対局見学から、将棋の歴史まで。高野秀行六段による夏休み自由研究ワークショップがすごい!

対局見学から、将棋の歴史まで。高野秀行六段による夏休み自由研究ワークショップがすごい!

ライター: 石川たえこ  更新: 2017年08月28日

2017年、老若男女問わず多くの方が「将棋」に興味を持ち、将棋ブームとなっています。その波は、小学生にも...。

本日(8月1日)行われるのは、プロ棋士の高野秀行六段が講師を務める「小学生対象 夏休み自由研究 ワークショップ2017」。なんと応募開始30分で2日間とも定員に達する人気ぶり!

最近では、習い事として将棋を学ぶ小学生も多く、今日も憧れのプロ棋士から将棋について学べるということで、続々と将棋好き小学生が集まってきました...!

今回は将棋会館で行われたワークショップのイベントレポートをお伝えしていきます。

対局室で本物の将棋を体感しよう

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まず、はじめに特別対局室へ。将棋好きにはたまらない本場の対局室に思わず興奮気味の小学生たち。

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いざ、対局室に入ると、対局前のプロ棋士の緊張感がひしひしと伝わってきます。いよいよ、対局がはじまりました。

棋士たちの真剣な眼差しに、子どもたちにも緊張が走ります。

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静かな対局室に、駒を置く音が響きます。思わず前のめりになり、棋士の動きに夢中の小学生たち。先ほどの緊張の面持ちから、一転、目の前で展開されるプロの将棋に、キラキラと目の輝きが増しています。

プロ棋士が使用する将棋盤や駒に触れてみよう

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続いて、対局室隣の桂の間へ。まずは、高野秀行六段と飯野愛女流1級の対局前の礼儀や作法を見学し、正しい将棋を勉強します。

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ただ作法や礼儀を学ぶだけでなく、「対局前には、駒の箱を開けるとき、王将を持たせてもらうとき、今日1日お願いしますというときの合計3回お辞儀をする。」など、なぜそのような作法が必要なのか?といったレクチャーも。将棋初心者のわたしも思わず「なるほど?!」とうなずいてしまうような勉強になる豆知識がたくさん...!

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この駒がどのように作られているのか? 駒にどのような種類があるのか?  公式戦で使用されている駒や将棋盤を実際に手で触りながら、学びます。

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なかなか触ることのできない、公式戦で使用する駒に大はしゃぎの小学生たち。「いつも使っている駒と全然違う!」なんて声も。プロの将棋を知ることができる貴重な機会です。

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続いて、一手ずつ交代で対局を。実際に、プロが使用している盤と駒を使って実践です。

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将棋盤の前に座ると思わず笑みが...!みんな将棋が大好きなようです。

将棋のきほん[歴史・仲間・用語]を知ろう!

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続いて、教室に移動し、将棋について勉強する時間です。世界の将棋の仲間は100個ある!など、将棋の起源や仲間、用語など、高野秀行六段が講師を務め、小学生にもわかりやすい言葉で「将棋のきほん」を解説していきます。

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授業の最後には積極的に質問する手も挙がり、みな意欲的です。この授業を通じて、より将棋の魅力を知り、知識を深められたのではないでしょうか。

年に一度だけ開く「将棋堂」が特別にオープン

会場である将棋会館の向かいの鳩森神社内に「将棋堂」があります。

この「将棋堂」が公開されるのは、将棋堂祈願祭の年に一度のみ。そんな貴重な「将棋堂」を本日は特別に見せていただくことができました! これはすごい!

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扉を開けると高さ1.2mの大きな駒が...! みんな一生懸命、棋力向上を祈願していました。

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ここで今回のワークショップは終了。将棋好きにはたまらない、充実したプログラムに子どもたちも終始、楽しそうにしていました。

最後に、今回講師を担当してくださった高野六段に、今回のワークショップについて、お話をお伺いしました。

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ーー最近の将棋ブームについてどう思いますか?

最近の将棋ブームのおかげで、将棋に興味をもってくれる世代が一気に広がったように思います。多くの世代に将棋の魅力が届くように、これからもさまざまなアプローチを続けていきたいですね。

ーー今回のワークショプで何か工夫されたことはありますか?

将棋のルールを教えるよりも、"本物の将棋を見ること"と"礼儀や作法"を伝えていきたいと思い、プロの対局を見てもらったり、実際に礼儀や作法のお手本を見せ、説明する時間を作りました。

ーー最後に、子どもたちに伝えたいメッセージがあればお願いします。

将棋を通じて、"自分で考える力"をつけてもらえたらいいなと思っています。そこから、自分の好きなことを見つけて、それを伸ばしていく能力がつけられたらもっといいですよね。

以上、「小学生対象 夏休み自由研究 ワークショップ2017」のイベントレポートをお伝えしました。子どもたちにとって、忘れることのできない夏休みの素敵な思い出になったのではないでしょうか。今後も、多くの世代が将棋を楽しめる場が増え、将棋を通じて、世代を超えたつながりが増えていくのではないかと思います。

石川たえこ

ライター石川たえこ

大学卒業後、大手銀行にて勤務。その後、自由大学の運営を経て、2015年より世界一周の新婚旅行へ。500日43カ国を旅し、2016年5月に帰国。現在、長野と東京を拠点に、フリーランスでライター・編集の仕事をしている。幼い頃、父と祖父が将棋をしていたのをよく眺めていたが、未だにルール習得に苦戦している将棋初心者。

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