棋に触れました。将棋を学びながら、初心者目線で楽しさをお伝えします!普段は観光地や企業、お店を取材して記事を執筆中。

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